| フェラーリはV12エンジンを生き残らせるためにハイブリッドもターボ化も行わない |
フェラーリが新型V12エンジンの特許を出願。
この出願自体は2019年4月24日になされたものですが、公開となったのはつい先日の10月24日です。
この内容には「2種類の燃焼方法」が含まれ、ひとつはスパークプラグが添加する前に少量の燃料をシリンダー内に噴射するもので、これによって混合気の温度を上げ、エミッションを低下させることが可能。
そしてもうひとつは「プレチャンバー」ともいうべき燃焼室を持ち、独立したプラグを持つこと。
これによって燃焼速度が早くなりエミッションを低下させることができる、としています。
V12エンジンはフェラーリの魂
フェラーリにとってV12エンジンはブランドの核とも言えるもので、それはフェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリが「V12エンジンを積まないフェラーリは、フェラーリと呼ばない」と断言したことでもわかります。
ただし、年々厳しくなる環境規制によってV12エンジンが生き残りにくくなっているのもまた事実。
メルセデス・ベンツ(AMG)、アストンマーティンはV12エンジンを(より環境規制に対応しやすい)ターボ化させることで生き残りを図っていますが、フェラーリはV12エンジンを自然吸気のまま存続させると宣言しており、今回の特許はそのための解決策だと言えそうです。
なお、ほかに自然吸気V12にこだわるメーカーとしてはランボルギーニが挙げられますが、ランボルギーニは環境規制を乗り切るための策として「ハイブリッド化」を掲げ、実際に少量限定にて発売された「シアンFKP37」にスーパーキャパシタを搭載したハイブリッドシステムを搭載していますね。
一方のフェラーリはハイブリッド化を行わないと断言しており、ターボ化もハイブリッド化も行わないということになりますが、「自然吸気V12エンジンにかける情熱たるや恐るべし」といったところです。
ランボルギーニが通常のリチウムイオンバッテリーを使用したハイブリッド化を行わないこと、フェラーリがハイブリッド化を避けるのは、ひとえに「バッテリー(と付随するシステム)が重いから」、そしてその重量が運動性をスポイルすると考えているからだと思われますが、ある意味でフェラーリやランボルギーニは人類の「資産」だとも考えられ、ちょっとぐらい(それらに対し)環境規制を緩和してもいいんじゃないかと思うことも。