| ブレーキが効き続けるという話は聞いたことがない |
さて、BMWが「ブレーキが効かない」ではなく「ブレーキが効きっぱなしになる」という、ちょっと変わったリコールを発表。
簡単に言うとブレーキフルードに水が混入してブレーキフルードが変質してしまい、これが制御ユニット内に詰まって「ブレーキをかけたのちも戻らなくなる」というものです。
なお、ブレーキが戻らない場合、そのまま走り続けるとエンジンに不要な負荷がかかったり、ブレーキローターやパッドが異常に熱を持ったりという問題が生じそうですね。
加えて、ブレーキが戻ったとしても、再度ブレーキをかけたときには「スカスカ」になっている可能性もあり、ちょっと怖い不具合だと思います。
日本国内で意外と多くの問題が発生していた
そしてびっくりなのは、日本国内で200件も問題が発生している、ということ。
欧州車の場合、リコールを行うきっかけは「本国からの情報による」場合が多く、つまり本社に情報が寄せられ、その情報が日本にも共有されることでリコールが届け出られることが多いようです。
ただし今回の問題について、問題を知ることになったのは「本国からの情報による」ではなく「日本市場からの報告による」という非常に珍しいもの。
つまり本国ではまだこの情報をキャッチしておらず、日本のみ、もしくは日本で最初に起きた問題ということになりますね。
BMWが届出たリコールの内容はこうなっている
今回のリコールによって影響を受けるのはBMW 116i / 118i / 120i / 220i / M235i / M135iの6車種で、対象となる台数は14,399台。
製作期間は平成25年6月29日〜平成27年3月14日だとされています。
なお、不具合の内容は下記の通り。
ブレーキマスターシリンダーのリザーバータンク上部に設置されているカウルカバーにおいて、排水設計が不適切なため、雨水がブレーキフルード内
国土交通省
に浸入することがある。そのため、雨水と反応したブレーキフルードがゲル化し、油圧制御ユニット内で詰まり、ブレーキペダルを放してもブレーキが作動し続けるおそれがある。
日本の長雨も影響?
なお、他の国では発生せずに日本でのみ発生しており、かつ「雨水」による影響となると、今年の長雨が関係している可能性もありそう。
日本には梅雨があり、そして東南アジアなどの「スコール」とは異なって”長時間雨が降り続ける”ことも。
そこで「想定している以上の(処理できない)水が流れ込んで予想外のトラブルが起きた」のかもしれませんね。
ポルシェも排水問題でリコールを出したことがある(と記憶している)
なお、ぼくがポルシェ・ボクスターS(986)に乗っていた頃にも「雨水」にかかわるリコール(かサービスキャンペーン?)が出されたことがあったと記憶していて、内容としては「雨水の排水経路に落ち葉などが詰まると水がそこを通らなくなり、溢れた水がバッテリーコンパートメント内に流れ込んでバッテリーがショートする」というもの。
これについても、他の国だと「排水経路が詰まってもなんとか水を逃すことができ、バッテリーコンパートメントに水が溜まるほどの雨量はない」のかもしれず、日本特有の問題だったのかもしれません。
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