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中国・北京の「紫禁城(故宮)」へ。その面積は東京ドーム15.3個分、映画「ラストエンペラー」の舞台も見てきたぞ(前編)

中国・北京の「紫禁城(故宮)」へ。その面積は東京ドーム15.3個分、映画「ラストエンペラー」の舞台も見てきたぞ(前編)

| 紫禁城はとんでもなく広く、しっかり見ようと思うと1日では時間が足りそうにない |

今回は「ダイジェスト」そして主な建造物をチェックしてきた

さて、中国・北京にて「紫禁城」ツアーへ。

ツアーの内容としては「入場券の購入代行と主だった場所の案内と説明」というもので、所要時間はだいたい5時間ほど。

なお、ぼくは基本的に「自分が歩く場所、見るもの、食べるものは自分で決める」という主義を持っているためにツアーを敬遠する傾向があるのですが、今回は以下の6点を考慮しツアーを申し込んでいます。

  1. 紫禁城の入場には事前に予約が必要で、予約がけっこう面倒(自分でもできるものの、より確実な手段を選びたい)
  2. 「ツアー」だと個人とは異なる「専用」のゲートから入場でき、待ち時間を大幅に短縮できる
  3. 紫禁城は東京ドーム15.3個分の面積があり、「はじめて行く」ぼくにとって、個人で行くと「中で迷う」「重要なものを見落としてしまう」可能性がある
  4. そもそも金額が安く(1,400円くらい)、効率含め諸々を考慮するとツアーのほうが論理的な選択である
  5. ツアー終了後も紫禁城に残って自由に内部を見ることができるので、行動の制約を受けるわけではない
  6. 専門家の話を聞きながら歴史的建造物を見ることで学びを得られる
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「紫禁城」とは

そして紫禁城について簡単に説明しておくと、紫禁城(しきんじょう)とは「故宮博物院」の旧称であり、中国の(昔の王朝を題材にした)ドラマなどでは紫禁城と呼ばれているため、いまでも紫禁城という名称が一般的です。

そしてこの紫禁城とは明・清の二王朝にわたり約500年間、皇帝が暮らして政務を執り行った皇宮を指し、その最大の特徴は、世界最大かつ最も完全に保存されている木造の宮殿建築群であるという点です。

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北京 故宮博物院の主な概要

項目詳細
旧称紫禁城
場所中国 北京市の中心部
歴史明の永楽帝が1420年に完成。清朝最後の皇帝までの24人の皇帝が居住。
設立1925年、宮殿を博物館として一般公開。
規模敷地面積は約72万m²、部屋数は約9,000近く。世界遺産(1987年登録)。
特徴皇帝の権威を示す壮大な建築群そのものが最大の見どころ。
所蔵品186万点以上。絵画、陶磁器、青銅器、玉器、皇帝の服飾品など。

故宮(紫禁城)の構造と見どころ

故宮は、南北の中軸線に沿って建物が左右対称に配置されており、大きく分けて「外朝」と「内廷」の二つのエリアで構成されています。

こちらは紫禁城の裏手にある景山公園(けいざんこうえん)から撮った画像ですが、真ん中の大きな建造物が紫禁城、そして周囲にあるのが「なんとか殿」と名付けられた様々な建物です。

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そしてこちらが正面。

中国の建築物はこれに限らず「左右対称」という構成を持つものが多く、紫禁城だと「真ん中」の道は皇帝しか歩くことが許されなかったといい、考え方としては「中央と、その両脇」という明確な区別があるのかもしれません(これはおおよそどの国でも同じではあるが)。

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1. 外朝(がいちょう):公的な儀式の場

  • 太和殿(たいわでん)
    • 故宮で最も大きく格式の高い正殿。「金鑾殿(きんらんでん)」とも呼ばれ、皇帝の即位式や結婚式など、国家の重大な儀式が行われる
    • 中国最大の木造建築であり、その壮大さが皇帝の絶対的な権力を象徴
  • 中和殿(ちゅうわでん)保和殿(ほわでん)
    • 太和殿の後ろに位置し、儀式前の休憩や準備、科挙の最終試験などが行われる

