| ポルシェは自社のクルマの価値を可能な限り高い状態にて、長く残すことに注力している |
この動きは様々な自動車メーカーにも拡大中
さて、ポルシェのクルマは頑丈なことで知られ、生産したクルマのうち70%が今でも路上を走っているといいますが、その理由はもともと持っている頑丈さに加え、しっかりしたパーツ供給体制、そして整備体制にあるとも考えられます。
これまでにもポルシェは様々なパーツの復刻に加えパーツリストの供給などを行っていますが、今回は新しく車両ドキュメントサイトを立ち上げ、オンラインにて車両生産時の詳細を記した「ポルシェ生産仕様(PPS)」レポートを請求できるようになった、とのこと。
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PPSとはこんな書類
そこでこの「PPS」についてですが、これにはオプション装備、外装および内装色、エンジンおよびトランスミッションのタイプ、生産完了日、メーカー希望小売価格(せってされている場合)を含む、車両のオリジナル情報がが含まれており、このサービスは、すべてのポルシェのVIN(車台番号)に対応しているのだそう。
つまりポルシェはその歴史が始まって以来、今まで生産した車両全ての情報を持っているということになりそうですが、中古車でポルシェを購入し、しかも改造されていたりハンパにレストアされている場合、「オリジナルの仕様がわからない」といったケースもあると思われ、そのような場合には非常に有用なサービスだと思われます。
ポルシェはさらに「クラシック技術証明書」も提供
なお、ポルシェはこのポルシェ生産仕様(PPS)のほか、「クラシック技術証明書(CTC)」も提供しているといい、しかしこちらは実際にディーラーへと出向いて車両の確認とともに請求を行う必要がある、とのこと。
ただしディーラー(クラシックモデルを扱う資格があるディーラーだけだと思う)では、自身のクラシックポルシェに対応するパーツの在庫があるかどうか、車両を実際にチェックしてどこがオリジナルではないのかなどを判断できるテクニシャンが車両を点検してくれるといい、エンジンやトランスミッションの製造番号が車体製造時の記録と一致しているかどうか(いわゆるマッチングナンバー)も確認してくれるようですね。
このクラシック技術証明書(CTC)は内装、外装、駆動システム、下回り、サスペンションの技術的な評価が含まれ、このプロセスではプロフェッショナルによる写真が撮影され、さらにこのレポートは「スマートなパッケージ」に入っており、車両の価値を大きく上げてくれること間違いなし。
ちなみにですが、もちろん両方とも有償となり、ポルシェ生産仕様(PPS)が125ドルであるのに対し、クラシック技術証明書(CTC)は500ドルという価格に設定されています。
なお、最近はポルシェ以外でもこういった「クラシックモデルの価値を高める」活動を行う自動車メーカーも多く、ジャガーやメルセデス・ベンツ、そしてBMWも自社にてクラシックカーのレストア部門を持つほか、ランボルギーニ、フェラーリも同様であり、さらにはマセラティやアルファロメオも同様のサービスを開始した、と報じられており、より良いコンディションにて将来のためにクルマを残してゆこうという動きが広まっているもよう。
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日本においても、マツダが初代ロードスターのレストアサービスを開始したほか(ただしハードルが高い)、日産やトヨタ、ホンダでは、いったん製造を終了したクルマのパーツを再生産するといったプロジェクトも進行していますね。
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