| フォードはブロンコのリークにて「痛い目に」遭ったことがある |
今回フォードはリーク犯との戦いに「勝った」と言っていい
さて、日本ではすでにフォードが撤退しているのでさほど大きなニュースにはならなかったものの、アメリカでは新型マスタングに関する報道が連日メディアを賑わせており、しかしこれだけ高い注目を集めるのは「(発表までにハングリーマーケットが形成され)事前にリークがなされなかったから」だとも言われています(実際には、発表のまさに直前でリークされてしまった)。
そしてもちろん「リークされなかった」ということは「フォードがそれだけうまく隠していた」ということを意味しますが、これは「ブロンコの情報が、発表前に漏れまくった」という苦い経験を踏まえてのことだと言われます。
いったいフォードはどうやってマスタングをリークから守ったのか?
なお、ブロンコについては公開前のウエブサイト、アパレル、パーツ、工場での車両の製造風景など盛大に情報が漏れてしまい、これによってハングリーマーケットの形成に影響が出たとされ(もちろんリークが一部での期待値を引き上げたことも事実ではある)、これがフォード内部にて大きな問題として認識されたと言われます。
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新型車の開発に際しては非常に多くの人が関わり、プロトタイプ、プリプロダクションモデルの製造に関しても多くの人が関わることになりますが、そういった人からの盗撮から情報を守り抜くことは容易ではなく、しかしフォードはそれをやり遂げるため、プロトタイプやプリプロダクションモデルに関してはパーツ単位で(社外はもちょろん社内でも)カモフラージュを行ったとされます。※さらにはウエブサイトを作成する人たち、カタログを作る人たち、その写真を取る人たちなどの目には偽装なしのマスタングがさらされることになるので、そういった人々への対策も必要
自動車メーカーの開発現場は常にリーク犯との戦いである
ちなみにですが、ある自動車メーカーは「リークの常習犯を突き止めるため」あえてリークしやすい環境を作り、そしてパーツや試作車を公開するグループをいくつかに分け、そして公開するグループごとに微妙に仕様を変えておき、リークされた後にその仕様をたどってグループを突き止め、そこから犯人を特定したといいますが、そこまでしなくてはならないくらいリークというのは自動車メーカーにとって深刻なことなのだと思われます。
新型マスタングに話を戻すと、結果的に直前までリークを阻止することができたものの、発表の「数時間前」にはリークされてしまい、これは直前までリークを防いだフォードの勝利だと考えて良いかもしれません(リーク犯は虎視眈々とリークのチャンスを狙っていたが、発表の数時間前までリークの機会がなかったということになる)。
参考までに、最近だとフェラーリ・プロサングエ、パガーニ・ユートピアが盛大にリークされていて、それらを大々的に拡散していたいくつかのインスタグラムアカウント(Cochepiasなど)は閉鎖に追い込まれてしまい、メーカーとしてもリーク犯そして拡散元に対して法的手段に出ている、ということも推測できます(拡散元がリーク情報を買わなければリークする意味もなくなるので、有効な手法だと言える)。
おそらくは今後も自動車メーカーとリーク犯との果てしなき攻防戦が続くことになるかと思われますが、両者ともあの手この手で対策を考えることなりそうですね。
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