| 本当に生産できるのかは疑問であり、そして生産できたとしても売れるとは思えない |
もはやハイパーカーを公開することで名前が売れる時代は過ぎ去ったと思うが
さて、日本はもちろん世界レベルでもまったく無名なるも、実は「世界第5位」の自動車メーカーである中国の広州汽車集団(GAC)。
ホンダやトヨタとも(中国にて)合弁企業を展開している会社ですが、今回なんと「0-100km/h加速1.9秒」というトンデモスペックを持つエレクトリック・ハイパーカー「GAC AION Hyper-SSR」を公開しています。
なお、GACは結構早い段階にて「丸パクリ」から脱した自動車メーカーであり、しかしトレンドや他社の動向を参考にしつつも自社オリジナルのデザインを展開していて、先日も「フロントがほぼ全部グリル」なミニバンを発表したり、4月には中国初とされる「バッテリー交換ステーション」をオープンさせています(充電は時間がかかるので、ラジコンカーのようにバッテリーを入れ替える構造を持つEVを開発した)。
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2020年には発表を予告していたが
なお、GACは2020年にこの「アイオン・ハイパーSSR(AION Hyper-SSR)」の発表を予告しており、当然ながらその際には「どうせ絵に描いた餅であり実現できないだろう」と考えていたものの、しかし今回なんと実際に発表し、来年には納車を開始すると再度予告を行っているわけですね。
デザイン的には余り見るべきものはなく、中国市場で好まれる「細長いヘッドライト」を持っています。
さらにはこれも中国市場で人気のあるディヘドラルドアを採用(中国には4枚ディヘドラルドアというセダンもある)。
このアイオン・ハイパーSSRには二種類のバージョンが存在し、通常のアイオン・ハイパーSSR(1225馬力と後輪駆動)に加え上位モデルのアイオン・ハイパーSSRアルティメットなるモデルも存在し、こちらの”アルティメットバージョン”だと上述のように0-100km/hまでを1.9秒で加速するとしていますが、この1.9秒というのはテスラ・ロードスター(新)と同じであり、リマック・ネヴェーラの1.85秒にわずか0.05秒の遅れを取るのみ。
そしてもっと驚くのはその価格が通常版で128.6万元(2630万円)、アルティメット版でも168.6万元(3450万元)にとどまるというもので、文字通りのゲームチェンジャーとなりそうです。
そしてインテリアもまた中国市場で好まれるハイテク満載、そしてミニマルなもの。
やはり中国で好まれるフローティングコンソールを持っています。
なお、中国人は(愛国教育のおかげで)中国製品が大好きだといいますが、中国の人々がこのクルマを購入するのかはちょっと疑問。
さらに中国外で売れるのかどうかはもっと疑問であり、発売後どうなるのか、その動向を見守りたいところでもありますね。
中国では様々なハイパーカーが企画されてきたが
中国ではこれまでに様々なハイパーカー、スーパーカーが企画されたものの、実際には1台も納車されていないというので、もしこのアイオン・ハイパーSSRが納車開始されるようになれば、その「第一号」ということに。
ちなみに、結構早い段階から「中国初のスーパーカー」という触れ込みで発売がアナウンスされていたQiantu K50も結局は納車がなされていないもよう。
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