2. 内廷(ないてい):皇帝一家の生活の場

  • 乾清宮(けんせいきゅう)、交泰殿(こうたいでん)、坤寧宮(こんねいきゅう)(後三宮)
    • 皇帝の寝所や政務室、皇后の宮殿など、皇帝一家が日常生活を送った場所
  • 東西六宮
    • 皇妃たちの居所として使われた宮殿群で、各宮殿には当時の生活がうかがえる展示がされている
  • 御花園(ぎょかえん)
    • 内廷の最北にある皇室の庭園。奇岩や亭閣が配され、自然を愛でた場所
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 所蔵品の特徴

故宮博物院には宮殿の調度品や宮廷文化に関連する文物が多く残されていて、中国は太っ腹なことに、それらを一般公開しています。

  • 宝物館(珍宝館):皇帝や皇族の金銀細工、宝石、玉器などの贅を尽くした工芸品が展示される
  • 時計館:清朝宮廷が収集した中国製やヨーロッパ製の精巧な時計コレクションが見どころ
  • 絵画・書道:約180万点の収蔵品の中には、歴史的に重要な価値を持つ絵画や書道作品も多数含まれる

なお、ぼくにとっての記憶に残る「故宮」は映画「ラストエンペラー」での描写ですが、実際に故宮を回ってみると「あ、ここは映画に出てきたな」という場所や建物が多数あり、ここはラストエンペラーに出てきた「英語教師」が実際に住んでいたところ。

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歴史上の「ラストエンペラー」:愛新覚羅 溥儀

参考までに、ラストエンペラー=溥儀(1906年-1967年)は、中国の長きにわたる王朝支配の歴史において、最後の皇帝となった人物で、「2歳で皇帝に即位→6歳で革命によってその座を追われる→日本政府の傀儡として満州国皇帝に即位し操り人形になる→ソ連に捉えられて犯罪者として抑留される→そこからまた中国政府に捉えられる→出所した後は一般人(庭師)になって一生を終える」という、歴史上もっとも波乱に満ちた人生を送った人物の一人です。

3度の皇帝と2回の犯罪者、一般人を短期間で経験する人生はぼくには想像すらできませんが、その苦悩、それぞれのステージにおけるギャップは映画にてわかりやすく描かれています。

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年代出来事
1908年わずか2歳で清朝の第12代皇帝「宣統帝」として即位。
1912年辛亥革命により清朝が滅亡し、皇帝を退位。しかし、中華民国政府の優待条件により、しばらくの間は紫禁城(故宮)内に居住を許される。
1924年軍閥のクーデターにより紫禁城を追放され、日本の保護下に置かれる。
1932年日本の関東軍によって建国された**「満洲国」の執政**として擁立される。
1934年満洲国皇帝に即位(康徳帝)。日本の傀儡としての地位に苦悩する。
1945年満洲国崩壊に伴い退位。ソ連軍に捕らえられ、シベリアなどで戦犯として抑留される。
1950年中国に引き渡され、戦犯管理所で思想教育を受ける。
1959年特赦により出所。皇帝の地位を完全に失い、中華人民共和国の一般市民となる。
晩年北京で植物園の庭師として働き、一市民として静かに生活を送る。1967年に死去。
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紫禁城(故宮ツアー)はこんな感じ

そこでこの紫禁城ツアーですが、申し込んだ後に予約が完了するとその旨記された書類が送られてきて(ぼくはトリップアドバイザー経由で申し込んだ)、そこには集合場所や注意書きなどがあり、禁止事項は以下の通り。

  • あらゆるサイズのドローンの持ち込み
  • 日焼け止めスプレーの持ち込み
  • 自撮り棒の持ち込み
  • スーツケース/大型手荷物の持ち込み
  • 三脚の持ち込み
  • 紙・ペンの持ち込み
  • 中国の伝統衣装(唐装・漢服等)の着用

