| なんとピニンファリーナとイタルデザインを天秤にかけた企業 |
ベトナムの億万長者によるスタートアップ企業、「VinFast」。
すでにベトナム初の自動車メーカーとして活動を始めたこと、いくつかのデザイン案を作成して市場調査を行っていることが報じられていますね。
なお、VinFastはこれまでにイタルデザインとピニンファリーナ両者にデザインを発注しており、ピニンファリーナ案、そしてイタルデザイン案をネット上にて「コンペ」にかけ、ベトナム国民を対象に投票を行なっています。
勝者はイタルデザイン
その結果、勝者はイタルデザインとなったようで、イタルデザインのデザイン部門を率いるフィリッポ・ペリーニ氏(以前はランボルギーニに在籍し、アヴェンタドールとウラカンをデザイン)は「選ばれたことを光栄に思う」とコメント。
現在イタルデザインは創業者であるジョルジエット・ジウジアーロ氏の手を離れてフォルクスワーゲン・アウディグループ傘下にありますが、他自動車メーカーのデザインも行なっており、さらには自社名義で「ゼロウーノ」を発売するなど自動車メーカーとしても活動を開始しています。
VinFastはセダンそしてSUVとを発売する予定ですが、今回はそれに加えてシティカー構想(一台はガソリンエンジン、もう一台はエレクトリックビークル)も発表しするなど、その勢いには目を見張るものがあり、どこまで実現できるのかはちょっとした見もの(潤沢な資金があったファラデー・フューチャー、ルシードもいまだに市販モデルを出せていない)。
もしかするとVinFastはイタルデザインのほか、ピニンファリーナ案も発売する可能性があり(なんせ発売予定が4台もある)、両者をコンペで競わせたというだけでも前代未聞ですが、両方のデザインを製品化するとなれば、これも近代の自動車メーカーとしては非常に珍しいケース。
なお、「ピニンファリーナ」は現在インドのマヒンドラ傘下にありますが、こちらも自社以外の自動車メーカーのデザイン(中国や香港企業)を行なっており、さらにはピニンファリーナ名義での自動車発売を考えている、と報じられています。
ちなみにVinFastは現段階では生産設備を持たず、生産を請け負ってくれる工場を選定中だとも伝えられていますが、あともうちょっとだけ創業が早ければ「ベルトーネを購入できたのに(デザインオフィスに加えて比較的大きな生産設備も持っていた)」と考えられるだけに残念ではありますね。
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