| F1参戦によって得たノウハウをフィードバック |
アルファロメオが予告通り、ジュリアのハイパフォーマンスバージョンである「ジュリアGTA」と「ジュリアGTAm」を発表。
これは1965年にデビューしたオリジナルのGTA (Gran Turismo Alleggerita)をイメージしたものですが、序列からするとまずGTA、そしてさらにハードコアなのがGTAm。
両車ともエンジンはジュリア・クアドリフォリオに搭載される2.9リッターV6ツインターボを採用し、しかし出力は503馬力から540馬力へとパワーアップ(さすがに事前にウワサされた620馬力ではなかった)。
同時に100kgの軽量化が施されています。
突き詰めたのは軽量化、エアロダイナミクスとハンドリング
アルファロメオによると、ジュリアGTA/GTAmで目指したのは「なによりも軽量化、そしてエアロダイナミクスとハンドリングの向上」。
F1参戦のノウハウを生かして開発された新しいアクティブエアロシステムやサイドステップ、リアスポイラーはすべてエアロダイナミクスとハンドリング向上という目的に基づいている、とのこと。
まずはもっともスパルタンな「ジュリアGTAm」。
ウワサされていたようなサーキット走行専用モデルではなく、「公道走行も可能」だとアナウンスされています。
フロントバンパー形状が大きく変更され、カーボンファイバー製の大きなスプリッター装備、フロントフェンダーはワイドに、そしてサイドステップにはカーボン製のウイング追加、ドアミラーもカーボン製、さらにリアにはカーボン製のオーバーフェンダーが装着済みとなり、通常のジュリアとは一線を画する外観に。
ジュリアGTAに比較するとカーボン製の大きなリアウイングが目を引き(ジュリアGTAはトランクリッドスポイラー)、これは超高速域での安定性を考慮したため、とのこと。
その形状はかなりシャープで、そして「薄い」ために視覚的な軽さも感じさせますね。
リアディフューザーはバンバーにインテグレートされ、そのサイズからも相当なダウンフォースを発生するであろうことが推測できます。
なお、エキゾーストシステムはアクラポヴィッチによるチタン製。
なお、フェンダーは前後とも50ミリ拡大し、サスペンションもブッシュ、ショックアブソーバー、スプリングが見直され、高速域でのハンドリングが向上していると紹介されています。
そのほか「軽量化」については、ボンネット、ルーフ、フロントバンパー、フロントフェンダーがカーボン製。
上述のようにミラーやリアのオーバーフェンダーもカーボン製です。
さらにアルファロメオのセダンとしては「初採用」となるセンターロックホイールが装着されていますが、全体的な仕様を見る限り、フロント周りを徹底的に軽量化したり、センタロックホイール化による回転マスの軽減、センターマフラーによる重量配分適正化など、「見かけだけではなく、かなり本気な内容」を持ったモデルだと言えそうです。
これらのほか、エンジンの一部、ドアパネル、足回りパーツ等にはアルミニウムが使用され、そのほか複合素材の多用したほか、リアサイド/リアウインドウには樹脂を採用。
このあたりもモータースポーツに直結した手法でもありますね。
アルファロメオ・ジュリアGTA/GTAmのインテリアはこうなっている
そしてこちらがジュリアGTAmのインテリア。
ダッシュボード、ドアパネル、グローブボックス、ピラー、シートにはアルカンターラが貼られていますが、これは「レザーよりもアルカンターラのほうが軽量だから」という判断なのかも。
外観ほどは手が入っていないという印象があるものの、マット仕上げのカーボン製トリム、リクライニングなしのフルバケットシート、ハーネスがとことんスパルタン。
後部座席は取り払われ、かわりにロールケージ、ヘルメットホルダー、そして消化器収納スペースが設けられます。
「4ドアなのに後部座席がない」というのは、ジャガーXE SVプロジェクト8(現在4ドアではニュルブルクリンク最速)と同様の手法であり、アルファロメオはこれまでもジュリア・クアドリフォリオ、ステルヴィオ・クアドリフォリオにて「ニュル最速」をアピールしてきたことからも、このジュリアGTAmをもってジャガーXE SVプロジェクト8に挑むことになるのかも。
アルファロメオ・ジュリアGTAはこんな仕様を持っている
そしてこちらは「幾分マイルドな」ジュリアGTA。
基本的な外観はジュリアGTAmと同じですが、リアウイングに代わってトランクリッドスポイラーが装着されています。
ジュリアGTA/GTAmともに、スタンダードなジュリア・クアドリフォリオに比較すると約100kg軽量化されているといいい、つまり車体重量は1,520kg。
パワーウエイトレシオは2.8に達し、これはスーパースポーツ並みの数字でもありますね。
0-100km/h加速は3.6秒だとアナウンスされており、「さほど速くない」数字ではありますが、これは加速よりも「実際にサーキットを走ったときの速さ」を追求したためなのかもしれません。
限定台数はわずか500台
残念なことに、アルファロメオ・ジュリアGTA/GTAmは合計で500台の生産に留められ、しかしオーナーの満足度を高めるため、すべてにシリアルナンバーそして証明書が付与されるとのこと。
すでにアルファロメオはこれらの受注を開始しているとのことですが、現在日本のアルファロメオ法人からのアナウンスはなく、日本への割当はもちろん価格も不明といった状態です。
幸運にもジュリアGTA/GTAmを手に入れることができたオーナーは、特別カラーを持つベル製のヘルメットやアルパインスターズ製のレーシングセット(スーツ、グローブ、シューズ)、グッドウール製のカーカバー、アルファロメオ・ドライビング・アカデミーでの受講権も獲得できるようですね。
VIA:Alfa Romeo