そして集合場所に集まった後はこんな感じで入場を待つ列に並びます(何箇所か関所があり、そのうちのいくつかは団体ゲートを使用して早く通過できる)。

なお、中国の連休の際には「とんでもなく」人が並ぶそうなので、中国のカレンダーをチェックして「祝日を避ける」のが吉。

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参考までに、いったん並ぶとトイレがないので、集合前には必ずと入れに行っておくことをオススメします(中国の他の地域だと地下鉄構内にトイレがない場合が多いが、北京の地下鉄駅のほとんどにはトイレがある。ホームに設置してあることが多いようだ)。

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そして天安門を抜けて故宮へ。

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「故宮」と彫られた石碑は大人気の撮影スポットです。

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いざ故宮へと向かい・・・。

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こちらが故宮博物院の入口。

ここでチケット(QRコード)とパスポートを見せる必要があるのですが、チケット購入時に登録した情報とパスポートとが一致しないと「入場不可」。

ちなみにツアー申込時には必ずパスポート番号を聞かれるので、名前やパスポート番号など、一字一句間違えないように入力する必要があります。

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ちなみになぜ「紙」の持ち込みが許されないのかはわからず、しかし荷物のチェックはかなり真剣に行われ、ぼくの前に並んでいた人は「封筒の中に入れていた紙」までを広げての確認が行われています(結局は没収されずに紙を持ち込めたようだ)。

そのほか、「ハンカチ」に対してもかなり慎重になっていて、実際にぼくもハンカチを「広げての」検査を受けることに。

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想像するにではありますが、紙やハンカチなどに「中国が意図しない」ものが描かれていたりして、それを持ち込んでから広げ「なんらかの抗議活動」のようなものをされたり、それと紫禁城などの中国の重要文化財とを「一緒に」写真に撮られてUPされたりするとマズいのかもしれません(中国は台湾やチベットなど、色々な問題を抱えている)。

参考までに、「地球の歩き方」が入国時に没収されるという話があり、その理由は「中国の意に反する記載があるから」だそうで、とにかく中国はぼくらの思いのよらないところにまで注意を払っているということになりますね。

そして「もし」そういったものを見逃してしまい、入国させたり入場させたりしてしまったりした場合、そしてそれを持ち込んだ人が「中国の意に反する」写真や動画をSNSにアップしてしまった場合、担当した検査官や審査官は「かなり困った立場」になるであろうことが想像され、よってこういった場所での手荷物検査が慎重に行われるのかもしれません(ここまでは事前に想定していたので、ぼくは日本を連想させるものは一切身につけて行ってない)。

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話を入場に戻すと、「当日券」もあるそうですが、早々に売り切れることも多いそうで、やはり予約は必須。

なお、コロナ前は「予約不要」だったものの、この「事前予約制」はコロナ禍に入ってから導入され、そのまま今も続いている、とのこと(よってまたどこかでシステムが変わるかもしれない)。

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そして入場し・・・。

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たしかに左右対称。※山の上にあるのは後述の皇宮後苑、景山公園頂上にある「万春亭」

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入場した後に振り返るとこう。

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画面左側の「赤い大きな門」をくぐって入場したわけですね。

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まずはその広さに圧倒されます。

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こんなものが600年前に建てられたとは

ちなみにぼくは歴史オタクではないので細かい説明ができず恐縮ですが、ざっと画像にて雰囲気を見てもらえればと思います(Flikrのアルバムに400枚くらい紫禁城の画像を保存している)。

とにかく建物が巨大極まりないという印象。

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ちなみに当日歩いたのは「3万歩」で、これは1日あたりの最高記録かもしれません。

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こちらは地図。

ガイドさんが見どころなどをわかりやすく説明してくれます。

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まだまだ見どころがたくさんあり、「後編」にてさらに詳しく紹介したいと思います。

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