>フェラーリ

フェラーリ「296スペチアーレ / 296スペチアーレA」は296GTB / 296GTSに比較してどう外観が変わったのか(2)?より長く、より低く、そしてより先進的に

フェラーリ「296スペチアーレ / 296スペチアーレA」は296GTB / 296GTSに比較してどう外観が変わったのか(2)?より長く、より低く、そしてより先進的に

Image:Ferrari

| フェラーリ296スペチアーレ / 296スペチアーレAは現時点のフェラーリにおける「デザインと機能」の集大成でもある |

296GTB / 296GTSの「クラシカルで優雅」から296スペチアーレ / 296スペチアーレAでは「より先進的で攻撃的」に

さて、296スペチアーレ / 296スペチアーレAと296GTB / 296GTSとのデザイン比較第二弾。

前回はフロント周りを紹介しましたが、今回はサイドそしてリアを見てみたく、全体的には「低く長く」見えるという印象も。

サイズ的には296スペチアーレは「60ミリ長く、10ミリ広く、6ミリ低く」なっていて、実際の数値的にも”長く、広く、低く”なっているのですが、視覚的には数字以上に「長く、広く、低く」が強調されているようにも感じられ、その理由を探ってみましょう。

フェラーリ「296スペチアーレ / 296スペチアーレA」は296GTB / 296GTSに比較してどう外観が変わったのか?フロントフードが「左右に広く見えなくなった」
フェラーリ「296スペチアーレ / 296スペチアーレA」は296GTB / 296GTSに比較してどう外観が変わったのか?フロントフードが「左右に広く見えなくなった」

Image:Ferrari | 正直なところ、「僅かな変化」のようにも見えるが、それでも印象は大きく変わったようだ | まさに「デザインの妙」ともいえる技を見せてくれるのがフェラーリのデザインスタジオ ...

続きを見る

フェラーリ296スペチアーレでは「ボディ同色部分」が拡大している

まず、この296スペチアーレが「長く、広く、低く」見えるのはボディカラー同色部分が拡大しているのがその一つの理由かもしれません。

フロントバンパー下部が「より下に、より横に」伸びたので低く安定しているように見えるのでは、ということですね。

17

Image:Ferrari

加えてフロントバンパー下部先端が前に伸びたため、これも「長さ」「低さ」を強調する部分なのかも。※一方でフロントフード上にはエアロダンパーが設けられたために間延びして見えることもない

19

Image:Ferrari

なお、フェラーリは812コンペティツォーネのフロントフード上に「ブレード」を設けており、これは「フロントフードが冗長に見えないようにすることを狙ったもの」と説明されていて、しかし実際の「排熱」といった機能も兼ねているため、「デザインと機能とを両立させた」秀逸な例だと言えそうで、近年のフェラーリは「機能、デザイン、そして素材」を非常にうまく組み合わせていることがわかります。

L1009445

そしてフェラーリは296スペチアーレにおいて「ブラックルーフ」を採用していますが(オプションかもしれない)、これも視覚的に車高を低く見せると同時に、「フライングブリッジ」と呼ばれるBピラーからルーフへとつながるデザインを強調するという効果があり、そしてこのブリッジは実際にルーフを伝ったエアをエンジンフード上へと流す機能を持っていて、ここもやはり「デザインと機能とをバランスさせた」ところなのかもしれませんね。

フェラーリ 296スペチアーレ(Speciale) / スペチアーレAついに正式発表:ドライビングの興奮に関する新ベンチマークとその魅力

Image:Ferrari

そして何よりも特筆すべきはこの「サイドウイング」で・・・。

25

Image:Ferrari

これはもちろんFXX K Evoから取り入れられたもの(ただしFXX K Evoほど極端ではない)。

DSC06030

フェラーリは大きなウイングを装着することを嫌う自動車メーカーではありますが、このサイドウイングもまた「デザインを損なわずに機能を拡張する」一つの例だともいえ、296GTBから「20%増し」のダウンフォースを獲得するために用いたのがこの手法。

296GTBではこんなリアエンドを持っていますが・・・。

21

Image:Ferrari

296スペチアーレAだとこう。

20

Image:Ferrari

これによって塗装面積が増えてリアのボリューム感が増すとともに、より「ウェッジシェイプ」が強調され戦闘的なスタイルを持つに至ったようにも。

23

Image:Ferrari

ちなみにこのリアバンパー横の下部分の処理はSF90ストラダーレによく似ており、やはり296GTBは「現時点での」フェラーリの様々なモデルが持つ優れた部分を取り入れた集大成ともいえる存在なのかもしれません。

