| いずれの生産年も2005年前後に集中 |
中国のスーパーカーディーラーにて、ポルシェ・カレラGT、フェラーリ575スーパーアメリカ、シボレー・コルベットZ06が放置されている、というニュース。
このディーラーは中国でもごく初期に開設されたもので、主にフェラーリ/マセラティを扱っていたと報じられています。
現在は閉店しているようですが、そのガラス越しに撮影された画像がインスタグラム上に公開され、「いったいなぜ?」と多くの人が疑問を投げかける事態に。
なお、流石の中国といえども、15年ほど前はスーパーカーを購入する人がさほどおらず、よって「ランボルギーニとフェラーリ 併売」といった複数ブランドを一緒に売るディーラーが多く(単独ブランド展開では到底モトが取れない)、このディーラーもその一つかと思われます。
それぞれが特徴を持つレアカー
見たところ、そして埃の被り具合からしてこのディーラーはすでに廃業し、当時の在庫がそのまま放置されているように見えますが、こういった「放置」を見て思うのは、なぜこれらのクルマを売却しないのか?ということ。
もし業績不振が原因となる借金を抱えての廃業であれば債権者がこれらを持ってゆくはずで、ディーラー内の調度備品もろとも残されているのはちょっと謎。
そして廃業しておらず、金銭的にも困っていないので、この場所を「倉庫」代わりに使用し、きたる価格高騰に備えて寝かせているという可能性もありそうですが、それにしては保管方法がちょっと雑であるようにも思えます(タイヤの空気も抜けている)。
加えて、「ポルシェ・カレラGT」「フェラーリ575スーパーアメリカ」というレアカーは理解できるとして、コルベットZ06がここに加わっているのもちょっと理解が及ばないところ。
なお、ポルシェ・カレラGTは2003年〜2006年、C5世代のコルベットは1997年〜2004年、フェラーリ・スーパーアメリカは2005年〜2006年の発売なので3車の発売時期が揃っているのも特筆すべき点。
投稿によると、このディーラーは2007年にオープンしたそうですが、いつから閉鎖されているのかは不明です(2012年あたりに閉じたようだ、というコメントはなされている)。
ポルシェ・カレラGTはもともとレーシングカーとして企画されていた車両を市販車へと転用したもので、エンジンは5.7リッターV10、出力は612馬力。
カーボンモノコックシャシーを使用した(当時)唯一のポルシェでもあり、そのため価格も4500万円ほどとかなり高価に。
そのため思うように販売が進まず、1500台の生産計画を持っていたものの、1270台が製造されるにとどまっています。
なお、その際の「残った資材」をなんとかせねばとして企画されたのがポルシェ918スパイダー(企画の意図はそれだけではありませんが)。
このカレラGTのエクステリアは当時の911GT3にも設定されていたザンジバルレッドだと思われ、となると「3台しか生産されなかった」とんでもなく希少なクルマということになりそうですね(ホイールの2トーン仕上げも珍しい)。
フェラーリ575スーパーアメリカは599台のみが限定販売されており、その最大の特徴は「オープンであること」。
フェラーリは575Mにオープンモデルを設定しておらず、よってこの575スーパーアメリカは非常に貴重なクルマということになります(フェラーリは常にオープンモデルを特別扱いのポジションに置いている)。
日本には20台が正規輸入され、その際の価格は3024万円(MT)に設定されています。
搭載されるエンジンは5.7リッターV12、出力は640馬力。
C5世代のコルベットにおいて特筆すべきは「市販車最後のリトラクタブルヘッドライト採用車」ということ。
さらにシャシーはモノコック化され、ショートホイールベース化そしてワイドトレッド化によって高いコーナリング性能を持つに至っています。
ZO6はその中でもハイパフォーマンスバージョンということになり、搭載されるエンジンは5.7リッターV8(LS6)、出力は405馬力。
マニュアル・トランスミッションしか設定がないといえばその特別さがわかるかもしれません。
世界ではあちこちで「放置」されるクルマが報じられますが、おそらくはそれぞれにドラマがあるのだと思われ、放置されるようになった背景は非常に気になるところ。
そして所有権が不明であれば「動かすことができない」のも放置車両の特徴であり、もしかすると今回の3台は「あと数十年も」このままディーラー内に放置されることになるのかもしれません。
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参照:Motor1, Cheongermando, Periodismodel Motor