| X5はBMWにとっても非常に重要なモデルだけあって力の入った改良に |
そのデザイン、装備が「最新世代」へとアップデート
さて、BMWが予告通り新型X5とX6を発表。
新型といってもフルモデルチェンジではなくフェイスリフトモデルということになりますが、BMWはフェイスリフトについてLCI(ライフ・サイクル・インパルス)と呼んでいます。
今回のLCIにつき、その概要としては「スタイリングの変更」「内装には新しいBMWカーブドディスプレイ採用」「直列6気筒とV8エンジンに48Vマイルドハイブリッド技術を搭載」「M50iのバリエーションをM60iに変更」「PHEVであるX5 xDrive50eのエレクトリックモードでの航続距離が65kmに拡大」といったところがアナウンスされており、ここで詳細を見てみましょう。
新しいBMW X5はこうなった
そこでまず新型X5。
X5はBMWが最初に発売したSUVであり、メインとなる北米市場だと82,372台を販売してトップセラーとなっています(X6は13,676台)。
よってBMWにとって非常に重要なモデルであるのは間違いなく、さらに他社もベンチマークとするひとつの指標でもあり、今回のLCIではかなり力を入れてきたということがわかります。
外観から見てゆくと、X5のヘッドライトは(先に行われた3シリーズのフェイスリフト同様)細くスマートになり、デイタイムランニングランプは「矢印型」に。
この矢印型はテールランプ他にも採用されており、今後のBMWにとって非常に重要な要素となるのかもしれません。
なお、BMWはこれまでデイタイムランニングランプに「円形(イカリング)」を採用し、それが六角形になったのち、その六角形の一部を切り取ったデザインへと変更され、そしてそれが今回「ニ辺のみ」を残した矢印になったというわけですね。
ただ、これによって、今まで「前後ランプの発光グラフィックに共通性を持たせることができなかった」という問題を解決することが可能になり、発光時にその印象を(前後で)シンクロさせることができるようになっています。
そのほかキドニーグリルが新しくなっているものの、そこまで大きくなっておらず、これはBMWが「(X5は量販モデルということもあり)一般性」を意識したためなのかもしれません。
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ただしグリルフレームの周囲はより立体的なデザインとなり、オプションとして(X5ではじめて)イルミネーショングリルが用意され、フロントバンパー全体はよりシャープに、そして他の最新モデルとも共通する縦型エアカーテンが採用され、そしてロワーグリルとバンパーのエッジとで「三角形」を形成するように。
なお、このテールランプは「光ファイバー」を用いたものだといい(破損して交換するとなるとかなり高くつきそうだ)、ティーザー動画ではアニメーション表示が可能であることが確認されています。
リアセクションについて、フロントほどではないにせよシャープで立体的、そして彫刻的な印象へと変化しており、Mスポーツパッケージ(シャドウライン・トリムや台形テールパイプなどが装備される)の装着によってさらにアグレッシブなイメージへと変化するようですね。
プラグインハイブリッド版のxDrive50e PHEVでは、3.0リッター直列6気筒エンジンとエレクトリックモーターの両方に改良の手が入り、トータル出力は483psへ(このエンジンは、吸気バルブの開弁時間を短くした効率的なミラーサイクル型となっている)。※X6にはPHEV版が用意されていない
xDrive50eはわずか4.6秒で時速60マイル)96km/h)に到達するという俊足をほこるうえ、エレクトリックモードのみの航続距離は40マイル約65キロという環境性能を持つとアナウンスされており、新しく採用されるエレクトリックモーターの出力は従来よりも83馬力多い194馬力。
バッテリーは25.7kWhのリチウムイオン(従来よりも25%容量が大きい)。
インテリアでは、X5、X6ともに数々のアップグレードが施されており、「デジタルBMWカーブド・ディスプレイ」は12.3インチのインフォメーション・ディスプレイと14.9インチのコントロール・ディスプレイを曲面ガラス内に配置しており、これを動かすのはBMWオペレーティング・システム8です。
BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントには自然な音声ガイダンスや様々な操作項目が追加されており、ナビゲーション・システムの機能拡張、ドライビング・アシスタンス・プロフェッショナル・パッケージ(オプション)といった機能の追加もアナウンスされています。
ちなみにスカッフプレートにも「矢印」。
新しいBMW X6はこう変わった
そしてこちらは新型BMW X6 LCI。※画像はX6 M60i
内外装の変更内容、パワートレインの変更はX5と同じですが、レンジトップモデルのM60iだとキドニーグリル内にはダブル・バーとMロゴ、ハイグロス・ブラックのMエクステリア・ミラー・キャップ、4本出しのテールパイプ、ハイグロスブラック仕上げののリアスポイラーも装備されています。
X6 M60iにはアイル・オブ・マングリーン(X5 M60iにはマリーナベイブルーメタリック)、そしてサンダーナイトメタリックが新しく用意されていますが、標準モデルにはブルーリッジ・マウンテン、ブルックリン・グレー、スカイスクレイパー・グレー、フローズン・ピュアグレー等のメタリックカラーが追加されることに。
X6/X5ともにパワートレインに変更があり、48Vマイルド・ハイブリッドが導入されていますが、3.0リッター6気筒ターボエンジンそのものの出力は40ps向上し、最高出力375psを実現していますが、このパワーアップ達成については「マイルドハイブリッドの採用で、エミッション規制に対応する余裕ができた」ため、そのぶん出力を引き上げることが可能になったからだと思われます。
エンジンそのものには、インジェクション、燃焼プロセス、カムシャフト制御、点火システム、排気ガス経路に関するアップグレードが施され、8速ステップトロニック・スポーツ・オートマチック・トランスミッションにエレクトリックモーターが組み込まれることになりますが、このモーターによってさらに12psを上乗せすることが可能となっており、よりスムーズなオートスタート/ストップ機能とコースティング機能が可能になったとアナウンスされています。
そのほか、インテグラル・アクティブ・ステアリング(いわゆるリアアクスルステアリング)がM60iの全モデルに標準装備され、特定の条件下で後輪が前輪と逆方向に回転することで、俊敏性と利便性を向上させることが可能に。
ホイールは20インチが標準ですが、21インチのパフォーマンス・ランフラットタイヤと22インチのパフォーマンス・ノンランフラットタイヤがオプションにて用意されています。
このほか、ユニークな機能としては新しい「マヌーヴァー・アシスタント」が挙げられ、駐車の開始位置を記憶させることで駐車がより簡単になったほか、ダッシュボードにはBMWの最新のレザー形成素材であるセンサフィン(Sensafin)が採用され、結晶表面構造を持つ新型アンビエント・ライト・バー、新しいセンター・コンソール・コントロール・パネルにトグル・ギア・セレクターなど、細部に至るまで高級感を追求した仕様変更が行われており、これまでBMWが弱かった「プレミアム感」を補完して余りある変更が加えられているようですね。
新型BMW X5/X6のプロモーション動画はこちら
参照:BMW