| 新会社の設立は2022年中、事業内容詳細は現時点では不明 |
ホンダが自社の事業とどう住み分けるのか、EVの開発や製造、スペックについても謎のまま
さて、先日報道された「ソニーとホンダとの合弁」について、両者が6月16日に「新会社の設立に関する合弁契約書を締結した」と発表。
この新会社の名称は「ソニー・ホンダモビリティ株式会社(Sony Honda Mobility Inc.)」、高付加価値のエレクトリックビークル(EV)の販売とモビリティ向けサービスを事業の核とするといい、会社の設立は2022年中、EVの販売とサービスの提供開始は2025年から開始する予定だとアナウンスされています。
なお、の概要としては下記の通り。
新会社は、Hondaの最先端の環境・安全技術をはじめとするモビリティ開発力、車体製造技術及びアフターサービス運営の実績と、ソニーが保有するイメージング・センシング、通信、ネットワーク及び各種エンタテインメント技術の開発・運営の実績を持ち寄り、利用者や環境に寄り添い進化を続ける新しい時代のモビリティとモビリティ向けサービスの実現を目指します。
-
ソニーが電気自動車参入を本格的に検討開始!新会社「ソニーモビリティ」を設立しVISION-S 01そしてSUVの02を発売か
| ソニーらしく、エンターテイメント性を強調した車内空間を持つことになりそうだ | 同時に高度な運転支援装備、安全運転機能を装備 さて、ソニーが米ラスベガスにて開催されている家電見本市、CES2020 ...
続きを見る
ソニー・ホンダモビリティのEVはホンダとは異なる?
このソニー・ホンダモビリティ株式会社は「高付加価値EVの販売とモビリティ向けサービスの提供」を行うとしているものの、現時点ではその詳細はほぼ不明。
EVについては「高付加価値」とあり、しかしその付加価値も何なのかわからない状態ですが、おそらくはソニーが開発を進めていたヴィジョンSコンセプトを市販することになるものと思われます(これに搭載されていた、高いエンターテイメント性が付加価値ということになりそう)。
このEVは(メルセデス・ベンツGクラスやGRスープラ/BMW Z4を製造する)オーストリアのマグナシュタイヤーに開発が委託されており、もしかするとホンダがそれを引き取って開発を継続→生産する可能性もあって、しかし続報を待たないとこのあたりは「ナントモ」。
なお、ホンダが自社から発売するEVについては「高付加価値」ではなく普及価格帯を目指すと思われ、よってこの新会社の事業とカニバリズムを起こす可能性はなさそうですが、この新プロジェクトがホンダに及ぼす影響についても不明です。
-
ソニーは「ヴィジョンSコンセプト」の開発を継続中なるも、現時点ではその方向性が定まらず「何ができるのか、どういったクルマにすべきか」思案中
| おそらくヴィジョンSコンセプトが市販されるのは間違いなさそうだが | そしてアップルカーよりも先に登場することになりそうだ さて、もう一年近く「アップルカー」に関する話題が飛び交っている状態ですが ...
続きを見る
さらに「ソニー・ホンダモビリティ」では長すぎるので、実際のEVやサービスにはなんらかのブランド名が付与されることになるのだとは考えていて、しかしこれについても現段階ではアナウンスがなく、追って発表されるであろう事業内容詳細を待つしかなさそうですね。
ホンダは「モビリティサービス」の実現を狙っているが
参考までに、ホンダ自身はこれに先立つ6月13日に「自動運転モビリティサービス」についてのコンテンツを発表しており、しかし今回ソニー・ホンダモビリティ株式会社のほうが発表したのはモビリティ”向け”サービス。
よってこれらは似て非なるものとなり、全車は自動車というハード(こちらはGMとの提携によって進められる)、そして後者は自動車向けのエンターテイメントなどソフトウエアを指すものと思われます。
-
これでいいのかホンダ!?GMと提携を発表するもその内容は「GMと同じことをやって、GMと同じ市場で戦う」。他自動車メーカーの「分担」戦略とは真逆を行く
| ホンダとGMは共同でバッテリーや車体を開発し、同じ北米市場にて同じコンパクトSUVを投入するようだ | トヨタや日産の「他の会社と分担して開発を行い、それらを持ち寄る」戦略とは大きく異る さて、E ...
