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トヨタがコロナ禍に関わらず好決算を発表!「我々は”人を切らず””カネを使わず知恵を使ってきた”からだ」

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| やはり豊田章男社長は一味違う |

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さて、トヨタが決算報告を行い、それについてちょっとした話題に。

その理由としては「コロナウイルスの影響はごくわずかで、販売台数ベースではほぼ変わっていなかった」というもので、実際に2019年3月期の販売台数は897万7000台、2020年3月期の販売台数は895万8000台。

ちなみに営業利益は前期の2兆4675億円から2兆4428億円へと減っているものの、これもまた「微減」といった状況です。

これは多くの自動車メーカーが大幅な減収減益となっている中では異例中の異例と言ってよく、これにはトヨタの「体質」「考え方」が関係しているのかもしれません。

トヨタの体質はいまだかつて無いほど強靭

まず、体質についていえば、徹底したコスト削減による、営業利益率の高さが挙げられます。

現在トヨタおよび各社の営業利益率はこんな感じで、見ての通り営業利益率は日本の自動車では頭一つ抜けて業界最高となっています。

「これだけの台数売ってれば当然じゃないの」と見る向きがあるかもしれませんが、トヨタの車種構成を見るとコンパクトカーが多く、販売においてもその構成比率が高いため、販売単価が低いわけですね。

販売台数営業利益率1台あたり利益
トヨタ8,985,000台8.2%274,680円
ホンダ5,170,595台1.9%40,536円
日産5,050,000台0.8%16,831円
スバル1,000,000台6.2%195,529円
マツダ1,410,000台1.3%30,725円

販売単価が低いということは、つまりその中に占める利益も低いということになり、となると営業利益率は「低くなって当たり前」。

これは、軽自動車の販売比率が低いホンダの営業利益率が低いこと、(儲からないという理由で)軽自動車とコンパクトカーから撤退したスバルの営業利益率が高いことからも理解付ができると思います。

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ただ、この体質については以前からそうであったわけではなく、ぼくの知る範囲では現豊田章男社長の代になってから。

豊田章男氏は2009年にトヨタ自動車社長に就任していますが、この時期は「リーマンショック直後」。

ちなみに2008年の営業利益率は8.6%ですが、2009年にはなんとマイナス2.2%、2010年には0.3%という水準にまで落ち込んでいます。

つまりとんでもない時期に社長になってしまったということになり、しかし豊田章男氏は数々の改革を打ち出し、現在の営業利益率8.2%まで戻しているわけですね。

数字だけを見ると、2008年の8.6%に及ばないものの、この数字が翌年-2.2%にまで下がったことを鑑みるに、2008年の「8.6%はかりそめの数字」。

しかし今回のコロナ禍においては2019年度でも8.2%、2020年度も8.2%と「下がっておらず」、内容を伴ったものであるということもわかります。

今回のコロナショックは「リーマンショックの比ではない」と言われ、しかし現在のトヨタは、リーマンショック以上の衝撃にも「全く動じない」体質を持つようになったと言い換えて良いかもしれません。

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いったいどうやって体質を改善したのか

そこで気になるのが、いったいどうやって体質を改善したのかということ。

簡単に言えば「無駄をなくした」ということで、しかしこれは今までの歴代社長がやろうと思ってもできず、そして同業他社でも成し遂げられなかったこと。

ひとつひとつ挙げてゆくとキリがないので、これもかいつまんで言うと、ひとつは「社内協業の禁止」。

つまり、社内の違う部署で同じことをしないようにするということですが、トヨタのような大きな会社で部署整理を行うのは並大抵のことではなかったと思われます。

そしてもうひとつは、自社だけではなく、他社も含めて「運命共同体」だとみなしたこと。

これは今までの社長が持っていたプライドからは想像もできないことで、「他社と協力し、自社よりも優れた技術を持っていれば、それは他社に任せる」。

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こういった考え方によって、GRスープラや、ウワサされるマツダとの直6エンジン/プラットフォーム共有化といった話も出てきて、逆にスバルは「エレクトリック技術開発はお金がかかるので行わず、必要になったらトヨタに頼む」と割り切り、自身の強みに専念できる環境も。

結果的にはトヨタのみではなく、トヨタと協力すれば、自身の体力も強くなるという連鎖を作り出したのが豊田章男社長だとも考えられ、ひいては日本や世界の自動車産業そのものの発展に貢献する人物だともぼくは考えているわけですね。

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トヨタは人を切らない

なお、こういった改革を行う際、つまりはコスト削減ですが、欧米の会社が最初にやるのが「リストラ」。

ただ、トヨタの最大経営者に脈々と受け継がれる教えとして「人を切ってはならぬ」というものがあるそうで、これは1950年代に経験した「痛手」が教訓となっており、トヨタにおいて絶対に手を付けてなならない部分。

当時は豊田喜一郎氏が社長を務めている時代でしたが、経営危機に瀕することになり、銀行から融資を受ける代わりに豊田喜一郎氏の退陣そして1600人の人員削減を受け入れたことがあって、これを繰り返してはならぬ、というのがトヨタ経営者一族に伝わる鉄の掟であるようですね。

ちなみに、トヨタが人員削減を行ったのはこの一回のみであり、リーマンショックの際にも、その震源地であるアメリカ法人の雇用ですら守り抜いたと報じられています。

参考までに、カルロス・ゴーン元日産社長が就任後に行ったのは人員削減と車種削減、そして下請けへのコスト引き下げ要求。

これによってV字回復を成し遂げたということになりますが、これは「コストを削減しただけ」であって「経営の効率化を行った」わけではなく、それは現在の日産の窮状が示しているとおりかと思います。※見せかけの数字は改善するが、会社の根本は強くなっていない

さらに、豊田章男社長は生粋のカーガイとしても知られ、東日本大震災を振り返って下記のような発言も。

「高速道路を走っていくと、いずれも他府県ナンバーのクルマだった。クルマの中には、段ボールがいっぱい積み込まれていた。ああ、東北の人たちに“心”を運んでいるのだと実感しました。あのときほど、クルマが気持ちを運んでいる乗り物だと感じたことはありません。それを生涯忘れないようにしようと思いました」

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そして「自動車産業の技術を継承し、自動車産業を支え、日本の経済を復興していくには、サプライチェーンを維持する必要がある。そのために互助会のような仕組みをつくりたい」とも語っていて、一般的な企業そして経営者とは異なる視点で物事を捉えており、その見ている範囲、時間軸ともずっと広く長い、と言えそうです。

VVIA:TOYOTA ,Toyokeizai, Sankeibiz

 

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