| これも時代の流れとしか言いようがない |
さて、先日報じられた「ミニは2030年以降、エレクトリックブランドに」「2025年に発売されるクルマがミニにとって最後のガソリン車」という件。
今回BMWグループがオンラインカンファレンスを開催し、この内容を肯定する発言を行っています。
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ミニはBMWグループの中で最も早くエレクトリックブランドへと移行
BMW会長、オリバー・ツィプセ氏によると、「2030年代はじめまでにミニは完全にピュアエレクトリックブランドへと、BMWグループの中でもっとも早く移行」「2025年に発売するガソリン車が最後のガソリンエンジン搭載モデル」とのこと。
加えて2027年には(ミニブランドにおける)販売の半数がエレクトリックカーになるという予測を述べ、2023年には次世代ミニ・クロスオーバーが発売されるとも発言しています。
ちなみに次期ミニ・クロスオーバーはガソリンとピュアエレクトリック両方とが発売されると言われ、しかし「2025年に発売される最後のガソリンモデル」が何になるのかは不明です。
なお、次期ミニ・クロスオーバーについては「ガソリン車と、ピュアエレクトリックモデルとが同じプラットフォームを共有」しているのか、それとも「同じミニ・クロスオーバーといえども、名前が同じだけでプラットフォームが異なる(EV版はEV専用プラットフォームを持つ)のかどうかは不明です。
BMWのプラットフォーム戦略は不透明
BMWは将来的にグループ内で使用するプラットフォームを1つか2つに絞ると以前にコメントしており、これはトヨタの「E-TNGA」戦略とよく似た考え方だと思われ、つまり「すべてスケートボード型シャシーに移行する」ということですね。
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しかしながらiX3については既存プラットフォーム(X3からの流用)を使用しており、おそらくは新しく発表されたi4についても4シリーズと車体が共通なのかもしれません。
つまりEVなのにガソリン車用のプラットフォームを使用しているということになり、これは以前のBMWの発言とはやや異なる部分です。
ただ、こういった「相違」について、EV専用プラットフォームを新しく設計し採用するにはコストがかかりすぎ(予定では、そのコストを吸収できるだけのバッテリー価格引き下げがあるはずだった?)、既存プラットフォームを流用せざるをえなくなったのかもしれません。
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そう考えると、次期ミニ・クロスオーバーについても、2023年という比較的早い登場時期を考慮するに、「既存プラットフォームを改良し、ガソリン/EVにて共通の車体を使用」するものと考えられますが、BMWの計画は「予定通り進んでいない」ということもわかります。
ミニはもともと電動化を目指していたが
なお、2016年ころからミニの販売が世界的に落ち込みはじめ、この段階でミニはその方向性を再検討しはじめたと認識しています。
その方向性の中には「SUVに特化」「EVに特化」「シティコミューターに特化」といった案があったようですが、今回の発表を見る限り、生き残ったのは「EVに特化」という計画だったようですね。
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実際にミニは「ミニクーパーS E」を発表しており、この際にミニが主張したのは「初代ミニ同様、実用性の高いコンパクトカー」。
よってミニは今後、よりスペース効率の高いEVにシフトしてゆくということになりそうですが、上述の「プラットフォーム」の出遅れ、そしてバッテリー確保ができるのかどうか等、様々な問題がありそうです(BMWは安くバッテリーを調達できないと見え、ミニクーパーS Eのコストパフォーマンスは高くない)。
BMWはいちはやく電気自動車に取り組んだブランドではあるものの、それだけに様々な苦労を経験しており、一時は「そう簡単に電動化の未来はやってこない」とコメントし、もっとも電動化に悲観的な(否定的ではない)自動車メーカーだったこともあって、そういった経験が「メルセデス・ベンツやアウディ、フォルクスワーゲン、さらにはトヨタ」に対して出遅れるという状況を作ってしまったのかもしれません。※方向性が二転三転しているようにも見えるが、BMWは多数の選択肢を並べ、状況に応じて最適な選択をしてきたのだと思われる。ただしこれが「エレクトリックまっしぐら以外の選択肢はない」としてきたフォルクスワーゲンとの差を生んだのかもしれない
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