| これも未来のクルマのひとつのあり方だとは思うが、どうも興味をそそられない |
このコンセプトを求める顧客はそう多くはないだろう
さて、アキュラが「ブランドの未来を予見する」アキュラ・プレシジョンEVコンセプトを発表。
これは現在アキュラが計画している電動クロスオーバーのヒントとなるもので、「エキサイティングな電動化の未来」に向けてアキュラブランドの今後のデザインを刺激する「北極星(指標となる存在という意味なのだと思う)」だと表現しています。
そしてこの形状は「イタリア製の高級パワーボート特有のエレガンス、芸術性、形態と機能の調和からインスピレーションを得た」とのこと。
アキュラ・プレシジョンEVコンセプトのデザインは今後のアキュラにも
アキュラ・ナショナル・セールスのアシスタント・バイスプレジデント、エミール・コルコー氏は「アキュラ・プレシジョンEVコンセプトは、2024年に発売を予定している、アキュラ初のオール電化SUVを含む、電動化時代における将来のアキュラ製品の方向性を形作るデザインスタディです。私たちは、アキュラの顧客体験のあらゆる面で”プレシジョン・クラフテッドパフォーマンス”を提供することを約束します。これには、次世代の電動化アキュラモデルの持つ、パワフルで非常にエキサイティングな方向性も含まれているのです」とコメント。
このコンセプト最大の特徴はアキュラの「ダイヤモンドペンタゴングリル」を進化させたフロント部で、もちろんEVはガソリンエンジン搭載車と同じように燃焼のためのエアを吸う必要がなく、そのかわりに発光グリルを装着し、光によってダイヤモンドパターンを表現しているわけですね。
フロントエンドには、アキュラ特有の「シケイン」DRLライトシグネチャーを引き続き採用するとともに、「パーティクルグリッチ」エフェクトを追加(このパターンは、テールライトと23インチのホイールにも採用されている)。※アキュラの言うパーティクルグリッチ(Particle Glitch)とは、エメラルドスプラッシュみたいに大小の物体が飛び散る様子を視覚化したグラフィックであるようだ
アキュラのチーフデザイナー、アンディ・フォスター氏によると、アキュラ・プレシジョンEV コンセプトは、「シームレス&ダイナミック」なエクステリアデザイン言語を継承し、EV用の次世代「シームレス・イルミネーションフェイシア(光るフロントをこう呼ぶらしい)を採用しています」と述べ、「パーティクルグリッチを採用した車体下部のディテールは、アキュラが電動化の未来に向かってシフトしていく中で、EVのパフォーマンスがどのようなものになるかを探るものです」とも。
アキュラ・プレシジョンEVコンセプトのインテリアはこうなっている
インテリアでは(スケッチしか公開されていない)プレミアムでサステナブルな素材が多用され、シートはバイオマスレザー、アルミニウムパーツやステアリングホイール操作部のグリーンキャストアクリルにはリサイクル素材を使用。
また、管理された森林から収穫されたFSC認証材の製材により、インテリアに高級感を持たせながら、地球環境への負荷を最小限にしているようですね。
一方、F1をイメージしたステアリングホイールや、低く構えたドライビングポジションなど、アキュラはインテリアにスポーティさを持たせようともしており、インストルメントクラスターのディスプレイをモータースポーツにインスパイアされたグラフィックへと変更したり、情熱的なレッドのアンビエントライティングを施す「インスティンクトドライブモード」を備えているもよう。
なお、このアキュラ・プレシジョンEVコンセプトは完全自動運転をイメージしていて、ステアリングホイールを格納し、さらには癒しの香りで室内を満たし、プロジェクターにて「水中」をイメージしたアニメーションを投影する「スピリチュアルラウンジモード」も備えるなど、その多様性を重視しているように思います。※没入感を重視しているようだが、運転中に没入してしまうとある意味でヤバそう
ワイドそしてカーブした表面を持つインフォテインメント・スクリーンは、触れると触覚的な反応が得られるといい、起動時のグラフィックはパーティクル・グリッチをイメージしたもので、アキュラによると、ドライバーの気分を読み取り、それに合わせた運転モードを設定することができる、とのこと。
ちなみにこういった「パーソナルアシスタンス」的な考え方はメルセデス・ベンツに通じるところもありそうです。
シニア・インテリアデザイナーのサイモン・ユー氏によると、「アキュラ・プレシジョンEVコンセプトは、未来のデュアルエクスペリエンスのインテリアデザイン哲学を垣間見せてくれるクルマです。爽快なパフォーマンスのドライビングコントロールと、ドライバーの感覚を没頭させる洗練された爽快なラウンジ環境を提供したいと考えています」ともコメントしており、一台のクルマで様々な顧客の要望、そしてそのときの気分に応えようとしているようですね。
アキュラ・プレシジョンEVコンセプトを紹介する動画はこちら
参照:Acura