なお、アルファロメオは今までに商用車を発売したことはない
韓国のデザイナー、Taekang Lee氏の考えた「アルファロメオ・トラック・コンセプト」。
読んで字のごとく「アルファロメオがトラックを作ったとしたら」というレンダリングですが、フロント全面があの「シールド(盾)」型フロントグリルになっているという大胆なデザインです。
「この発想はなかったわ」という感じではあるものの、このデザインは「トラックだからこそ」実現できたもので、乗用車ではその形状上「不可能」。
かなり秀逸な目の付け所を持つレンダリングだと言えそうです。
実際にこのトラックが走っていたら、誰もが目を奪われることになりそう
フロントを見ると、このグリルのほか(何度見てもすごいなコレ・・・)デイタイムランニングランプ、バンパー両脇のエアインテークが「紛れもないアルファロメオ」。
後ろから見ても、キャビンのちょうど「裏面」に当たる部分にシールドを模ったデザインが見られます。
そしてトレーラーの常として、前部分のみを見ているとややファニーではありますが、こうやってカーゴ部分を連結してみると「やっぱりちゃんとしたトレーラー」に見えますね。
なお、コンテナ部分のサイドアンダーには空力を考慮したためか「スカート」が装着されています。
アルファロメオは創業1910年の歴史ある自動車メーカー
なお、アルファロメオは1910年までそのルーツを遡ることができる、由緒ある自動車メーカー。
ミラノでの創業となりますが、ミラノ市の紋章となる「サン・ジョルジョの十字」と大蛇が人を飲み込む(ミラノを支配していた)ヴィスコンティ家の紋章を組み合わせたエンブレム、そしてその紋章の台座となる盾を組み合わせたフロントグリルが特徴となり、このエンブレムはぼくの考える「もっとも格好良い自動車メーカーのエンブレム」。
なお設立時の社名は「ロンバルダ自動車製造株式会社=Anonima Lombarda Fabbrica Automobili」、コレを略してA.L.F.A.。
そしてその後吸収合併によって「ニコラ・ロメオ技師株式会社」へ、そこから自動車部門が独立して「アルファロメオ」に。
このときは1930年と記録されていますが、この後1940年代までアルファロメオはずっと「高級スポーツカー」のみを作り続けてきており、今現在の印象とは大きく異なるのは興味深いところ。
アルファロメオが路線変更を余儀なくされたのは1940年代後半からで、1943年の空爆による工場消失、そしてその後の再建政策が「大衆車中心」であったためですが、この方針が現在に至るまで続いている、ということに。
さらにもうひとつ興味深いのは、アルファロメオはこれまで「商用車を発売したことがない」。
これは一つの重要な事実だと思いますが、そこがやはりアルファロメオを「特別なブランド」たらしめているのでしょうね(それでもこのトラックは発売して欲しいと思いますが)。