できればもうちょっとウェッジシェイプを再現してほしかった
トヨタが日本の特許庁にて、新型ミドシップスポーツと思われる意匠(意匠登録第1628728号)を登録。
「意匠」は外形だけの権利なのでスペックなどの詳細にはもちろん触れられていませんが、「創作者」つまりデザイナーとして「江藤 康孝」の名が記載されています。
そのほかに登録されている意匠を見てみると、カローラ・セダンには「淺野 翔太」、バージョン違いのカローラには「神野 貴弘」、レクサスLSには「チャング・ウー・リー」「イアン・リチャード・カータビアーノ」「鈴木 直彦」「室本 雅樹」といったデザイナーが記されており、そのほかにも相当数のデザイナーがトヨタでは活躍していることがわかりますね。
フロントとリアはシンクロしたデザイン
そこで今回の意匠ですが、これは画像を見るに「ミドシップ」。
フロントが短く、リアのマスの大きさから考えると、これは車体後部にエンジンがあると考えて良さそうです。
なお、トヨタは以前に「86、スープラに続いて新しいスポーツカーを発売」し、スポーツカー三本柱を構築すると明言。
その「三本目」が何になるのかは不明ですが、これまでの発言からするに「MR2」復活がもっとも現実的です。
さらにトヨタは今年にもなんらかのスポーツカーを発売すると予告していて、今回の意匠がその「新型スポーツカー」となる可能性も。
ただ、ぼくとしてはこのデザインにちょっと懸念を持っていて、というのも今回登録されたクルマのデザインは「高い運動性能を感じさせるとはいいがたい」という印象を受けているから。
やはりスポーツカーは外観からその性能を予感させる必要があるとも考えていて、獲物に飛びかかるかのような前傾姿勢や、低く構えたスタイリングが重要なんじゃないかと思うわけですね。
おそらくトヨタは「S-FR(下の画像)」のような、親しみやすさを感じさせるデザインにしたかったのだと思われますが、これが価格や性能的に「エントリー」に位置するモデルであればまだしも、ミドシップという高性能車の場合はもっと違った表現を用いたほうが良いのかもしれません。
なお、トヨタはけっこう昔からこういった「親しみやすい」デザインを採用する傾向があり、たとえば「セラ」も同様だと考えています(やはり、もっとスポーティーなデザインにすべきであったと思う)。
こちらもやはり、「ガルウイング(正確にはディへドラルドア)」という特殊性を持ちながらも「丸っこい」デザインを持ちますが、もしかするとトヨタは、「一般性をもたず、特殊なクルマであればあるほど」親しみやすいデザインを持たせようと考えているのかも。※初代プリウスもそうだった
それはともかくですが、逆にこのルックスで「アルピーヌA110や、アルファロメオ4Cを軽くぶっちぎるほど」のパフォーマンスを発揮すれば、それはそれで面白いかもしれませんね。