モーガンは英国最古の自動車メーカー
モーガンがなんと19年ぶりに新車「プラスシックス(Plus Six)」を発表。
このルックスで2019年の新型車、そしてモーガンが19年も新車を出さずによく生き延びたな、という驚きを感じます。
モーガン(Morgan Motor Company)は1913年に創業した英国の自動車メーカーで、未だに買収や倒産とは無縁の経営を続け、現在も創業者の孫が経営を続けます。
ミニはBMWに、ロールスロイスもBMWに、ベントレーはフォルクスワーゲンに、ジャガーはインドのタタに、ロータスは中国の吉利汽車に、そしてアストンマーティンも幾度の倒産と経営者変更を経験している中で、モーガンは唯一「創業当初と同じ経営者(一族)によって運営されているイギリスの自動車メーカー」。
モーガンPlus6のエンジン、トランスミッションは新型スープラと同じ
そしてモーガンは伝統的にV8エンジンを使用してきたことでも知られますが、今回の「プラス6」はその名が示すとおり「6気筒」エンジン搭載。
そしてその6気筒エンジンとはBMWの「B58」、つまりBMW Z4や新型トヨタGRスープラと同じ3リッター6気筒、ということになります。
なお、モーガンはこれまでにもBMWのV8エンジンを「エアロ8」に搭載するなどBMWとの関係が深く、そのために今回のエンジン供給に結びついたのでしょうね。
なお、これに組み合わせられるトランスミッションはZF製の8速ATで、品番はあきらかではないものの、B58エンジンに組み合わせられるZF製8速というと「8HP51」であると思われ、もちろんこれもBMW Z4、トヨタ・スープラと同じ。
ただ、Z4やスープラと決定的に異なるのは「重量」で、これはZ4やスープラよりも圧倒的に(400キロ位)軽い1075キロ。
駆動輪は後輪のみですが、ABSを除くと安全デバイスは装備されないとされ、ということはトラクションコントロールもないのかも。
0-100キロ加速は4.2秒だと公表され、これは新型スープラの「4.3秒」よりも速いタイムです。
モーガン・プラス6のプラットフォームは今でも「木」が使用される
なお、モーガンはそのフレームに「木」を使用することで知られ、それはひとつのアイデンティティにも。
よって、2019年のブランニューモデルであるプラス6においても「木製フレーム」が採用されますが、これはアルミとの複合となり、”CX”と呼ばれています。
そして驚くのは、モーガンはこのCXプラットフォームを利用したニューモデルをさらに世に送り出す計画を持っていることで、その中には「ハイブリッド」「エレクトリック」も存在する模様。
つまり今後は「木製フレームを持つハイブリッドカー」「木製フレームを持つエレクトリックカー」がモーガンから登場する、ということですね(さらに自動運転機能付きのクルマも計画しているらしい・・・)。
そしてモーガン・プラス6は「スポーツ」と「スポーツ+」2つのドライビングモードを備え(デフォルトが”スポーツ”なのが面白い)、しかし当然アダプティブサスペンションのようなハイテクデバイスがないために、モード変更によって変わるのは「スロットルレスポンス」「トランスミッションのシフトタイミング」のみ。
インテリアはこれまでのモーガン同様にウッドを使用したシンプルなものですが、メインクラスター内には小さな液晶パネルがあったり、ステアリングホイールが現代的であったりするのが面白いですね。
なお、センターコンソールからはBMWのものと同じATセレクターレバーが突出していますが、これもまたなんともユニーク。
そして気になるのは今後「マニュアル・トランスミッション搭載車」も用意するということで、となるとエンジンが同じである以上、新型スープラにもこのマニュアル・トランスミッションを搭載することが可能になりそうです。
このモーガン・プラス6については約1200万円という価格設定で販売されるそうですが、なかなかに面白い車だと思います。