| 見たところ、ICONAシリーズは特別な生産ラインにて作られているようだ |
フェラーリの工場はほかのスポーツカーメーカーに比較すると「手作業」が多いもよう
さて、フェラーリの工場内にて、フェラーリ各モデルが生産されてゆく風景を捉えた動画が公開に。
動画ではF8系、ローマ、296GTB、FS90ストラダーレ、モンツァSP1/SP2等が製造される風景、そしてエンジンの製造やボディの塗装といった過程も見ることが可能です。
これまでに公開されたスポーツカーの工場、たとえばポルシェやランボルギーニに比較するとかなり「人力」「手作業」による部分が多いように思われ、しかしそれは「フェラーリならでは」といった部分なのかもしれません。
ここでその様子を見てみましょう。
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フェラーリ・モンツァSP1/SP2はこうやって作られる
そこでまずこちらはモンツァSP1/SP2の製造風景。
動画を見るに、カタログモデルとは全く異なるラインで生産されているようで、ICONAシリーズは専用の生産工程を経るもよう。
そしてこのラインは「リネア・セリエ・スペチアーレ」、つまり「スペシャルシリーズ・ライン」と命名されています。
なお、ICONAシリーズ、テーラーメイド車両はフェラーリの工場内ではなく、別途カロッツェリア・ザナシにてボディのペイントが行われると言われていますね。
こちらはホイールの取り付け。
カタログモデルとは異なり、ここも手作業にて行われているもよう。
動画ではほかにシートなど内装の取り付けを行う様子が収められています。
フェラーリの「通常モデル」はこうやって作られる
そしてこちらはフェラーリの通常(カタログ)モデルの生産風景。
記念限定モデルはカーボンモノコックを採用することがほとんどですが、通常モデルではこんな感じでアルミの押出材やプレスによって整形されたパーツを溶接してゆきますが、この工程はロボットが担当することに(このあとのパネル同氏のギャップ調整、表面の研磨などは人力で行っている)。
こちらはSF90ストラダーレのホワイトボディ(ドンガラ)。
フェラーリの車体構造はポルシェ、ランボルギーニ、マクラーレンとは異なってちょっと特殊な部分があり、フロントだと先端の左右や下部に細いチューブによる立体構造が見られます(ほかブランドのクルマではこういった構造を見たことがない)。
こちらは296GTBのリア。
やはり細いフレームのようなものが見え、やっぱりこれは他のスポーツカーでは見たことがない構成です。
そしてここからは塗装。
まずは塗装が薄くなりがちなエッジ部分、ロボットの可動域の関係で塗りにくい部分は先に職人の手によって塗られることに(ポルシェだと、塗装はすべてロボットによる全自動で行われる)。
その後はロボットによって全体にペイントがなされます。
そしてこれはリバリーを入れるためのマスキング。
マスキングを行った後、職人によってストライプが再現され・・・。
マスキングを剥がしてゆくとこう。
この後にクリヤーがペイントされ、さらにマスキングによる段差を消すために研磨が行われたのちにまたクリヤー、という工程をたどるものと思われます。
こういった作業を行うため、フェラーリのリバリーはおおよそ200万円くらいからという価格設定を持つわけですね。※ポルシェだと殆どの場合、リバリーはステッカーによって再現されている
ちなみにですが、フェラーリの塗装はいわゆる「ゆず肌」がほとんどなく、最後のクリアーを吹く前に研磨をもう一度行っているのかもしれません。
フェラーリはエンジンも手作りだった
なお、フェラーリがもっとも魂を込めているのが「エンジン」。
フェラーリが発行する新型車のプレスリリースは何をさておいてもエンジンから始まっているのですが(他の多くの自動車メーカーでは環境性能から先に述べている)、それだけフェラーリは「エンジン推し」ということに。
そしてエンジンの製造においてはサプライヤーからパーツを購入するのではなく、やはり手作業によって自社生産を行っているようですね。
エンジンブロックはサンドキャストによる鋳造となっていて、こちらは以前にジェームズ・メイもその工程を紹介してくれています。
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部位によってはCNC加工を行い、その精度をチェック。
人力によって加工を行う部分も。
その後はハンドメイドによるエンジンの組み立て。
こちらはSF90ストラダーレ用のハイブリッドユニットを組み込んだエンジン。
そのほか動画では内装の組み立てや・・・。
ホイールの装着(5本のボルトを同時に締め付けるマシンがスゴい)、そして・・・。
各パーツの取り付け風景も。
やはり、いずれも他社に比較して「人力」による部分が多いようですね。
内装パーツを加工する様子も収録されています。
フェラーリの工場にて車両が生産される様子を収めた動画はこちら
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