| デザイナーはもとロールスロイスのジャイルズ・テイラー |
さて、北京モーターショーにて、中国でもっとも高級なブランド「紅旗」のフラッグシップセダン「H9+」、そしてフラッグシップSUV「E-HS9」が公開に。
まずはH9+ですが、こちらはすでに発売済みのH9のロングホイールベース版で、展示車のボディカラーはバーガンディ、そしてクリームのツートンカラーとなっています。
なお、ストレッチされたホイールベースは20センチで、ホイールベースは3260ミリ、全長は5340ミリに。
紅旗は中国の官僚御用達ブランド
この紅旗は中国の要人や上級公務員が乗る車として知られており、中国初の乗用車を発売したブランド、さらには中国では最高級とされるブランドでもあります。
紅旗を展開するのは「FAW(第一汽車)で、ブランド立ち上げを計画したのは毛沢東であり、これは実質上の「中国国営企業」だと言われていますね。
なお、現在の紅旗のデザイナーはロールスロイスで7年間デザイン部門を牽引してきたジャイルズ・テイラー氏。
おそらくは紅旗の引き抜きによるものだと思われますが、つまり紅旗は同氏に「ロールスロイスのようなデザインを」求めているのだとも考えられます(それが紅旗のクルマがロールスロイスに似ている理由だと思われる)。
紅旗H9+に搭載されるエンジンは3リッターV6(283HP)、そして通常ホイールベースのH9では2リッターターボ。
このボディサイズから推測するに相当な重量があると思われ、よって2リッターターボ、3リッターターボエンジンでは力不足だと思われますが、なぜか中国人はエンジンパワーにはこだわらないようなので、意外に不満は出ないのかも(その割には車体の大きさにはこだわる)。
そしてちょっと面白いのはリアセクションが「クーペ風」なこと。
フロントはロールスロイス風にドドンと屹立したグリルを持っているものの、リアはロールスロイス風ではなく滑らかなデザインを持っています。
その理由は不明ではありますが、中国市場の嗜好を反映させたのだと思われ、つまり「フロントグリルが巨大で、リアはクーペ風」というのが中国の好みということになりそう。
実際のところ中国では「BMW X6」が非常に人気だといい、ホンダの中国専売車「アヴァンシア」も大きなグリルにクーペ風のリアセクションを持っていますね。
こちらはH9+のインテリア。
いかにも高級といった雰囲気ですが、シート中央のストライプがなかなかスポーティーです。
こちらはリアシート。
フロントシートよりも高級といったイメージがあり、やはり「ショーファードリブンカー」といったこともわかります。
センターコンソールにはシャンパングラスホルダーも備わり、まさにロールスロイスばりのゴージャスさを持つようですね。
紅旗E-HS9はこんなクルマ
そしてこちらはSUVセグメントのフラッグシップ、E-HS9。
中国国内専用のエレクトリックラグジュアリーSUVという位置付けで、「シングルモーター」「ツインモーター」の2種類が存在し、シングルモーターだと215HP、ツインモーターだと328HP。
なお、中国車の車名はなぜかアルファベットや数字が多く、意外と中国名が与えられていないように思えます。
やはりこちらも「パワーにこだわらない」中国向けというか、これが欧米向けだと「800馬力くらいないと」顧客が許してくれないのかもしれません。
一回の充電あたり航続可能距離は460km(シングルモーター)と510km(ツインモーター)で、ツインモーター版だと0-100km加速は4秒だと伝えられます(この車体サイズで、328HPだとすると、”4秒”は無理っぽいような気がする)
ボディサイズは全長5,209ミリ、全幅2,010ミリ、全高1,731ミリ、価格は850万円から1150万円程度、と言われます。
そしてこちらもやはり「リアはクーペ風」
こちらはE-HS9のインテリア。
センターコンソールにあるシフトレバーはクリスタル調ですね。
アップにするとこんな感じ。
BMWも8シリーズなど一部車種にてクリスタル調シフトノブを採用していますが、その精度や輝きについてはBMWのほうに分があるように思われ、こういった「細かいところ(樹脂パーツの加工精度やチリなど)」において、まだまだ中国車の品質は世界レベルに達していないようにも感じます。