| トヨタはソリッドステートバッテリー関連特許の数で群を抜いていると言われるが |
ただし車両に反映される「コスト」については非常に気になる
さて、日経アジアによると「トヨタがもっともソリッドステートバッテリー(全固体電池)を搭載したEVの発売に近い」とのこと。
トヨタは2020年に固体電池だけで走る世界初の電気自動車のプロトタイプ(LQコンセベース)を公開し、水素ともども様々な可能性を追求する、と発表しています。
そして今回の報道では「トヨタはソリッドステートバッテリーにおけるリーダー」「ソリッドバッテリーを搭載した自動車を最初に販売する可能性がある」。
その理由として、現在トヨタはソリッドステートバッテリーに関する1,331件もの特許を保有しており、それに次ぐのはパナソニックの445件、出光興産が272件(主にこの種の電池に使われる金属に関する特許)、サムスンが4位であることを挙げ、トヨタがもっとも全固体電池の開発に際しては進んでいるという判断を下しているようです。
しかし特許の数だけでは判断が難しい
ただ、「特許の数」だけではなんとも判断が難しく、というのもトヨタは積極的に特許を出願しており、「汚れたら自動的に洗車場へと向かう特許」「自力走行できるスケートボードの特許」「クルマ泥棒に催涙ガスを噴射する特許」といった実現する気がないような特許も出願しているから(各部署には特許出願数のノルマがあるのだと思われる)。
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この個体電池については多くのバッテリーメーカーそして自動車メーカーが開発を急いでおり、これが実用化できればEVの航続可能距離が一気に伸びる可能性も。
一般に、ソリッドステートバッテリーは「リチウムイオンバッテリーと同じ重量ならば、およそ3倍の容量を持たせることができる(つまり3倍の航続可能距離を担保できる)とされています。※ただしリチウムイオンバッテリーも日進月歩なので、あくまでも目安として、ということになる
自動車メーカーだとBMWそして日産も実用化に近いと言われ、日産だと2028年に実用化という報道もなされていますが、一方で「実用化が不可能」として諦めたメーカーがあったり、そしてリチウムイオンバッテリーの開発や工場建設に熱心なテスラについても、さほどソリッドステートバッテリーの開発に注力しているという話は聞かれず(しかしもちろん何もしていないわけではないと思う)、このあたりメーカーによってずいぶん温度差があるもよう。
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トヨタはパナソニックとタッグを組む
なお、トヨタは2020年にパナソニックとの合弁会社を設立し全固体電池の共同開発を進めており、2016年から2020年にかけて、保有する特許の数を40%増やしたとも報じられ、やはり日経アジアによると「数年後に発売予定のハイブリッド車に初の固体電池を搭載する予定」だといい、時期プリウス画素の対象になるという見方も。
トヨタは「ハイブリッド」に対して現在でも大きな可能性と将来性を見出していて(EVよりもハイブリッド、という姿勢を崩さない)、そしてやや輝きを失ってしまったプリウスに再びスポットライトを当てるためにこのソリッドステートバッテリーを採用するとも考えられます。
一方、2020年にトヨタが「ソリッドステートバッテリーを搭載したクロスオーバーコンセプトを2021年に発表する」という話は実現しないままに終わっており、こちらが遅れて(プリウスの代わりに)発表される可能性も。
現時点でソリッドステートバッテリーのコストは具体的に判明しておらず、しかし当然「安くない」のは間違いないはずで、よってトヨタがこの全固体電池搭載車を発表するにしても「ピュアEV」ではなく、バッテリー搭載量が少なくて済むハイブリッドを選択するのは「論理的なチョイス」かもしれません。
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参照:Nikkei Asia