| おそらくは世界で最も貴重な350GT |
ランボルギーニ創業者、フェルッチョ・ランボルギーニが所有していた「350GT」がレストアされ、コンコルソ・デレガンツァへと出品。
なお350GTは薄いメタリックブルーの個体の方で、えんじ色の方は1962年製マセラティ5000GT。
350GTはランボルギーニにとって初めての市販車であり、フェルチョ・ランボルギーニが「スーパーカービジネスを始めよう」と思い、その情熱を形にした車とも言えます。
ランボルギーニはこうやってその歴史を刻み始めた
ことの経緯としてはフェラーリの市販車における品質があまり良くはなく、改善案を申し出たところあっさり断られ、「じゃあ自分が完璧なスポーツカーを作ろう」と考えて1964年に世に送り出したのがランボルギーニ350GT(諸説あり)。
フェラーリは当時エアコンを装備しておらず同乗者にはかなりキツい車であったことから「隣に乗るご婦人のメイクが落ちないよう」にエアコンを装備したことも特徴、とされています。
エンジンは3.5リッターV12(270馬力)、トランスミッションは5MT、全幅1730ミリ、全高1220ミリ、重量は1450キロ。
生産台数は120台(131台、135台説もある)。
なお、この350GTはテストも兼ねてフェルッチオが乗っていたもので、エンジンは後に後継モデルの400GTに搭載されることになる4リッターエンジンを積んでおり、トランスミッションとデフも特別製、とのこと。
現在のオーナーはアメリカ人
フェルッチョ・ランボルギーニが手放した後はアメリカ人オーナーへ渡り、最終的に現在のオーナーの元へ。
なお現在のオーナーが「その車両がフェルッチョ・ランボルギーニの所有であったこと」を発見してレストアのためミラノのカロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラへと車を送り、今回晴れてレストアが完了しお披露目となった、という経緯を持つようです。
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラは当時「カロッツェリア・トゥーリング」として活動していたコーチビルダーで(現在のカロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラとは別会社)、このランボルギーニ350GTの製造を担当。※当時は車体の設計は自動車メーカー、製造はコーチビルダーという棲み分けが通常であった
ほかにもマセラティやアストンマーティン、ランチア、アルファロメオ等の車を製造し、「スーパーレッジェーラ(超軽量)」構造を持つフレームを開発したことで有名です。
その後自動車メーカーが車体を自社で製造したり、より効率的な製造方法を採用したイタルデザインやピニンファリーナに押される形で1966年に惜しくも閉鎖。
現在の「カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ」はその名称の使用権を譲り受けて2006年から活動を行っていますが、今回(当時カロッツェリア・トゥーリングが製造していた車の)レストアを手がけるなど、「中の人」は当時のカロッツェリア・トゥーリングと無関係ではないのかもしれませんね。
VIA:CARSCOOPS