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「どこまでがスーパーカーではなく」、「どこからがスーパーカー」?ボクの考えるスーパーカーの要件はこんな感じ

2021/12/18

| スーパーカーとは、車高が低く、直感的に速さを感じさせ、「乗りたい」と思わせるクルマのことだと考えている |

スーパーカーという言葉はおそらく日本が発祥だと言われている

さて、時々質問をいただくのが「どこからがスーパーカーであり、どこまでがスーパーカーではないのか」。

ちなみに「スーパーカー」という言葉は日本が発祥だとされ、その後イギリスに伝播し、そこから世界に広がったという話を聞いたことも(ずいぶん以前に、「スーパーカー」という言葉が英語圏でも通じるのかというコラムを読んだことがある)。

それを考えると「サーキットの狼」に端を発するスーパーカーブームの際にこの言葉が誕生した可能性もありそうですが、日本で言う「スーパーカー」は、英語圏(米に多い?)だと「エキゾチックカー」と呼ばれることもあり、しかしYoutubeを見るに、現在では広く英語圏でも「Supercar」という文字が(アカウント名やタイトルに)使われているので、もはや”スーパーカー”は世界中で通じる言葉だと考えて良さそうですね。

参考までにですが、広辞苑ではスーパーカーをして「高出力・高性能で、特徴的なデザインのスポーツカー」、大辞泉では「性能・美しさ・装備のよさ、価格などで並の自動車を超えた車。スポーツカーの中でも特に大型、強力で、手作りに近いもの」と説明していますが、正直「スーパーカーの定義」は非常に曖昧だと考えています(数字による基準がない)。

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自動車メーカー自らがスーパーカーと名乗る例は少ない

ちなみにスーパーカーとはメディアや消費者が特定のクルマを指して称することが多く、自動車メーカーが自らのクルマをして「スーパーカー」と名乗る例は非常に少ないようで、ぼくの知る限りではR35 GT-Rがデビューした際のポエムにてスーパーカーだと自称していたような記憶がありますが(多くのスーパーカーは雨の日などに乗られることがないが、GT-Rはそうではない、といった内容だったような)、今探してみても記載が見つからないのでこれはぼくの脳内にとどまるのかもしれません。

なお、ホンダはNSXをして「スーパースポーツ」、ランボルギーニもアヴェンタドールやウラカンを「スーパースポーツ」と表現し、フェラーリはV8ミドシップやV12モデルのうち812系を「スポーツカー」と呼んでいます(スーパーカーの代名詞でもあるフェラーリは、自社では”スーパー”という言葉を使用しておらず、これは興味深い事実でもある)。

つまり、メジャーメーカーで自社のクルマを「スーパーカー」と呼称するケースは現実的にほとんどないと考えていいかと思いますが、これは「美女」や「イケメン」は自称する言葉ではなく、他の人が別の誰かを指して言うのと同じなのかもしれません。

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何がスーパーカーをスーパーカーたらしめているのか

そこでスーパーカーとはなんぞやということを考えてみたいと思いますが、スーパーカーブームの際には「ロータス・ヨーロッパやロータス・エスプリはエンジンが小さい(4気筒)のでスーパーカーではない」「ポルシェ911は全高が(フェラーリやランボルギーニに比較して)高いのでスーパーカーではない」と言われたことも。

現代だとR35 GT-Rはルックス的にスーパーカーではないと言われたこともあり、これらを鑑みるに、世間一般での「スーパーカー」とは、エンジンのシリンダー数が多く、かつ車高が低いクルマを指していると考えていいのかもしれません。

なお、V12エンジンを搭載するセダン、スーパーカーを超えるパワーを持つSUVも数多く存在するものの、それらを「スーパーカー」とは誰も呼ばないので、「車高が低い」ということはけっこう重要な要素なのかもしれませんね。

ぼくの私見に基づくならば、「スポーツカー」を定義する要素の多くは「ルックス」にあると考えていて、つまりは「低い」ということ。

この「低さ」は前面投影面積を小さくして空気抵抗を減らしたり、重心を低くしてコーナリング性能を向上させるのに必須ですが、居住性が損なわれたり、実用性が損なわれたり、底面を擦ったり、その他モロモロ失うものが存在します。

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いやむしろ「乗用車」として考えた場合、(車高を下げると)失うものしかないとも考えており、低さを追求するということは、スポーツカーとしての空力や運動性能を追求する代わりに、通常の自動車に求められる「ほぼ全て」を切り捨てるということになるのかもしれません。

そしてこの「割り切り」というか、速く走るという目的のために突き抜けた車高が人々に対し、”直感的に”「あ、このクルマは他のクルマとはなんか違うんだな」と感じさせることになり、それが「=スーパーカー」ということになるんじゃないかと思うわけですね。

そしてミドシップレイアウトも同様で、これは「高い運動性能を得る代わりに、乗用車としての利便性をほぼ失う」ことを意味しますが、これもまた「ほかのクルマとは異なる」スタイルを演出する要素の一つ。

一方、「エンジンの大きさ」「パワー」についてはそれほど重要ではないとも考えていて(一見してそれは判断できない)、「とにかく見た目が特殊な(速く走ることに特化していることがひと目で分かる)」ことがスーパーカーにとって重要な要件だと考えています。

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ボクの考えるスーパーカーは「エキゾチックカー」に近い

参考までにですが、「エキゾチック(Exotic)」という言葉について、Weibloによれば「外国らしい感じがする。異国的なさま。おもに憧れの気持ちをこめて用いる。」、goo辞書では「異国の情緒や雰囲気のあるさま。異国的。」「風変わりで、奇妙であるさま。主に物理学で、物質や粒子の性質が通常のものと異なることを意味する。」と述べており、この「憧れ」というのも意外に重要なファクターなのかも。

これらの表現を借りるならば、「憧れの存在」「性質が通常のものと異なる」というのがぼくの考えるスーパーカーに近く、つまりはぼくの考えるスーパーカーとは「エキゾチックカー」に近いのだろう、とも考えられます。

なお、「憧れ」については、金額的に高くて買えないということのほか、「たとえ購入できる範囲の金額であっても、様々な事情でそのクルマに乗ることが難しい(アリエル・アトムなど)」という意味も内包していて、こういった条件を持つクルマをして、「スーパーカー」だとぼくは捉えるようにしています。

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