| マツダは「ほかメーカーがどうしようとも、我々には関係ない」 |
マツダは「ガソリンエンジン」に対して異常な情熱を持つことで知られますが、今回マツダ・ノースアメリカのパワートレーン・エンジニア、ジェイ・チェン氏がメディアに対し「なぜマツダは小排気量ターボに手を出さないのか」を述べています。
欧州の自動車メーカーは「小排気量ターボ」の採用に熱心で、まずはフォルクスワーゲン・アウディグループからその傾向が始まり、「大きな車なのに2リッター(今ではもう慣れましたが)」というちょっと違和感のあるモデルも登場。
マツダは小排気量ターボに変わる解決策を持っている
その後さらに小排気量ターボは加速し、1.4リッターエンジンにターボとスーパーチャージャーとを組み合わせた「ツインチャージャー」が登場したり、PSAやBMW、ルノーも「3気筒ターボ」を登場させるなどその傾向が全体的に加速しています。
そういった現状を見るに「なぜマツダはロードスターに小排気量ターボを積まないのか」といつも考えていたのですが、前出のエンジニアいわく「ターボエンジンはパワーバンドが狭いから」。
加えて「小排気量ターボの燃費がいいのはわかっている」としながらも、「ほかの会社が何をやろうとも関係ない。我々はガソリンエンジンに未来があると信じており、可能性を追求するまで」とも語っています。
これにはマツダの考える「もっともっと、人とひとつになるクルマを」という理念が根底にあると思われ、扱いやすく、意のままに反応する車を、という考え方に基づいていると思われますが、本社だけではなく「遠く離れた北米のエンジニアにまで」この思想が浸透しているということになりそうですね。
現在マツダは「出力と環境性能とを」両立させることが出来る次世代エンジン「SKYACTIV-X」を中心にパワートレーンを構成することになると思われますが、上述の「パワーバンド」問題を解決するために「低回転は電動スーパーチャージャー、その上はツインターボ」を採用した”トリプルチャージャー”エンジンについても特許を取得しており、マツダは今もっともエンジンにかける熱い情熱を持つ会社、そしてそれが世界中のマツダ支社にまで浸透している会社だと考えられ、なんらかの「革命」を期待したい、と感じさせます。
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