ランボルギーニ大阪さんにて、アヴェンタドールLP700-4、そしてアヴェンタドールSが展示中。
なんと現在はアヴェンタドールSが二台展示されており、新旧アヴェンタドール合わせてなんと3台がフラッグシップのV12モデル、となっています。
アヴェンタドールSについてはすでに見てきた印象などを下記について述べていますが、ここで改めて新旧アヴェンタドールを見比べてみましょう。
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アヴェンタドールLP700-4は2011年に「ムルシエラゴ」にかわって登場したランボルギーニのV12フラッグシップ。
ランボルギーニ各モデルのライフは10年で、しかし「二世代現役でいられる車を目指した」としており、つまり20年間をカテゴリのトップとしていられるだけのデザイン、パフォーマンスを持って登場しています。
なお先代であるムルシエラゴの生産台数は4,099台で、ランボルギーニ自身もアヴェンタドール発表時にはムルシエラゴと同等の生産台数を予定しており、つまり「アヴェンタドールの総生産台数は4000台ほど」と考えていたものの予想をはるかに超える人気モデルとなり、すでに(昨年3月に)生産台数5,000台を軽く突破。
今回モデルライフ中央ということで「フェイスリフト」を行なっており、それが「アヴェンタドールS」。
こちらも現在凄まじい人気っぷりを発揮していて、アヴェンタドールの生産が終了する頃には軽く「前期と後期通じての総生産台数」は10,000台を超えるのかもしれません。
なおランボルギーニとフェラーリとのラインアップ構成には相違があり、双方ともV12をフラッグシップとするのは同じですが、ランボルギーニは「ミドシップ」、フェラーリは「フロントエンジン」。
その下にはフェラーリではV8、ランボルギーニではV10モデルが控えます。
フェラーリの場合、V8ミドシップモデル(スモールフェラーリ)の人気が非常に高く、それはV12モデルを上回るほどなのですが、ランボルギーニの場合は逆に「V12の方がV10よりも人気が高い」という逆の構造に。
それはもちろん売却時の価格にも反映され、ランボルギーニの場合はアヴェンタドール(V12)の残価は3年後で70%、ウラカン(V10)の残価は65%。
そういった現状もあって、とにかく「ランボルギーニといえばV12」というのが一般的な認識となっており、そしてランボルギーニもそれを理解しているのでアヴェンタドールは「特別扱い」。
どう特別扱いかというと、単純に言って「ウラカンとの共有パーツが(ほぼ)無い」ということで、これは構造上共有できないというのではなく、「共有を許さない」と言った方が良さそう。
というのも、構造や機能に関係のない内装のパーツについても「一切」ウラカンと同じパーツはなく(ペダルさえも!)、ランボルギーニがV12モデルとV10モデルとの間に一線を引いていることがわかります。
なお、それはもちろんエンジンや駆動系も同じで、ウラカンのV10はアヴェンタドールのV12を「2気筒削った」ものではなく全くの「別モノ」。
トランスミッションについてもウラカンはアウディと共有する「デュアルクラッチ」ですが、アヴェンタドールは”アヴェンタドールにしか”採用されていないシングルクラッチ(ISR)。
ボディ構造もアヴェンタドールは「カーボンモノコック」、ウラカンは「アルミ+カーボンのハイブリッド」。
現在ランボルギーニはフォルクスワーゲン・アウディグループ傘下ですが、アウディR8との共通パーツがほとんどを占めるウラカンに比べ、アヴェンタドールにしようされるコンポーネントは「アヴェンタドールのためだけに」開発され、そして使用されており、やはりアヴェンタドールは別格と言えそうです。
例えばポルシェのスポーツカーレンジにおいて、「911」と「718ボクスター/ケイマン」は多くをメカニズム/内外装において共有し、内装でもミラーやステアリングホイール、ペダル、スイッチ、シート類は共通となっているものの、アヴェンタドールとウラカンとの「共通性(ほぼ)皆無」。
