| 正直、このQiyuan E07は意外と面白いクルマなんじゃないかと思う |
中国の自動車メーカーのフリーダムさは侮れないレベルに達してしまった
さて、中国ではピーク時に新興EVメーカーが500社ほど存在し、随分淘汰が進んだと言われるものの、それでもまだ100社ほどが存在すると言われています。
よって1日あたり何台ものニューモデルが登場しているという状態ですが、この状況ではさすがに「売れない」クルマが出てくる可能性も否定できず(競争過多で消費者の目に触れない)、よって各社ともプレゼンスを高めるために「あの手この手」を用いているという状況です。
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中国で「ピーク時には500社もあった」EVメーカーが今では100社へ。すでに市場は雌雄が決し、テスラとBYDでEV市場の半分、上位4社で66%を占める
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自由な発想にて「これまでにない新種」も
なお、中国の自動車市場が伸びてきたのはこの10年以内で、よって「100年の歴史を持つ」欧米の自動車業界とは全く異なる性質を持っており、それまでに海外の自動車メーカーが発展させ積み上げてきた技術を(合弁企業を通じ)一瞬で取得してしまっていて(というかスタートラインがぜんぜん違う)、つまり人間で言えば「アナログ時代を知らないデジタルネイティブ」のようなもの。
よって中国の自動車メーカーでは、現在のクルマがそのボディ形状やパッケージングに落ち着いた歴史的背景など知る由もなく、そのため完全に自由な発想によってクルマの設計がなされているわけですが(これはこれで悪いことではないと思う)、そういった背景をもとも中国では「これまでの常識にとらわれない」クルマが続々誕生しています。
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そして今回紹介するのはそういった新種の一つで、これは長安汽車が発売する「Qiyuan(チーユアン)E07」というクルマ。
一見しただけでもセダンなのかワゴンなのかSUVなのか判断に苦しむ(分類し難い)ルックスを持つのですが、なんとこのクルマは「リヤセクションが変形してピックアップトラックに変身する」という変わりダネです。
この「Qiyuan」は長安汽車が展開する新エネルギー車(NEV)ブランドですが、そのネーミングからすると、同社が別に展開するNEVブランド「Deepal(ディーパル)」とは異なり(中国名を採用しているので)グローバル展開を考慮していないのかもしれません。
そしてE07(やはり中国にはアルファベット+数字という車名が多く、到底覚えられない)は以前に「CD701(下の画像)」として発表されたコンセプトカーの市販モデルであり、画像を見る限りでは「ほぼそのままのルックスで」市販にこぎつけたということがわかります。
クローズドボディとピックアップトラックとの間で変形を行うというコンセプトはCD701時代に採用されたもので・・・。
ピックアップトラック時はこんな感じに(リアガラスがルーフに格納されるのだと思われる)。
なお、市販モデルのE07は全長5,045ミリ、全幅1,996ミリ、全高1,640ミリ、ホイールベース3,120ミリというけっこう大きなクルマであり、ホイールは20インチもしくは21インチ、駆動方式としては二輪駆動と四輪駆動が用意されています。
シングルモーターだと最高出力は252kW、デュアルモーターだと188kW+252kW、最高速は201km/hだとアナウンスされており、衛星を利用したインターネット接続、高度な運転支援機能が搭載される可能性が高い、と言われています。
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参照 / Photo:Car news China