| もはや価格面はもちろん、技術面においても欧米の自動車メーカーは中国市場では競争力を失ってゆくのかも |
やはり中国政府は中国のメーカーを「優遇する」傾向が感じられないでもない
さて、中国の検索エンジン最大手、バイドゥ(百度)が自動運転機能を備える電気自動車「アポロRT6」を発表。※バイドゥはぼくが大損した数少ない銘柄の一つでもある
これはバイドゥの展開するライドシェアサービス「アポロゴー(Apollo Go)」にて使用できるようになるといい、運転手の存在しない完全なるロボタクシーとして機能します(すでにバイドゥはロボットタクシーの運行免許を取得している)。
なお、ロボタクシーというと、先日カリフォルニア州にて発生した「なぜか無人のロボタクシーが一斉に一箇所に集まった」例を思い出しますが、内容を見る限り、このアポロRT6は非常に高い自律航行機能を持ち、世界で最も進んだレベルのロボタクシーとして機能するのかもしれません。
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バイドゥ・アポロRT6はこんなクルマ
そこでこのアポロRT6についてですが、これは上述の(カリフォルニアの)クルーズ社の車両とは異なり「いかなる場合も運転手を配置しない」ロボタクシーです(クルーズ車の車両はいざというときに人間が運転できる)。
実際のところ、既存車種をロボタクシーに改造したのではなく最初からロボタクシーとして設計されていて、8個のLiDARセンサーと12個のカメラを搭載し、さらに合計38個のセンサーが搭載され、正確に自車と周囲との長距離探知行うことができる、とのこと。
バイドゥによれば、約2,000万マイル(3,200万km)のテスト走行を行った結果、このアポロRT6は「20年の運転経験を持つ人間がステアリングを握った時と同じくらい適切に」走行することができると述べていますが、車内はこんな感じで「完全自動運転」が前提となっています。
さらに驚かされるのはその価格であり、なんと25万人民元(日本円で500万円くらい)にて販売され、この価格でこの機能というのはちょっと欧米の自動車メーカーでは太刀打ちができないかも。
ただでさえ中国の(自動運転ではない)通常のEVの価格には割安感があり、どうやっても欧米の自動車メーカーが太刀打ちできないような価格設定を持っていますが、こういった中国車がどんどん出てくると、中国国内市場内においてはもう中国車の独壇場となってしまうのかもしれません。
おまけにこのアポロRT6は「他の中国製ロボットタクシーの半分のコスト」だというので、アポロRT6が恐ろしい勢いにて路上に増えてゆく可能性もありそうですね。
なお、中国人は投資好きなので、自分でこのアポロRT6を購入し、しかし自分用として乗るのではなく、ロボタクシーとして走行させ、それによってお金を稼ごうとする人もたくさん出てくるんじゃないかとも考えていて、爆発的に(生産が追いつくならば)その数が増殖するんじゃないかとも考えています(それこそがバイドゥの狙いなのかも。自社で投資しなくてもクルマの販売が進み、サービスが拡充する)。
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参照:Reuters.