| もしそうなるとランボルギーニのアイデンティティが一気に崩れ去ることに |
ランボルギーニ・アヴェンタドールの後継モデルの発売が「2024年に延期される」とのウワサ。
アヴェンタドールは2011年に発売されていますが、ランボルギーニのこれまでの例からすると1車種あたりのモデルライフは10年なので、順当に行けば2021年に後継モデルが登場、ということになります。
ただ、今回の報道だとそれが2024年に延期されるということで、これは一体どういったことなのかを見てみましょう。
今回の報道はあまりにも衝撃的
Automobile Magazineによると、アヴェンタドール後継モデルの発表は当初2020年の発表を予定していたものの、最初は2021年へと延期され、そして2022年へ、そして今回は2024年へとさらに延期。
これによると、その一因はランボルギーニの親会社であるアウディが「V12エンジンの継続を嫌っている」ということ。
アウディは現在「ダウンサイジングターボ」を積極的に取り入れており、というのも「大排気量自然吸気エンジンを環境規制に適応させるのはお金がかかるから」。※アウディはこれに1000億円が必要と見積もり、ランボルギーニは500億円で済むと考えるなど、対立もある模様
この環境規制はぼくらが考えるよりもずっと自動車メーカーにとって負担が重く、ランボルギーニ自身も大排気量エンジンについては「現状維持すら難しい」と語るほど。
よってアウディとしてはV12エンジンを廃止し、代わりにアウディはじめフォルクスワーゲングループ各ブランドが採用するポルシェ設計の「4リッターV8ツインターボ」を使用したいという意向を持っているそうですが、もちろんこれに組み合わせるのは「ハイブリッド」。
要は(アウディは)アヴェンタドール後継モデルにもポルシェやアウデイと同じエンジン、ハイブリッドシステムを積みたいということになりますが、一方でランボルギーニとしてのアイデンティティを保持させるためにカーボン製バスタブシャシーを使用し、ここでVWグループ各社との差別化を考えている、とも報じられます。
このカーボン製シャシーについては現行アヴェンタドールにも採用されるものの、ここで驚かされるのは「ウラカン後継モデルにも同じカーボン製シャシーを採用する」計画を持っているとされること。
現在、ランボルギーニのポリシーのひとつには「1モデル、1エンジン」というものがあって、現在「アヴェンタドール」「ウラカン」「ウルス」すべてが固有のエンジン(とトランスミッション)を持っており、つまりモデル間での共有を行わないということですね。
さらには内装のパーツ類も極力共有を避け、とくにV12モデルに使用されるパーツはほかモデルには共有を(基本的に)許さないというスタンスを貫いていますが、アウディのプランでは「アヴェンタドール後継とウラカン後継とは共通プラットフォーム、共通パワートレーン、共通サスペンション、共通ステアリングシステム、共通モロモロ」ということになり、しかもパワートレーンはアウディやポルシェとも共通。
そうなると、マクラーレンとの差異はいったい何なのかということにもなりかねず、ランボルギーニの存在意義喪失に繋がる可能性も。
これはランボルギーニにとって「許容し難い」ことであると思われ、今後ランボルギーニはアウディと「戦う」ことになりそうですが、続報が待たれるところですね。
なお、ウラカン後継モデルについては「新型911(992)」とプラットフォームを共有するという話もあったものの、この様子だと、ウラカン後継モデルも「延期」されることになりそうです。