| ディアブロが本来持つ荒々しさに加え、最新の機能やデザイン、そして素材によるラグジュアリーがプラス |
これぞまさに究極のレストモッドだと言えそうだ
さて、先日その製作がアナウンスされたランボルギーニ・ディアブロのレストモッド。
これは家具の製造販売にて財を成し、そしてランボルギーニのワンメイクレース「スーパートロフェオ」のドライバーでもあるエマニュエル・コロンビーニ氏が設立したエキセントリカ(Eccentrica)なる会社が手掛けるプロジェクトです。
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ただ、実際に車両のデザインや製作を行うのは「ボロメオ&デ・シルヴァ・デザイン」であり、このデザインハウスはこれまでにもランチア・デルタのレストモッド「フューチャリスタ」を成功に導き、最近ではポルシェ928のレストモッドも公開するなど実績のある「実力派」。
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ランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロはこんなクルマ
そこでエキセントリカによるランボルギーニ・ディアブロを見てみたいと思いますが、「全てのボディパネル、全てのインテリア要素を刷新し、メカニズムも刷新することで、現代のスーパーカードライバーの要求に応える」ことを目指したプロジェクト。
そのインスピレーション元は(サーキット走行専用モデルの)ディアブロGTRだといい(たしかにフロントフェンダーやテールパイプにはその影響を見て取れる)、すべてのボディパネルが、より滑らかに、より機能的に、より軽くなるように変更されています。
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たとえばフロントグリルだと、(オリジナルのディアブロでは)エアを取り込むといった役目がメインであったものの、このエキセントリカ・ディアブロでは「取り入れたエアを冷却に使用するのはもちろん、効率よく排出してダウンフォースの向上に活用する」といった現代的な考え方に基づいて再設計がなされています。
ランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロのディティールは「芸術的」
なお、細部にはカーボンファイバーや・・・。
3Dプリンタにて出力されたパーツが使用されており、その形状は非常にシャープで、かつ未来的な雰囲気も。
なお、ランボルギーニが好んで用いる「ヘキサゴン」も取り入れられています。
そしてNACAダクトや・・・。
跳ね上げ式マフラーといった、ディアブロGTRに見られる要素も再現。
しかしそれらを構成するパーツ一つ一つが芸術品のような美しさを持っています(エキゾーストシステムはカプリスト製、そしてテールパイプはアルミ合金製)。
ランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロは機能と美観を両立
そしておそらく、このランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロのハイライトのひとつがヘッドライト。
ヘッドライト非点灯時はこういった感じで「全閉」、そしてバー状のLEDランニングランプが光ります。
ただしヘッドライト点灯時にはカバーのような部分が下がってランプユニットが露出します(エキセントリカでは、これをポップダウンヘッドライトと呼んでいる。アストンマーティン・ブルドッグの構造に似ている)。
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なお、全長は変わらず、しかしオーバーハングが短くなっているというので、ホイールベースが延長されていると考えていいのかも。
ホイールもやはりディアブロGTRにインスパイアされた5本スポーク、そして19インチ。
上から見ると「縦横比」が正方形に近く、リアがとんでもなく幅広ということがわかります。
なお、リヤサイドウインドウとその後ろのインテーク、エンジンフード上のインテークとパネル形状など、「角度」における整合性が重視されていることも見て取ることができ、これらは視覚的にも品質の高さ、高性能を主張しているようにも感じられます。
搭載されるエンジンはもともとの5.7リッターV12をベースとしており、しかしバルブとカムシャフトが変更されて最高出力は550PS/600Nm)へ。※ベースモデルに比較してプラス58馬力
現時点では正確な車体重量が算出できていないものの、予想パワーウエイトレシオは2.9、そして(これも想定ですが)0-100km/h加速3.5秒、最高速は335km/hというスペックを誇ります。
そのほかの装備だと、ブレンボ製6ピストンブレーキキャリパー、スリット入りローター、ピレリPゼロトロフェオRタイヤといったものがアナウンスされていますが、これらによってストッピングパワーが20%向上し、横方向のグリップは1.2Gにも達するのだそう。
ランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロのインテリアはこうなっている
そしてこちらはランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロのインテリア。
やはりインスピレーション元はディアブロGTRだとされ、よってモータースポーツを意識しつつ、そこの「ラグジュアリー」がプラスされることに。※サウンドシステムはマランツ製らしい
インテリアのメイン素材はレザーにアルカンターラ、そして外装同様にカーボンファイバーとチタン。
全般的に、(外装同様)もともとの丸みを帯びたデザインから直線を用いたシャープなデザインへと変更されているようですね(それでも、明確なエッジを排除するなど、オリジナルのディアブロの雰囲気が生かされている)。
ステアリングコラムはディアブロGTRを意識したカーボン製、そしてレザーにはシボ感のある素材が採用されています。
メーターは1970年代のコンセプトカーに良く見られたようなデジタル表示を持ち、シフトノブはこれまた芸術品のような仕上がりに(3Dプリンタでないとこの形状を再現するのはむずかしそう)。
そしてステアリングホイールの「裏面」も芸術的。
そしてこのランボルギーニ”エキセントリカ”ディアブロは実際に19台のみが発売され、製作期間は16カ月から18カ月、価格は120万ユーロ(現在の為替レートにて約1億9000万円)。
仕様についてはオーナーが自由に選ぶことができ、「同じ仕様の車両が2台とないように」調整される、とアナウンスされています。
すでに第一号車(プロトタイプ)は完成しており、今月末にグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに、さらにその後にはモントレー・カー・ウィークに向かう予定であることも言及されており、今後様々なレビューが登場することになりそうですね。
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