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マクラーレンが「GT」の価格を改定!3年間メンテが無料に、そして無償OP追加で50万円アップの2695万円

2020/08/20

| メンテナンスパッケージの無償化はオーナーにとって非常にありがたい |

マクラーレンが「GT」の新価格を発表。

価格だけを見ると2,645万円から2,695万円へと上がっているものの、3年間のメンテナンスフリーパック、インテリアにおいて「パイオニア」「リュクス」といったパッケージオプションが無償化され、さらに内外装の高級感を演出する「プレミアムパック」が無償にて装着されており、むしろ「値下げ」とも言える内容となっています。

なお、今回こういった「メンテナンスフリーパック」「オプションパッケージ」の無償化が発表されたのはGTのみで、ほかの「スポーツシリーズ」や「スーパーシリーズ」についてはアナウンスがない状態。

追ってなんらかの発表があるかもしれませんね。

スーパーカーは維持費がかかる

なお、スーパーカーは通常のクルマに比較して維持費がかさみ、というのも高性能なだけにその性能を安全に発揮するため「点検項目が多い」こと、ハイパワー=発生する熱量が大きいために油脂類の劣化が早く交換サイクルも短いこと、そしてやはりハイパワーなのでタイヤなど消耗品の劣化が早いこと、さらには油脂類やパーツについても高い品質が求められるのでその単価が高いこと、等が主な理由。※パーツについては、生産量が少ないことも高価格化の理由の一つ

ランボルギーニ・ウラカンEVO RWDの場合、「5年間所有した」と仮定すれば、毎年の点検費用、数年後にやってくるタイヤなどの交換費用、その他消耗品の交換費用などを平均すると、「おおよそ年間55万円ほど」必要という計算となります。

今回のマクラーレンGTに付帯される「メンテナンスパック」は法定12ヶ月点検、24ヶ月点検、車検にかかる点検費用を無償化してくれるもので、その詳細は今回明かされていないものの、おそらくは(一般的に考えて)オイル、ワイパー、各種フィルターなどの交換も含まれるものと思われます。

一方、タイヤやブレーキ関係といった「摩耗するもの」は含まれないと認識していますが、それでもこういった「基本メンテナンスの無償化」だけでも今回の値上げ分のモトを取ることはできそうですね。

なぜスーパーカーメーカーはメンテナンスパックを無償化するのか?

なお、現在スーパーカーやスポーツカーブランドでこういった「メンテナンス無償」を取り入れているのはほかにフェラーリがあり(ランボルギーニやポルシェは有償)、とくにフェラーリについては「7年間メンテナンスが無料」。

一見すると、これはメーカーにとってあまり利益がないようにも思われますが、これは「中古市場を考慮して」の戦略だとされています。

新車のスーパーカーは非常に高価であり、よって「中古スーパーカー」市場はかなり高い人気を誇りますが、中古スーパーカーを購入する際に気になるのが「コンディション」「壊れたらどうしよう」。

たとえば、「このメーカーのクルマは壊れやすい」「このメーカーのクルマは壊れるとお金がかかる」となると購入に二の足を踏んでしまい、結果的に中古相場が下がることに。

そして中古相場が下がると新車販売にも影響が出てきて、たとえば新車を購入する際にも「このメーカーのクルマをほしいと考えているが、(中古相場が安いので)売るときにかなり下がる」と考えて購入をためらうケースもあるかと思います。

しかしながら、こういったメンテナンスパックを無償化しておけば、1年や2年落ちの中古車であっても「メンテナンスの無料期間が残っている」と安心できますし、前オーナーもちゃんと点検に出してコンディションを維持している可能性も大きい、ということに(スーパーカーを購入しながらも、点検整備費用の高さを嫌い、正規ディーラーへ点検に出さない人も多い。しかし点検整備が無償であれば、そういった人も正規ディーラーへと点検整備に出す確率が高くなる)。

これによって自動車メーカーは中古車を買いやすくし、ひいては中古車の人気と価格の底上げを行い、より新車を(高い価格で)売りやすくするということになりますが、「中古相場を高く維持する」というのが新車販売を有利にする近道であるということもわかってもらえると思います。

ただ、中古相場というのは新車価格に関係なく「人気があるかどうか」によって決まるので意図的なコントロールは難しく、よって「安心して購入できる状況」を作るなど、間接的な要因から固めてゆく必要があるわけですね。

そして、こういった「直接の」利益として反映されるわけではない、そして効果が出るには何年という単位での投資が必要となる中古市場の安定化について、自動車メーカーはなかなか積極的にお金を投じることができない分野でもあり、しかしこれを進めねばブランド価値の維持向上も難しいということになり、メーカーとしては「どうしたものか」と悩むところだと言えそうです。

参照:McLaren

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