
| 「12ローター」は前代未聞、ぜひこのエンジンを積んだクルマを見てみたいものである |
ただしその構造含む特殊さゆえ、様々な問題も含むもよう
さて、ロータリーエンジンのチューニング界隈で「知らないものがいない」のがロブ・ダーム氏。
同氏は運転免許取得後にマツダ RX-7を購入していますが、その後そのRX-7をコツコツと改造し、ローターの数を増やしたり4WD化したりといったカスタムを重ねることでその名が知られるように。
今回はなんと「12ローター」にまで
なお、ロータリーエンジンは「ローター」を重ねる(連結する)ことでその数、排気量、ひいてはパワーとトルクを増加させることが可能となりますが、今回ロブ・ダーム氏が紹介するのはなんと「12ローター」を持つロータリーエンジン。
そして今回同氏はこの「12ローター」エンジンをテストすべくダイノ(エンジンテスト用の機器)上にて動作させていますが、現在はまだまだ「開発途上」であり、現在3つのターボチャージャーが試験的に接続されています。
参考までに、この12ローターエンジンは数年前にタイソン・ガーヴィンという人物によって作られたもので、2023年にロブ・ダーム氏が譲り受けたもの。
当時は自然吸気の状態で最高回転数10,000rpmに達し、1,400馬力を発生させることができたそうですが、これに3つのターボをドッキングさせるとなれば、もう「それは自動車のエンジンの領域を超える」ものとなるのは間違いなく、しかし今回はその「規格外」の仕様のため、うまくパワーを計測できなかったようですね。
まず、このエンジンをダイノに接続するだけでも苦労しており、既存のツールではダイノに取り付けることができず、よって専用のカスタムアダプターを用いて12ローターエンジンを取り付けることとなっていますが、なにぶんこのエンジンはその特殊性ゆえ火災の危険があるため安全性にも配慮されたのだそう。※エンジンそのものの剛性もちょっと心配
さらに慎重を期し、今回のテストは自然吸気状態で行われ、すべてのブーストが排出されたうえ最大回転数は4,000rpmに設定されていたといい、つまり今回の計測はこのエンジンの開発段階における「第一歩」。
それでも計測は困難を極め、最初のテストでは混合気が薄くエンジンが停止し、2回目のテストは燃料を追加し行われたものの、その後は「(エンジンがあまりに大きすぎて)スターター用のバッテリーを使い果たしてしまい」計測不能となることに。
対策としてロブ・ダーム氏はディーゼルエンジン用のスターターを用意していますが、以降のテストは「おあずけ」となってしまい、しかし今後行われるであろうテストに期待したいところですね。
まさかの「12ローター」ロータリーエンジンをテストする動画はこちら
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参照:Rob Dahm(Youtube)