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ポルシェ718ケイマン納車直後の印象。実際に運転してみた感想をまとめてみた

2018/09/03

| 実際に自分のものとして718ケイマンに乗って感じたこと |

さて、納車されたポルシェ718ケイマンに実際に乗ってみて思うこと。
これまでに何度か記載している通り、同じ「乗る」にしても試乗車に乗るのと、自分のものとして納車されたクルマに乗るのとでは視点がまったく異なり、何度も乗っているクルマではありますが、改めて色々なことに気付かされることに。

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とにかく718ケイマンの印象としては「ピュアスポーツ」。
ポルシェは「718」という往年のレーシングカーの名を冠してきたとおり、911とは異なる方向性を持って718ケイマン/ボクスターのスポーツ性を強調しようと考えているのだということが感じられ(それまでケイマン/ボクスターは911の下、という位置づけだった)、981世代に比べてもずいぶんスポーツ性が向上したな、というのが正直な印象です。

エンジン始動音がデカい

まず感じたのは「エンジン始動音がデカイなこれ」ということ。
正直早朝や夜間だと周囲に気遣うほどですが、かなり大きく、このあたりは折を見て騒音計にて実際の音量を計測したいと考えていますが、気分が盛り上がることこの上ない、という印象。

なお、セルモーターの音が甲高く、これは従来のポルシェにはなかった音だ、と思います(スーパーカーっぽい、たとえばランボルギーニ・アヴェンタドールのような音)。

2019年以降のケイマンではスポーツエギゾーストが標準装備となり、さらに大きな音が出そうですね。

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しかも音質が直接的

エンジン始動音が大きいのに加えて、その音が「いかにも内燃機関が回ってる」という感じの音。
つまり「造られた音」ではなく、「この音はエンジンやエキゾーストマニホールドが空気を震わせて伝えているんだろうな」という印象で、乗用車というよりもレーシングカーっぽい印象も(もちろんレーシングカーの音量とは全く異なりますが)。

つまりはエンジンの点火、爆発がわかるような音で、バラツキすら伝えるような音ということになりますが、このあたりは718ケイマンが「ピュアスポーツである」ということを主張している部分かもしれません。

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981ボクスターに比べてもその「直接感」は強く、997世代までの911のような感じでもありますね(逆に991世代の911のエンジンサウンドは上品になった)。

ただ、あまりに直接的でバサバサ、ガラガラという音が出るため、人によっては「下品」と捉える場合があるかもしれません。

ちなみに今までに乗ったクルマの中でもっとも音が上品だったのはレンジローバー・イヴォーク。
最初にエンジンを始動したとき、「これほどまでに始動音が紳士的なクルマに乗ったのは初めてだ」と感じたことを今でも覚えています。

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足回りがしなやか

「ポルシェ」のスポーツカーというと足回りがハードな印象があるかもしれませんが、実際の印象は「しなやかで乗り心地がいい」と考えています。
この「しなやか」というのは強靭なボディを持っていないと実現できず、よって同じような印象を持つのはマクラーレンやランボルギーニといったスーパーカー。

「固めるだけ」であればどのメーカーでもできることですが、「締まっているのに乗り心地がいい」「硬いのに跳ねない」足回りはごく一部のメーカーにしかできない芸当であり、ポルシェはそのひとつ、だと考えているのですね。

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なおポルシェと言えども996/986世代までは段差超え時に「(衝撃が来るので)身構える」ことがありましたが、997/987世代ではそれが劇的に改善。
タイヤの大径化が効いたのだと思われますが、その後の991/981、そして718世代では一層乗り心地が改善され、とにかくしなやかで路面に吸い付くような印象がある、と思います。

ブレーキの踏みしろが大きい

ポルシェのスポーツモデル全般ですが、ブレーキの踏みしろが大きい、つまりペダルのストロークが大きくなっています。
加えて、「ペダルが奥に行く」ほどブレーキが効くようになっているので、踏み始めは「あれ?」とおもうほどブレーキが効かないように感じるかもしれません(とくにカックンブレーキのクルマから乗り換えた場合)。

ですが、これは「踏力に応じてブレーキの効き」をコントロールすることを意図したためで、ブレーキにとことんこだわるポルシェならではのセッティングだと言えます(ランボルギーニ、マクラーレン、フェラーリも同じですが、対象速度域の高いクルマは全般的にこの傾向がある)。

なお、ポルシェはブレーキペダルとアクセルペダルとの「落差(段差)」の大きな車ですが、ブレーキペダルを踏み込み、サーキットで走行するレベルの速度から減速できるような「効き」が生じた際に、ブレーキペダルとアクセルペダルとの段差がなくなり、つまり「ツライチ」になってヒール&トゥがやりやすい状況に。

ただしPDKではヒール&トゥは実際に意味はほとんど無く、かつポルシェはもともとヒール&トゥを推奨していない、とも聞いたことがあります。

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ケイマンは大きなレーシングカート

そして思うのが、結局のところケイマンはレーシングカートが大きくなったようなクルマであって「乗用車ではない」、ということ。
ケイマンS試乗時に「ケイマンSは600ccくらいのスーパースポーツバイクで、アウディTTは250ccビッグスクーター」という表現を用いましたが、今でもその印象は変わらず、(スタンダードな)ケイマンは250-400ccくらいのスポーツバイクか、レーシングカートみたいなクルマだ、とも考えています。

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その意図としてはエンジンサウンドのところで述べたように「直接的」ということ。
エンジンの爆発力を直接感じることができ、両腕は舵を切る前輪に、右足は駆動力を発生させる後輪に直接つながっていて何もかもがダイレクト、だと感じているのですね。

そこに作為的な演出はなく、ありのままの「機械」としてのケイマンがそこにある、という感じ。

加えて車両からのフィードバックも「ダイレクト」で、しなやかな足回りを持つのにどんなに細かい情報も逃さずドライバーに伝えてくれ、路面に両手や両足で直接触れているかのような、緻密な情報を与えてくれる、とも考えています。

ターボラグは少なからずある

ケイマン/ボクスターは718世代に移行してからは「ターボエンジン」へと移行しています。
排気量が小さくなり、それを加給で補うというダウンサイジングターボとなりますが、ポルシェはこのターボラグ改善のために様々な手法を用いているものの、それでもターボラグは少なからず存在し、アクセルを踏んでから加給がかかり、それが駆動力に転換されるまでには「一呼吸」あるようですね。

慣れれば気になるものではなく、かつターボラグを解消するにはエンジン回転数を上げておけばいいだけなので、ここはスポーツ走行でもさほど問題とはならない、とは考えています。

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後方視界はあまり良くない

718ケイマンはミドシップということもあってリアセクションのマスが大きく、リアクォーターウインドウがかなり小さくなっています。
そのため「斜め後方」は目視しにくく、運転中はドアミラーに頼った後方確認を行うことになり、慣れれば問題は無いものの、注意は常に必要ですね。

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ドアミラーについて言えば、718以降はドアミラー形状が変更され、これはサイズが大きく見やすくなっていることはありがたいものの、運転しているときに「斜め前方」の視界をちょっと遮ってしまうようですね。
これもある程度の慣れや、シートポジションの調整で改善するかもしれません。

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