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ランボルギーニが2021年にアヴェンタドール後継モデルを発表するとのウワサ!シアン同様のハイブリッドシステムを持ち800馬力オーバーとなるようだ

2021/03/30

ランボルギーニ・アヴェンタドール

| この時点でアヴェンタドールがフルモデルチェンジを迎えるというのは考えにくい |

ランボルギーニは今年2つのV12モデルを発表するとアナウンスしていますが、その2つともワンオフモデルもしくは少量生産の限定モデルになるというのが大勢の見方です。

ただし今回、「そのうちの一車種はアヴェンタドールの後継モデルになる」という報道がなされており、これはかなり「意外」。

時期的な事情を考えれば、アヴェンタドールは発売開始からほぼ10年を数えているため、そろそろ後継モデルへとバトンタッチするのがセオリーです。

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しかしながら今は事情が異なる

しかし現在はちょっと「事情が異なる」のもまた事実で、今ニューモデルへとスイッチするとなるとハイブリッド化を行わねば様々な規制をクリアできず、しかし今のバッテリー技術では満足の行く性能を発揮できないというのが多くのスポーツカーメーカーにとっての共通認識でもあるわけですね。

実際のところランボルギーニと同じグループに属し、エレクトリック化についてはもっとも高い技術とノウハウを持っていると思われるポルシェですら予定していた911ハイブリッドを発売するのは難しいという状況で、それを考えると「これまでエレクトリック化と縁が遠かった」ランボルギーニがポルシェよりも先にエレクトリックスポーツを発表するとはちょっと考えにくい、というのがぼくの思うところです。※アステリオンのハイブリッドシステムはポルシェ918スパイダーから拝借している

参考までに、一般的なバッテリーでは話にならないため、ポルシェは「ハイパフォーマンスカー向け」のバッテリーを自社で製造するとも発表していますが、これが実用化されるのは「2023年から」。

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ランボルギーニはアヴェンタドール後継にスーパーキャパシタを使用?

ただ、今回の報道だと、ランボルギーニは「アヴェンタドール後継モデル」について、そのハイブリッドシステム用電源にはバッテリーではなくスーパーキャパシタを使用するとのこと。

エンジンは現行6.5リッターV12のアップグレード版となり、これに「スーパーキャパシタ+エレクトリックモーター」を組み合わせると報じられており、となるとシアンと同じく「ガソリンエンジンで前輪と後輪とを駆動し、エレクトリックモーターはトランスミッションにドッキングさせてパワーアシストを行う」方式となりそう。

つまりは「マイルドハイブリッド」ということになりますが、これから「マイルドハイブリッド」搭載の新型車を発売するというのはちょっと考えにくく、環境性能面においても、スポーツカーとしてのパフォーマンスにおいても正直「物足りないんじゃないか」という印象です。

たしかにスーパーキャパシタはコンパクトでエネルギー密度が高く、よって「既存のガソリン車に」後付けにて装着するにはもってこいの電源だと言えますが、フルモデルチェンジとなる新型車に(今どき)これを装着するのは考えにくいわけですね。

環境性能や運動性能を考えるならば、フェラーリSF90ストラダーレのように「後輪をガソリンエンジン、前輪をエレクトリックモーター」で駆動すべきであり、この方式だとリアからフロントへと動力を伝達するプロペラシャフトも不要になるので「駆動ロス」も最小限となります(そのぶん軽量化もできる)。

しかしスーパーキャパシタだと前輪を駆動するほどの電力を確保できず、そのために「マイルドハイブリッド」となってしまい、しかしフェラーリSF90ストラダーレのようにストロングハイブリッドを採用するにはバッテリー技術が不足しているというのが今のランボルギーニの状況であり、この状況でフルモデルチェンジを行うと「ハンパなクルマ」が出来上がることに。

そしてそのハンパなクルマは時代の波にのまれて短命に終わる可能性が高く、ランボルギーニのような少量生産メーカーにとって「生産台数が少ないままに販売終了」となると、かなり収益を圧迫してしまうのは間違いなさそうです。

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参考までに、ランボルギーニは「アヴェンタドール後継にはスーパーキャパシタを採用しない」と発表したこともあり、よってスーパーキャパシタの実用性の低さも十分に理解しているとも考えられますね。

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こういった事情を鑑みるに、ちょっと前に報じられたように、「バッテリー技術が向上するのを待ち、2024年あたりに後継モデルへとフルモデルチェンジを行う」のがベターだと思われ、今無理に「中途半端な技術で」ニューモデルを開発するのは逆に無駄になってしまいます。

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もともと3−4年のみしか継続しないことを前提としたモデル?

ただしアヴェンタドールの販売が徐々に下がってきているのも事実であり、「2021年で生産終了」と明言されているのもまた事実。

となれば後継モデルを発売しないとそのぶんの売上が欠損してしまい、「この中途半端な状況であっても」手を打たねばならないのがランボルギーニの実情なのかもしれません。

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よって、アヴェンタドールも「2024年に後継モデルへとスイッチするまでに」あと3年ほどの「つなぎ」と割り切り、フルモデルチェンジではなくフェイスリフトに収まる程度の改良にて延命もしくは「名前を変えたモデル」を発売することも考えられそうです。

ランボルギーニの2030年以降は「未定」

ランボルギーニのCEOはステファノ・ドメニカリ氏からステファン・ヴィンケルマン氏へと交代したところですが、現在2023年以降の戦略を策定中。

これについては「法規制」がネックとなっているとも語っており、これまでの自動車業界のように「単独にて」方向性を決めることは出来ず、今後どのような法規が施行され、どうやってクリアするかを考えながら方向性を決めなくてはならないのでしょうね。

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