| コロナ後の「リベンジ消費」に期待 |
さて、ランボルギーニが改めて2020年の業績を振り返り、2021年の展望についても公式にコメントを出しています。
なお、2020年の売上は「過去2番め」となる7,430台であったことはすでに公表済みですが(工場が70日停止していたことを考慮するとかなりいい数字)、営業利益については「過去最高であった」とのこと。
ランボルギーニは株式公開企業ではないので、利益など詳細を公表する義務はなく、今回(財政面で)明らかになったのは「売上高が16億1000万ユーロだった」ということのみ。
ランボルギーニの1台あたり平均売上高は2813万円
そこでこの16億1000万ユーロを、2020年の販売台数である7,430台で割って円換算になして「1台あたりの売上高」を求めると、その価格は2813万3707円という数字に。
ランボルギーニのクルマの中心価格帯は「3000万円中盤~後半」というイメージがあるので、この数字を見ると意外と低いと思ってしまいがちですが、この数字は「ディーラーでの販売価格」ではなく、あくまでもランボルギーニが「インポーターに出荷する価格」。
よって、この価格にインポーターの利益やディーラーの利益が加算されることになるので、現実的な「顧客が購入する1台あたりの平均価格」は3000万円台半ばということになるのだと思われます。
参考までに、こちらは販売台数と売上高とをグラフにしたもの。
見て分かる通り、販売台数の伸びよりも売上高の伸びのほうが大きく、つまり「1台あたり単価が上昇している」ということになりますね。
これには原価高等などの要因もあるかと思われますが、パーソナリゼーションプログラム「アドペルソナム」を通じてカスタムする人が増えて1台あたりの単価が上昇したこと、特別モデルや限定モデル、ワンオフモデルの販売によって平均単価が上昇したことが関係しているものと考えられます。
ここに「1台あたりの利益」を表示できればもっと興味深い内容になったとは思うものの、これについては非公開なので「推測」するしかありません(ただ、売上高が11%減少しても、営業利益は過去最高になったとのことなので、1台あたり利益も大きく上昇しているのは間違いない。推測値だと1000万円くらい)。
ランボルギーニは「ウルス」がなければ危なかった
そして下のグラフはランボルギーニのこれまでの販売台数の推移。
一番端の2020年については当然ながら落ち込みが見られるものの、棒グラフでは水色にて示される「ウルス」の販売比率が非常に大きいということがわかります。
そして同時にウルスがなかったら「2020年はかなりヤバかったんだろうな」ということも想像できますね(とくに、アヴェンタドールはモデル末期であり、販売が落ち込む時期だった)。
ランボルギーニがコロナ前にウルスを投入し、販売を軌道に乗せることができていたのは僥倖としかいいようがなく、しかし「SUVの発売が遅れてしまった」アストンマーティンは大きく販売を落としており、こちらもまたタイミングが悪かった(悪すぎた)ということになりそうで、まさに先には何が待ち受けているのかわからないということに。
そう考えると、「わずかな差が」命運を分けることも少なくはなく、ぼくらは日常生活においても、やるべきこと、やらねばならないと感じていることは先にやっておくべきなのでしょうね。
ランボルギーニの地域別販売はこうなっている
そしてこちらはランボルギーニの地域別販売台数。
日本はこれまで2位をキープしてきたものの、ウルス発売後は中国に抜かれ、2020年は4位に転落。
ただし「僅差」でもあり、今後の復活に期待したいところです。
ポイント
- アメリカ・・・2,224台
- ドイツ・・・607台
- 中国(+香港、台湾、マカオ)・・・604台
- 日本・・・600台
- イギリス・・・517台
- イタリア・・・347台
ランボルギーニの2021年、および今後は明るい
そして今回、ランボルギーニは「2021年の展望」についても言及。
2021年は年明けから注文が増加しており、最初の2ヶ月は「コロナ前」の水準を超える受注を獲得したとも述べ、現時点ですでに「2021年の生産計画9ヶ月分の受注枠が埋まった」。
つまり今年の生産枠はあと3ヶ月分しか残っていないということになりますが、この枠も早々に埋まってしまうのかもしれません。
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参照:Lamborghini