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その走行距離は約16万キロ。世界で最も距離を走ったエンツォフェラーリ、通称MMエンツォの物語。時速300キロオーバーから30ヶ月かけて再生された過去も

2022/03/12

その走行距離は約16万キロ。世界で最も距離を走ったエンツォフェラーリ、通称MMエンツォの物語。時速300キロオーバーから30ヶ月かけて再生された過去も

| 正直、エンツォフェラーリを16万キロも乗ると維持費がどれくらいかかったのかが気になる |

「もったいない」と思う人も多いかもしれないが、これもまたひとつのスーパーカーライフのあり方でもある

さて、「世界で最も長い距離を走った」エンツォフェラーリの物語が公開に。

このエンツォフェラーリは「もっとも距離を重ねた=Most Miles」略してMMエンツォと呼ばれており、カーエンスージアストであるリチャード・ロッシー氏が2000年代はじめに購入したもの。※ナンバープレートもMM ENZO

彼はエンツォフェラーリを「乗るため」に購入しており、多くのコレクターがそうするように、ずっと空調の効いたガレージに保管しておくつもりはまったくなく、実際に購入してすぐ、ロード&トラック誌にこのエンツォフェラーリを(テスト車両として)貸し出したこともあるようですね。

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その後、さらに距離を重ねるように

ロード&トラック誌では1500マイルを走ったものの、その後リチャード・ロッシー氏は「さらに距離を伸ばす」ことに決め、同誌と協力して1万マイルの長期テストを行い、さらには順調に3万マイルにまで距離を伸ばします。

ただ、2006年にユタ州ハイウェイパトロールが開催したファストパス・チャリティイベントに参加した際にクラッシュを喫してしまいますが、この状況としては「合法に閉鎖された区間を高速走行していたところ中央分離帯にヒットし、時速331キロにて宙を舞う」というもの。

当然ながらエンツォフェラーリは大破してしまい、リチャード・ロージー氏本人は全治一年の重症を負ったのだそう。

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果たして怪我からの回復後、リチャード・ロージー氏はこのエンツォフェラーリの修復に取り掛かり、しかし「どうせなら」と完全にレストアそしてカスタムを行うことに決め、ツインターボにて武装し800馬力を発生させるなど「モンスターマシン」としてこのクルマを蘇らせることになります(約30ヶ月を要したらしい)。

その後リチャード・ロージー氏はこのエンツォフェラーリにて陸上最速記録を樹立すべくボンネビル・ソルトフラッツに挑戦し、そこでは2010年10月に時速237.1マイル(時速381キロ)という速度記録を達成することになりますが、その後にも「デタッチャブルルーフ」加工を施すためのカスタムを計画しており、どんどんこのMMエンツォは進化を重ねている、と報じられています。

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現在、その走行距離は「10万マイル」に迫る

そして現在、このMMエンツォの走行距離は9万マイルを超え、現在10万マイルを目指しているところとなりますが、現在このクルマをドライブするのはインスタグラマーの@dryl8k氏。

ただ、MMエンツォの所有権は今でもリチャード・ロージー氏にあるといい、@dryl8k氏はなんらかの条件にてこのMMエンツォを借り受けているとされ、そう遠くない未来に「10万キロ突破」の報を聞くことができるかもしれません。

実際に、同氏のインスタグラムを見るに、様々な場所へとでかけており、日常的にこのクルマを使用していることがわかります。

なお、エンツォフェラーリはフェラーリの創業55周年を記念して発売された限定スーパーカーで、2002年から2004年の間に400台が生産されており(本来の計画では399台だったが、ヨハネ・パウロ2世がオーダーした1台がプラスされて400台)、ここ最近(ブガッティEB110、ポルシェ・カレラGTとともに)急速に価値を上げているクルマのひとつ。

2008年に比較してその相場が4倍になっていて、「保存派」コレクターから見るとターボ化含む様々なカスタム、そして過走行については眉をひそめる事実なのかもしれませんが、やはりクルマは「乗ってナンボ」でもあり、こういった楽しみ方もまたひとつの「スーパーカーオーナーのあるべきスタイル」だと思います。

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参照:Instagram (@dryl8k) , Motor1

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