同世代の同じメーカーの車(しかも同じスポーツカーというカテゴリ)においてステアリングホイールすら別のものを使用するというのは非常に珍しい例で、特にランボルギーニような少量生産者では極端な「コスト増」に繋がり、現代ではそれを許容しないメーカーがほとんど、と言えます(フェラーリですらV12モデルとV8モデルにおいては共通性が見られる)。
とにかくコストのかかったのが「アヴェンタドール」すなわちV12モデルで、それが理解されているからこそ「実際の価値維持率がウラカンよりも高い」ということなのでしょうね。
さて、前置きが長くなったものの新旧アヴェンタドール比較。
白い方が前期モデルのアヴェンタドールLP700-4、黄色もしくは青い方が後期型のアヴェンタドールS。
アヴェンタドールLP700-4のエアインテークは「左右独立」で、左右それぞれのエアインテーク内に黒い「スリーブ(ガイドのようなもの)」があります。
こちらがアヴェンタドールS。
インテークは左右連続となり、「スリーブ」は消滅しています。
「ハの字」型のデザインが見られますが、これは毒蛇の牙やサメの胸ビレをイメージしたもの(アヴェンタドールそのもののデザインモチーフは、当時のチーフデザイナーであるフィリッポ・ペリーニ氏によると”カメムシ”」。
ノーズ部分。
随分印象が異なっていますね。
こちらはサイド。
アヴェンタドールSではサイドステップの形状そのものが変更になり、中央がえぐれた形状となったほか、その下にブレード状のパーツが(画像のアヴェンタドールSはオプションにてカーボン製となっている)。
サイドのエアインテーク。
こちらもアヴェンタドールLP700-4では(黒い)スリーブがありますが、
アヴェンタドールSでは消滅。
これはおそらく(パーツ点数が減ることによる)軽量化を狙ったんじゃないかと考えていますが実際は不明。
なお、スリーブがなくなったことでボディに直接飛び石を受けることになるものの、エアインテークのエッジ部分にはプロテクションフィルムが工場装着にて貼られています。
そしてアヴェンタドールLP700-4のホイールハウスのアーチは通常の「円」に近いものですが、
アヴェンタドールSでは、カウンタックに採用されている「ガンディーニ特有の」ホイールアーチ形状を強調するデザインに。
Cピラー形状も変更。
アヴェンタドールLP700-4では可動式のエアインテーク(ポップアップ式)を持ちますが、アヴェンタドールSでは固定式(これは軽量化のため、と公式にアナウンスされている。画像ではやはりオプションのカーボン製を装着していますが、標準だと黒いパーツとなっている)。
上のエアインテーク部もそうですが、「黒い」部分が増えているのもアヴェンタドールSの特徴で、テールランプ左右の間もブラックへ。
もちろんリアディフューザー形状も変更となり、マフラーエンド形状も変更されています。
マフラーエンド形状はこれまでに比べてコンパクトになっていますが、これも「軽量化のため」と発表されています。
リアフード形状やリアウイング形状は(おそらく)同じ。
オプションのセンターロックホイール。
センター部分はブラック、ゴールド、レッドが選択可能に。
これはランボルギーニ大阪さん特有のナンバーの取り付け方。
販売数量の多い車であれば日本仕様のナンバープレート取り付けブラケットの位置やサイズが決まっていたり、おそらくは最初(工場出荷時もしくはPDIセンターにて)から取り付けられていたりするようですが、ランボルギーニの場合は各ディーラーにてナンバープレートブラケット取り付けを行うようで、ディーラーさんによってかなり位置や角度が変わる模様。
ランボルギーニ大阪さんでは「最大限車の美観を損なわないよう」に曲げ方や角度において気を使ってくれている部分です。
フロントやリアの尖った部分。
これはウラカンにも共通する部分ではありますが、ウラカンの突起が例えば「カクカク」くらいだとすると、アヴェンタドールSでは「カクカクカク」といった感じで、角や線、面が一つ多い複雑なデザイン。
その他画像。