| このサイズで340馬力を出せるのならば、もうガソリンエンジンはいらないのかも |
さすがは既存の技術や製品に満足しないケーニグセグだけのことはある
さて、ケーニグセグが自社にて開発した「エレクトリックモーター含む、全く新しいエレクトリックパワートレーン」を公開。
これらユニットにはそれぞれ「クォーク」、「テリア」、「ラキシャル・フラックス」、「デビッド」といった名称が与えられ、画像を見るにオレンジの塗料が文字に流し込まれており、ケーニグセグが「オレンジ」を重要視していることがわかります(これまでとくにカンパニーカラーとしてのアピールはなかったが、今後ブランディングのためにオレンジを強調するのかも)。
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ケーニグセグは自社製にこだわる
なお、ケーニグセグは自社製に強くこだわる傾向があり、正確に表現するならば、「自社製でないとダメというわけではないが、自社の求めるクオリティを考慮すると、他社製品では満足できないので、結果的に自社製品になってしまっている」。
はじめての市販車を開発する際にもスバルからエンジン供給を受けようと考え、スバル製のF1用エンジン採用を考えたものの「750馬力までしか出なかったので」結局は自社開発のエンジンへとシフトしています。
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同様の例では「カーボンホイール」があり、現在はフォードやフェラーリなど多くのメーカーがカーボン製ホイールを(オプションで)採用するものの、その多くはカーボン・レボリューション等へと外注しており(ポルシェは自社製)、しかしケーニグセグは外注だと自社の考える要件を満たせないため、これまた「自社開発」。※トランスミッションも同様だが、このあたり多くを他社からの供給で賄うパガーニとは大きく異る
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ケーニグセグの開発したエレクトリックパワートレーンはこうなっている
つまりケーニグセグは「常に、現存する製品を超える機能や品質」を求めているということになり、そういった視点で開発されたのが今回のエレクトリックパワートレーンたち。
核となるのは「テリア(Terrier)」と名付けられたトルクベクタリング・エレクトリックパワーユニットで、これは”EV業界において、パワーとトルクを最も高いレベルでバランスさせた”エレクトリックモーター「クォーク(Quark)」を2つ内蔵。※そのほかインバーターは「デビッド(David)」と命名されている
このクォーク(エレクトリックモーター)については最高出力340馬力/250kW、最大トルク442lb-ft/600 Nmを発生させ、ピークトルクは811lb-ft/1,100Nm(事前予想の1,200Nmよりもやや低いが、あくまでもこれらの数値は開発中のものであり、製品版ではもっと向上する可能性も)。
これらエレクトリックパワートレーンは「ジェメラ」に使用
なお、今回公開されたエレクトリックパワートレーンについては、4人乗りのハイパーカー「ジェメラ」に採用されるといい、そしてジェメラは「広々とした室内」を持つことを前提に設計されていて、そのために今回のような小型エレクトリックパワートレーンを開発する必要があったようですね。
各ユニットの横に置かれている缶飲料のようなものは「サイズ比較用」なのだと思われますが、たしかにこのサイズ(モーターひとつ)で340馬力を発生するのは驚異的でもあり、であれば「もうガソリンエンジンはいらないな・・・」という気もしてきます。
ちなみにジェメラはリアにコンパクトな2リッターターボエンジン(600馬力)を搭載し、これによって前輪を駆動しつつ、3モーターにて1100馬力を発生するという構造を持っていて、ケーニグセグはこのパッケージングを「TFG=タイニー・フレンドリー・ジャイアント」と呼んでいます。
つまりは「小さなサイズで、大きな力」を目指しているということになりそうですね。
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ケーニグセグは、今回のエレクトリックパワートレーン、とくに電気モーター「クォーク」を開発するにあたり、「常識にとらわれず、磁性や材料、冷却、構造そのものにおいてまで基本を見直した」とも語っていますが、「4つの要素」=電磁力、重力、相互作用(強)、相互作用(弱)すべてを満たすことができる唯一のユニットだとも。
加えて、このクォークはジェメラの低速域を担当するといい、つまりは2リッターターボエンジンの(大排気量に比較すると)小さいトルクを補完することになり、そしてこれによって2リッターターボエンジンは(低速トルクを捨てて)高回転に特化することができるため、”時速400キロまでの絶え間ない加速”を実現できることになった、とコメントしています。
今後、それぞれのユニットのさらに詳しい解説がなされるそうですが、あわせてジェメラの開発状況報告にも期待したいところです。
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