| スバルのアメリカ販売は10年で3.5倍に |
とにかくアメリカで大人気のスバル。
現在スバルはグローバルで100万台を超える規模に成長していますが、そのうちアメリカが占める販売は約67%。
これはトヨタやホンダに比べても若干多めの数字ですが、トヨタ/ホンダに比べて現地生産比率が低いということを考えると「極めて異例」の数字。
というのもアメリカで作ってアメリカで売れば、輸送費や関税分だけ「安く」売れるので、現地では競争力が高くなるわけですね。
しかしながら日本で作って輸出するとその分コストが高くなり、アメリカでは「割高」な車に。
それにもかかわらずスバルは「アメリカで売れている」ということで、つまりは「ちょっとくらい高くても買う」とアメリカ人に思わせている、と判断できそう。※スバルのアメリカ販売は10年間で3.5倍に
なぜスバルはここまで伸びたのか
スバルは「車を買い替える時はまたスバルを買う」というロイヤルカスタマーが多く、これはマツダも「参考にしたい」としている部分。
報道によるとスバルが販売を伸ばすようになったのは2008年のリーマンショック意義だとされており、その後から9年連続で成長を重ね、2008年の18万台から2017年位は67万台へ。
アメリカの自動車市場の成長率と比較しても異常とも言える伸びで、そのためアメリカのスバルディーラーでは「つねに在庫不足」。
そのためスバルの社長は「アメリカに行く時はヘルメットを被ってゆかないと頭を殴られて大変だ」とコメントしていたほどで、たしかにこれだけ急激に伸びればそれも理解できるところ。
なお、スバルにとっての転機は「徹底的な顧客調査」だったとしており、スバルの編めるか現地法人が「スバルを購入しなかった人」を対象に調査を開始した、としています。
スバルとしては、他の競合ブランドとスバルの車を比較した上で顧客が他のブランドを選ぶケースが多いと推測していたものの、実際の調査の結果では「スバルのことを知らないから」という理由でスバルの購入に至っていなかった、ということが判明。
スバル成功のキーワードは「LOVE」
逆にスバルオーナーに対して調査を行ってみると、アンケートの中に「LOVE」という言葉が頻出することを発見した、とのこと。
現実的にスバルは所有期間が長く、上述のように「買い替え時もまたスバル」なブランド。
オーナーのスバルに対する強い愛情が浮かび上がってきたといい(日本でも同様の傾向があるので、それはよく理解できる)、であれば「スバルを知ってもらえれば、必ず買ってもらえる」と考えた、と報じられています。
その後スバルは認知度を高めること、スバルを知ってもらうことを目的とした「LOVEキャンペーン」をはじめ、値引きに頼らず(日産とマツダは値引きに頼っているとよく報じられる)スバルを選んでもらえる活動を開始。
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具体的には「チャリティーやボランティアへの積極的な参加(アメリカではかなりこれが評価される)」、「車に貼るステッカー(バッジ)」「ユーザー同士の繋がり」。
「車に貼るステッカー(バッジ)」については”これまで持ってきたスバル車の台数”や”その人の趣味趣向(野球やスノースポーツ、勝利など)が一目でわかるもの”をスバルが配布したとのことで、たしかにアメリカのカークラブではこういったバッジをグリルなどに装着する例が多い模様。
「ユーザー同士の繋がり」については、スバルが認定した全米11,000人の”アンバサダー(拡散力のあるファン)”が自発的にSNSで情報を発信したり、イベントでスバルの魅力を語ったりという活動をしてくれる、という環境を作っているようですね。
たしかにスバルは日本でも「スバリスタ」なる人々がおり、フェラーリには「ティフォジ」、アルファロメオでは「アルフィスタ(最近は聞かなくなった・・・)」といったファンが存在し、そういった人々が「アンバサダー」だと言えそう。
ただ、上に挙げたようなスバルの活動は「いくらそれを目指して動いたとしても」思ったような結果が上がるわけではなく、「魅力的な(スバルの)車があってこそ」結実したのだと思われ、逆にスバルの車に魅力がなければ、いかにスバルが「草の根活動」を進めたところで現在のように販売は伸びなかっただろう、と考えています。
なお日本でも「もっと魅力を知られれば、もっと売れる」と考えるブランドも多く、たとえばシトロエン、シボレー、キャデラック、ジープ、ロータスなどは「知られることで」もっと販売が伸びそうだ、と考えています。
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VIA:IT Media