L1440549

ちなみ296スペチアーレのテールパイプはF80との共通性を持っていて・・・。

18

Image:Ferrari

こちらがF80。

21

Image:Ferrari

さらにいうなれば、296GTBでは「リアのアッパーとバンパーが一体化し、その下にディフューザーが取り付けられている」という構成を持ちますが・・・。

2

Image:Ferrari

296スペチアーレではリアのアッパー部分がテールパイプにて「分断」され、その下に大型ディフューザーが装備されるという「二分割」構造。

1

Image:Ferrari

こうやって見ると296GTBと・・・。

6

Image:Ferrari

296スペチアーレとの差異、そしてサイドウイングの構造がよく分かるかも。

さらにはリアディフューザーの「幅」「深さ」ともに拡大されていることを確認できます。

22

Image:Ferrari

一方でサイドアンダーはさほど大きな変更がないようには見えますが・・・。

15

Image:Ferrari

F8トリブートにて取り入れた「リヤタイヤ前の下部分が広がる」デザインが取り入れられ・・・。

L1500811

形状としては(レーシングカーの)296GT3にも似ているものの、296スペチアーレではこのサイドスカートにエアチャンネルを設け、ここを通ったエアをリアタイヤに当てて乱流を生むというロジックを取り入れています。

フェラーリが2025年を戦う「296GT3」を公開。ル・マン・ハイパーカーと同じカラーリングにナンバーを持ち、このエアロパッケージは296VSにも採用か
フェラーリが2025年を戦う「296GT3」を公開。ル・マン・ハイパーカーと同じカラーリングにナンバーを持ち、このエアロパッケージは296VSにも採用か

Image:Ferrari | フェラーリ296GT3は現時点においても「非常に成功したレーシングカー」のひとつである | 実際のところ、フェラーリの「V6」は非常に成功しているが さて、フェラーリが ...

続きを見る

こういった感じで「単なる296GTBと296GTSのエボリューションモデルではなく」、フェラーリが様々なモデルに採用し実績を積んだ機能やデザインが投影され、さらにはXXプログラムやモータースポーツを通じて得た知見が反映されているのがこの296スペチアーレ / 296スペチアーレAということになりそうです。

23

Image:Ferrari

合わせて読みたいフェラーリ296スペチアーレ関連投稿

フェラーリ 296スペチアーレ(Speciale) / スペチアーレAついに正式発表:ドライビングの興奮に関する新ベンチマークとその魅力
フェラーリ 296スペチアーレ(Speciale) / スペチアーレAついに正式発表:ドライビングの興奮に関する新ベンチマークとその魅力

Image:Ferrari | 現時点で「296スペチアーレ」「296スペチアーレA」の価格は発表されていない | 生産台数ではなく「期間」限定生産であるともアナウンスされている さて、フェラーリが予 ...

続きを見る

フェラーリが296スペチアーレ / 296スペチアーレAのコンフィギュレーター公開、ボディカラーなど外装の選択肢はこんな感じ【動画】
フェラーリが296スペチアーレ / 296スペチアーレAのコンフィギュレーター公開、ボディカラーなど外装の選択肢はこんな感じ【動画】

Image:Ferrari | 296スペチアーレ / 296スペチアーレAではシャープなイメージのメタリックグレーがよく似合う | ホイールに「ホワイト」が登場したのが新しい さて、フェラーリが29 ...

続きを見る

フェラーリ 296スペチアーレ / 296スペチアーレAのコンフィギュレーター「インテリア」編。シートカラーに「ロッソディーノ」「アッズーロディーノ」「イエロー」が登場【動画】
フェラーリ 296スペチアーレ / 296スペチアーレAのコンフィギュレーター「インテリア」編。シートカラーに「ロッソディーノ」「アッズーロディーノ」「イエロー」が登場【動画】

Image:Ferrari | フェラーリF80の流れを汲み、さらなる独自性も | 「スペチアーレ」としてはかなり多くの選択肢を用意しているようだ さて、エクステリアに続き、今回は「296スペチアーレ ...

続きを見る

参照:Ferrari

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->フェラーリ
-, , , ,