| フォルクスワーゲンはゴルフを廃止する意向であったが、最近は「電動化にて継続する」と姿勢を変えている |
IDブランドから「ゴルフR」が登場する可能性が大
さて、フォルクスワーゲンCEO、トーマス・シェーファー氏によると、「ガソリンエンジンを搭載した最後のゴルフが2024年に登場する」。
ただしこれは次世代ゴルフではなく、現行のゴルフ8のフェイスリフト(マイナーチェンジ)版、つまりゴルフ8.5を指しています。
正確に同氏の発言を伝えるならば、「我々は2024年に現在のゴルフをアップデートすることになるでしょう。そして次世代ゴルフは電気自動車でなければなりません」。
つまりは今回のアップデートを最後に、ガソリンエンジンを積むゴルフが登場することはなく、ついに一つの時代が終わるということを意味します。
ゴルフ8の評判はイマイチだったが
なお、ゴルフが「7から8」へとモデルチェンジした際によく言われたのが「コストダウンが著しい」。
実際に検証を行ったメディアも多数存在し、しかしそこまでやらずとも消費者にそれが伝わってしまったのか、日本においてはゴルフ7ほどの人気がないようにも思えます。
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そのほかゴルフ8の評判を落としているのは「ゴルフGTIとゴルフRのステアリングホイールに内蔵される静電式スイッチ」で、(試乗の際には気にならなかったのですが)実際のユーザーからの評判はあまりに芳しく無く、2024年のフェイスリフトにおいては、多くの人がこのスイッチを「なんとかしてほしい」と考えているのかもしれません。
ちなみにですが、フォルクスワーゲンCEO、トーマス・シェーファー氏もこの問題については認識しているようで、2025年にはソフトウエアがアップデートされる(のでマシになる)と答えており、しかしゴルフGTI/ゴルフRユーザーはまだ2年も改良を待たねばならない、ということになりますね(ソフトウエアのアップデートで改善するということは、センサーなどに物理的な問題があるわけではないようだ)。※実際のところ、多くのユーザーが静電式ではなく、ベースモデルに採用される物理スイッチを望んでいるようだ
フォルクスワーゲンはゴルフを廃止しようと考えていたが
参考までに、VWはゴルフを廃止しようと考えていた時期があり、実際の後継モデル自体は(ピュアエレクトリックとなって)発売されるものの、それはゴルフという名を捨ててIDブランドから発売されると(当時)報じられています。
その理由としては、未だ欧米では根強く残るフォルクスワーゲンに対するディーゼルゲートの不信感から脱却するためで、ある意味ではもっともフォルクスワーゲンらしいゴルフを切り捨てることで、人々の記憶から忌々しいディーゼルゲートを取り除こうという判断が働いたのかもしれません。
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ただ、その後フォルクスワーゲンはゴルフの名を存続させる意向を示しており「前言撤回」となったわけですが、これはどうやらIDブランド自体の販売がパっとしないので、ゴルフのネームバリューを借り、IDブランドから「ゴルフ」の名を持つホットハッチ(つまりゴルフR)を発売することでIDブランドの活性化を図ろうとしているもよう。
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ちょっと前に、フォルクスワーゲンにて「R」部門を管理するラインホルト・イヴェンス氏は、IDブランドから登場するRモデルについて「ガソリンエンジン搭載のRモデルと同等以上のパフォーマンスを持つこと」について言及していますが、この達成のためには出力ではなく「パフォーマンスからの逆算によって」どれくらいの馬力が必要であるかを導き出しているといい、「次世代電動プラットフォームはより馬力がありますが、私たちは馬力で考えているわけではありません。私たちが考えるのは加速度です。例えば、時速0-62マイルを4.0秒で走らせたいなら、そのためにどれだけのパワーが必要かを議論することになります」ともコメントしています。
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参照:Autobild