続きを見る
関係者からのコメントは下記の通り
そして今回、会社設立に関わるメンバーからはコメントが出されており、ソニーグループ株式会社 代表執行役会長兼社長、吉田憲一郎のコメントは下記の通り。
具体的に「自動運転」とは明言していないものの、自動運転を前提とした快適な移動空間を実現しようとしているようにも思えます。
「ソニーは、『モビリティ空間を感動空間へ』というビジョンのもと、セーフティ、エンタテインメント、アダプタビリティの三つの領域を軸に、モビリティ事業に取り組んでいきます。この領域での学びを重ねる中で、グローバルな実績と知見を有するHondaというパートナーに出会い、この度、合弁契約の締結に至ったことを、大変嬉しく思います。今後は、モビリティにおけるHondaの最先端の環境・安全技術をはじめとするモビリティ開発力、車体製造技術及びアフターサービス運営の実績と、ソニーのイメージング・センシング、通信、ネットワーク技術及び各種エンタテインメント技術の開発・運営の実績を合わせることで、モビリティの進化への貢献を目指します。」
本田技研工業株式会社 取締役代表執行役社長、三部敏宏氏は下記のように述べています。
「Hondaは『意志を持って動き出そうとしている世界中すべての人』を支えるパワーとなることができる存在でありたいと願い、モビリティを通じた社会変革の原動力となるべく、環境・安全・先進領域等、新たなチャレンジを続けています。今回、先進デジタル技術に強みを持ち、新たなチャレンジへの志を共にできるソニーと合弁契約締結に至ったことを大変嬉しく思います。3月の発表以降、多くの皆様より期待の声を頂いています。新会社では、異業種の組み合わせで化学反応を起こし、新しい価値を具現化していきます。ぜひご期待ください。」
ソニー・ホンダモビリティ株式会社 代表取締役会長兼CEO、本田技研工業株式会社 水野泰秀は以下のようにコメント。
「モビリティの革新と新たな価値創造という大きなチャレンジのスタートラインとなる、合弁契約の締結を大変嬉しく思います。ソニーのセンシング技術やHondaの独創的なモビリティ開発力など、両社が異なる領域で持つ技術アセットを最大限に活用し、お客様に感動をお届けするモビリティとサービスを実現していきます。双方の知を集結し、新たな時代をリードしていきます。」
ソニー・ホンダモビリティ株式会社 代表取締役社長兼COO、ソニーグループ株式会社 川西泉氏のコメントはこちら。
「『モビリティの進化への貢献』を掲げて取り組んできたこれまでの活動を具現化するにあたり、大きな節目となるこの日を迎えられたことを大変嬉しく思います。新会社では、ソニーとHondaが有する多くの強みを掛け合わせることで開発を加速し、安心・安全に根差した感動空間としてのモビリティや関連サービスの具現化を通じて、モビリティの進化をリードしていきます。」
合わせて読みたい、ソニー/ホンダ関連投稿
-
ソニーとホンダがEV事業で提携を発表!新会社を設立して電気自動車を共同開発・販売へ。文化・歴史ともに共通項の多い企業だけに今後に期待
| まさかホンダがソニーと組むとは思わなかったが | もしかすると、ちょっとした台風の目になるかもしれない さて、ソニーとホンダとが連名にて「EVの開発・販売を行うための新会社を設立する」と発表。この ...
続きを見る
-
ホンダがGMとの共同にて開発した新型EV「プロローグ」のスケッチ、そして新しいディーラーのCIを公開!今後全米でのホンダディーラーは「赤」から「青」にカラー変更
| ホンダは今後、大きくそのイメージを変えてゆくことになりそうだ | ソニーとの協業、そして中国にて独自展開するEVとのシナジー効果も気になるところ さて、米国市場にてGMとの提携を行っていたホンダで ...
続きを見る
参照:Honda