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【驚異】BYD、年間輸出100万台へ。テスラを圧倒し世界119カ国を席巻する「EV帝国」の衝撃とは

【驚異】BYD、年間輸出100万台へ。テスラを圧倒し世界119カ国を席巻する「EV帝国」の衝撃とは

Image:BYD

| もうBYDの勢いは誰に求めようがない |

この記事の要約

  • 輸出の急成長: 2025年1〜11月の輸出台数は87万8,498台(前年同期比144%増)、12月分を合わせれば100万台突破は確実
  • 打倒テスラ: 英国、ドイツ、タイなど世界11の主要市場で、BEV(純電気自動車)販売台数がテスラを上回る
  • 生産のマイルストーン: 12月18日、世界初の「NEV累計1,500万台」生産を達成
  • 2026年の展望: 海外販売目標を160万台に設定。新型フラッグシップ「Sealion 08」「Seal 08」も発表
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2025年11月データ:爆発的に伸びる海外シェア

BYDの勢いはとどまるところを知らず、2025年11月の単月輸出台数が12万8,067台を記録して前年同月比で313.4%増という凄まじい伸び率出となったことが明らかに。

BYD (2)

Image:BYD

現在、中国全体の輸出1位はChery(チェリー、奇瑞汽車)ではありますが、ガソリン車を含まない「電動車(NEV)」に限定すればBYDは世界で圧倒的な1位に君臨しています。

中国乗用車輸出ランキング(2025年1月〜11月累計)

順位メーカー輸出台数前年同期比特徴
1Chery(奇瑞)1,188,337台+14.0%ガソリン車が主力
2BYD(比亜迪)878,498台+144.0%全車両が電動車(NEV)
3SAIC(上海汽車)481,239台-1.5%MGブランド等が苦戦
7テスラ(中国生産分)222,706台-10.5%中国からの輸出は減少傾向
Maxus
中国からの車両輸出が増加中、8月では前年比39%増、1-8月においても27%増。現実的に自動車業界は中国に支配されつつある

| ほんの数年前までは「まさか中国がここまで勢力を拡大する」とは誰も思わなかったであろう | 内燃機関搭載車、EVともに中国車は世界を席巻しつつある さて、2024年8月、中国は61万台の自動車を輸出 ...

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テスラを超えた11の市場。世界はBYDを選び始めた?

2024年末に「テスラ超え」を視野に入れ、2025年はBYDが「テスラ超え」を明確にした歴史的な年となっており、以下の主要11市場においてBYDはテスラの販売台数を上回っています。

  • 欧州: イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストリア、アイルランド
  • アジア: タイ、マレーシア、シンガポール、トルコ、中国(本土)

ブラジルやトルコ、シンガポールなどの新興市場、さらにはイギリスやドイツなど成熟市場の両方においてBYDは「最も売れている電動車ブランド」としての地位を確立しており、これは「驚くべき」事実であるといえそうですね。

BYD (3)

Image:BYD

BYDの成長が止まらず、「500万台のNEVを販売し、世界で最も電動車を製造した会社になった」と発表。なお100万台には13年、300万台にはさらに18ヶ月、500万台には9ヶ月
BYDが「中国初の自動車専用巨大貨物船」、BYDエクスプローラー1」を建造し運用開始。さらには追加で7隻を投入し世界中へとEVを大量に輸出すると発表

Image:BYD(X) | いかに中国広しといえど、これができるのはBYDくらいのものであろう | BYDの勢いはどうにも止めようがない さて、BYDは今年1月に初となる「自社専用の自動車輸出専用の ...

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累計生産1,500万台達成。わずか13ヶ月で500万台を上乗せ

このBYDの輸出の勢いを支えるのは圧倒的な生産スピードで、これを示すのは1,000万台達成(2024年11月)から1,500万台達成までに要した時間が、わずか13ヶ月である点です。

この加速力こそが、BYDが「世界の工場」から「世界のブランド」へと躍進した原動力であるというわけですね。

なお、2025年12月18日には山東省済南市の工場で累計1,500万台目のNEV(新エネルギー車)がラインオフし、記念すべき1,500万台目の車両は高級サブブランドDenza(騰勢)の大型SUV「N8L」であったことについてもアナウンスがなされています。

2026年の野望:さらなる高み、輸出160万台へ

BYDの勢いは2026年にさらに加速する見込みであり・・・。

  1. 輸出目標の引き上げ: 2026年の海外販売目標を150万〜160万台に設定(シティ銀行のレポートによる)
  2. 新型フラッグシップの投入: 全長5mを超える超大型セダン「Seal 08」と、テスラ・モデルXに対抗する大型SUV「Sealion 08」を2026年初頭に投入予定
  3. 超急速充電: 次世代モデルには、最大1メガワット(1000kW)の超急速充電技術が搭載される見通し

なぜBYDはここまで強いのか?

BYDの強みはバッテリーから半導体までを自社で垂直統合して生産する「コスト競争力」であるとされますが、デザインの洗練、現地ニーズ(特にタイやオーストラリア)に合わせたサスペンションのチューニングなど、「海外で戦うためのローカライズ」に惜しみない投資を行っている点が「テスラとの差を詰め、追い越した要因」なのかもしれません。

BYD
【独走】テスラを圧倒。BYDが累計生産1,500万台達成で見せた「世界最強」の爆発力の秘密とは

| まさかBYDがこれほどまでの成長力を見せるとは | この記事の要約 歴史的快挙: 新エネルギー車(EV・PHEV)の累計生産が1,500万台を突破 驚異の加速力: 2024年末の1,000万台から ...

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実際のところ、日本進出においても「オンライン販売が受け入れられにくい」日本市場にあわせて(テスラ、ヒョンデとは異なり)大規模ディーラー展開を行ったり(さらには日本に適した広告戦略を採用)、さらには外国勢としては「初の」軽規格EVを投入したりという対応が光っており、これを「世界中で」行っているとなると、もうライバルたちは「どうしようもない」のかもしれませんね(日本はトヨタやホンダといった”地元”自動車メーカーがあるが、地元自動車メーカーを持たない国々においては、BYDの対応が光ることとなる)。

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参照:BYD, CarNewsChina

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