
| 現在のコンディション詳細はわからないものの、レストアベースとしてはこれ以上の個体はないかもしれない |
カウンタックLP500S/5000S初期生産5台のうちの1台、ジュネーブ・モーターショーにも展示される
さて、これまでにも様々な「バーンファインド(納屋で見つかった)」スーパーカーがネット上を賑わせていますが、今回はおそらく「今年前半でもっとも大物となりそうな」ランボルギーニ・カウンタックが発見され、その”発見されたままの状態(埃つき)で”売りに出されています。※価格は695,000ドル、日本円で約1億円
なお、この価格はカウンタックにしてはかなり高い値付となっていますが、実際のその価格を正当化するだけの背景を持っており、つまりこのカウンタックは「ただの古いカウンタックではない」わけですね。

ランボルギーニ・カウンタックLP500Sはこんなクルマ
ランボルギーニ・カウンタックは1971年のジュネーブ・モーターショーにて(プロトタイプ”LP500”として)発表されており、1974年に「LP400」として納車が開始されています。
その後1978年には「LP400S」へとアップグレードされ、1982年には「LP500S(LP5000S)」へとバージョンアップ。※名称としては500Sだが、リアのエンブレムは5000Sとなっている

この際の改良はランボルギーニのエンジニア、ジュリオ・アルフィエリが担当し、V型12気筒エンジンのボアとストロークを拡大し、圧縮比を9.2:1へとわずかに下げつつ排気量を4.8リットル(4,754cc)に拡大したほか、ウェーバー製の大型ツインチョークキャブレターも装備されています。

工場出荷時の公称出力は375馬力、許容エンジン回転数は7,500rpm、最高速は293km/hを誇り、外観上ではフレアフェンダー、独自の形状を持つフロントスポイラー、そしてデザインが一新されたリア周りから判別することが可能です。

このランボルギーニ・カウンタックLP500Sはこんな経歴を持っている
そして今回発見されたランボルギーニ・カウンタックLP500Sについて触れてみると、この個体は最初に生産された5台(プリプロダクションモデル)のうちの1台であり、1982年のジュネーブ・モーターショーに展示された個体そのものだとされています。

分かっている範囲だと、ショーに展示された後、イタリアでアーロン・ローゼンなる人物へと新車として販売され、さらにその後にはドイツ在住のオーナーへと売却されたのち、米国へと輸出されることに。

1985年には(メタルバンドの)クワイエット・ライオットのリードギタリスト、カルロス・カヴァーゾが購入することとなりますが、米国の排ガス検査に適合させるため、ウェーバー製キャブレターを電子燃料噴射システムへと交換しています。

今回このカウンタックLP500Sが発見され売りに出されるに際し、カルロス・カヴァーゾにもこの個体の(同氏が所有していたものだと)確認がなされ、その際のインタビューでは「所有期間通じ、慎重に運転していたこと」「時速150マイル(時速241キロ)を超えて運転したことは1回しかない」ことが明らかに。

ちなみに現在の走行距離は41,100マイル/66,198キロですが、このうちのほとんどがカルロス・カヴァーゾの所有期間中に刻まれたものだとされています。

2000年頃になると、カルロス・カヴァーゾはカリフォルニア州ヴァンナイズにある、フランコ・バルブシアが経営する(現地では有名であった)エキゾチックカーショップ、フランコズ・ヨーロッパ・スポーツ・カーズへと修理のために預けられることになりますが、記録では2001年12月、このランボルギーニ・カウンタックが積車にて運ばれたことも記されているもよう。

なお、車両に付属するキーには「カルロス・カヴァーゾ」の名が記されています。

ただ、どういった理由なのか明かされていないものの、そこからカウンタックはずっと保管されることになり、2021年にフランコ・バルブシアが亡くなるまで、このカウンタックLP500S)はレストアを待っていた、と紹介されています。

そしてこのカウンタックは現在「発見されたときのままの姿」、つまり埃をかぶった状態で売りに出されているのですが、発見された後には1982年のジュネーブモーターショーでの写真、またランボルギーニが1982年3月に発行した(1982年にジュネーブで新しいカウンタックLP5000S/LP500Sカウンタックを発表するという)公式レターも見つかっており、徐々にその経歴が明らかになっているようですね。

基本的にはオリジナルのコンディションを保ってはいるが
このランボルギーニ・カウンタックLP500Sにつき、「見たところ」全体的にオリジナルの状態を保っているようで、しかし(おそらく)唯一の変更点は上述の通り「オリジナルのウェーバー製キャブレターが、フューエルインジェクションに交換されたこと」くらい。

ランボルギーニにて定年までテストドライバーを努めたヴァレンティーノ・バルボーニによる目視検査では、カンパニョーロ製の鋳造マグネシウムホイール、「5S」バッジ、LP400Sタイプのフェンダーフレアなど、LP500S/5000Sの初期モデルが持っていた特徴も確認されている、とあわせて紹介されています。

現在走行が可能な状態であるかどうかはわからないものの、おそらくは無事故、そして未レストアで、さらにはLP500S/5000Sの初期モデル、かつカルロス・カヴァーゾが35年間も所有していたというバックボーンを鑑みるに、この個体は「聖杯」といっていいかもしれません。

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参照:Motor1, DriverSouce, ClassicDriver