| ランボルギーニは60周年記念の折、予想外の展開を見せてきた |
他ブランドが「過去」をオマージュするのに対し、ランボルギーニは強く未来を意識
さて、ランボルギーニは今年で創立60周年を迎え、様々なイベントの展開を予告しています。
そして今回公開されたのが、造形作家である池内啓人(HIROTO IKEUCHI)とのコラボレーションによるウラカンSTO。
ランボルギーニは60周年記念ロゴを商標登録すると同時に、そのテーマ「The future began in 1963(未来は1963年にはじまった)」を掲げており、今回の池内啓人とのコラボレーションのプロジェクト名は「Chasing the Future」と名付けられ、そこで誕生したのがこの「ウラカン STO Time Chaser_111100」というわけですね。
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ランボルギーニは60周年の今年、様々なイベントを企画しているようだ!2月には日本で、その後は世界各地にてツーリング等が開催され、11月には大規模国際イベントも
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ランボルギーニは世界中のアーティストとのコラボレーションを展開予定
ランボルギーニは60周年を記念して、53カ国にある180のディーラーネットワークとともに、それぞれ異なるマーケットにおいて「国際的に有名なアーティストとの協業による横断的なプロジェクト」を展開するとしていますが、ここでは過去、現在、そして未来をテーマに、ランボルギーニを常に際立たせてきたコアバリューを”あらゆる形”で探求するとしています。
このウラカンSTO タイムチェイサー_111100の発表に際し、ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は「60周年という記念すべき年に、IKEUCHIと一緒にこの芸術作品を発表できることを大変誇りに思います」とコメント。
加えて「ランボルギーニ・ウラカン STO タイムチェイサー_111100は、伝統と革新、過去と未来を見事に融合させ、ランボルギーニの価値観を完璧に体現しています。ランボルギーニは、60周年という節目に、大胆で型破りなブランドとして、挑戦を絶やすことなく成長を続けていくことを約束します」ともコメントしており、実車は東京にて発表される、とのこと。
ボディカラーはマットホワイト(もしくは薄いグレー)、そしてドアはマットグレー。
フロントフードには「60」のバイナリコード、「111100」、そして未来っぽいグラフィック。
ランボルギーニ・ウラカン STO タイムチェイサー_111100最大の特徴はこのリアフード、そしてその上に載った物体。
池内啓人は2010年代初頭にアートシーンに彗星のように登場し、その比類なき才能は瞬く間に世界中の注目を集め、(バレンシアガなど)世界的に有名なブランドや影響力のあるアーティストとのコラボレーションを次々と行っています。
サイバーパンクやロボットアニメにインスパイアされたという作風を持ち、「プラモデルと工業製品のパーツを組み合わせた、従来の機能性にとどまらない未来像の創造」を視覚化することを得意としていますが、このランボルギーニ・ウラカン STO タイムチェイサー_111100においても、同氏の創造性がいかんなく発揮されているようでもありますね。
今回のコラボレーションモデル制作に関し、池内啓人は「ランボルギーニのようなブランドと、特に60周年記念としてコラボレーションできることを大変光栄に思っています。ランボルギーニ社は、私が芸術活動で行っているように、常に未来を形作るために努力し、現状に挑戦しているブランドなのです。タイムゲイザーとタイムチェイサーは、過去の記念モデルのオリジナルパーツを組み合わせて作られたもので、ランボルギーニの歴史を過去から祝い、将来も長く生きられるようにとの願いが込められています。ランボルギーニのオーナーをはじめ、多くの方々に、進化し続けるブランドの次の章を記念するアート作品として、このコラボレーションを楽しんでいただけたらと思います」とコメントし、今回の作品はまさに過去と現在、そして未来とを組み合わせたものだと言えるかもしれません。
このランボルギーニ・ウラカンSTO タイムチェイサー_111100は、池内啓人のテーマである”サイバネティックス”とランボルギーニの60年の歴史が見事に表現された、世界に一台しかない限定モデルであり、常に時代の先端を行くという両者共通の価値観を持ち、創造性と本物の表現を通じて過去のルールを打ち破ることを表現しています。
現在多くの自動車メーカーが過去にイマジネーションを求めており、フェラーリも「回顧調」デザインを(一部)取り入れ、それはポルシェも同様です。
ただしランボルギーニはそれらブラントは対象的に「未来」を強く意識したデザインを取り入れていて、「我々に必要なのは、小さなバックミラーと、大きなフロントウインドウなのです」とコメントしたことも(つまり過去を見るのはちょっとだけでよく、重要なのは目の前に広がる未来である)。
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なお、内装(サイドウインドウ内側)には60周年記念ロゴ。
ランボルギーニは多くの場合、ここへ記念プレートを装着していますね。
ランボルギーニ「タイムゲイザー」も同時発表
ランボルギーニ・ウラカンSTO タイムチェイサー_111100と同時に発表されたのが「タイムゲイザー(Time Gazer)」。
これはランボルギーニ・カウンタック25thアニバーサリー、ランボルギーニ・ディアブロSE30、ランボルギーニ・ムルシエラゴ40thアニバーサリー、ランボルギーニ・アヴェンタドールLP-720-4 50thアニバーサリーという過去の記念モデルのパーツを使用して制作したものだと紹介されています。
こちらもやはり池内啓人とランボルギーニとに共通するテーマ、すなわち「時間」と「永遠性」を最大限に追求したもので、ランボルギーニの進化というレンズを通して過去、現在、未来のビジョンを凝縮した大規模なアートピース。
ランボルギーニの日本法人代表、ダビデ・スフレコーラ氏は「日本の未来を代表するIKEUCHIとこのような貴重なコラボレーションができたことを大変うれしく思います。
壊れたマザーボード、プラスチック、電気配線が複雑に組み合わされ、サイバーパンクの終末的な美学を確立している彼は、数千年の伝統と現代文化に恵まれた日本において、人間とテクノロジーのつながりや関係を増幅させているのです。そこには、あらゆる形の芸術に対する大きな情熱があり、それは必然的に日常生活の中にさえも溶け込んでいます。色彩豊かな国のブランドにとって、このコラボレーションは、日本とランボルギーニをさらに強く認識させることに貢献するでしょう」とコメント。
このランボルギーニ・ウラカンSTO タイムチェイサー_111100、そしてランボルギーニ・タイムゲイザーについては「ワンオフ」だとされ、もちろん販売されることはないかと思いますが、ほかの国や地域のアーティストとの協業による作品が出揃った後、もしかするとチャリティオークションにかけられる等、購入の機会が訪れるかもしれませんね。
アーティストについて
IKEUCHI
1990年東京生まれ。
多摩美術大学情報デザイン学科卒業。学生時代はプラモデル制作に明け暮れる。卒業制作では、最も身近な存在であるコンピュータの内部が秘密基地のように見えるという発想から、プラモデルを組み合わせたハイブリッドジオラマを制作した。第17回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞受賞後、世界最高峰のメディアアートイベント「アルスエレクトロニカ」に招聘され、有名ファッションブランドのキャンペーンビジュアルを手がけることになる。その作品は国内外から高い評価を得ている。
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参照:Lamborghini