| マクラーレンではCEOが交代したのち、品質に対する要求が非常に高くなっている |
アルファロメオでもCEO交代後、品質に納得できずにトナーレの生産開始が延期されている
さて、マクラーレン・アルトゥーラが(報じられている範囲では)4度目の納車延期。
もともとアルトゥーラは2021年2月に発表されており、しかし度重なる生産遅延を経て2022年7月に生産開始、2023年5月に納車開始予定とされていたものの、今回さらに納車が4ヶ月先に延ばされて9月になると報じられています。
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マクラーレン・アルトゥーラの生産遅延の理由は一つではない
今回の延期について、マクラーレンのスポークスマンであるロジャー・オルミッシャー氏は「アルトゥーラの品質管理を徹底するために、我々は一時的に生産を遅らせています」とコメントしており、これは少し前にマクラーレンの新CEO、マイケル・ライタース氏が「これからは品質に妥協しない」と語った内容とも一致していて、その際に同氏が語ったのは以下のとおり。
私がCEOへと就任した後、「過去のマクラーレンは、完成されていない状態の製品を発売し、そのまま顧客に提供することがあった」という話を内部から聞き、たいへんなショックを受けました。
ただ、アルトゥーラは、それをしなかった最初のプロジェクトです。クルマが熟成されていないことがわかったので、生産をストップしたのです。これ(発売延期)を行うことは、会社の財務状況を悪化させるリスクを伴いますが、私たちが行った非常に重要な変更でもあります。販売店やお客さまに伝えるべき重要なメッセージ、それは、これからは品質が重視されるということです。もう、”このクルマはすごく速く走るから、魅力的だから、多少の品質の問題は許してね”とは言いません。もう、そうではないのです。
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アルトゥーラのプロトタイプが炎上した例も
アルトゥーラにいったいどういった問題があったのかというと、少し前にはマクラーレンの製品戦略担当ディレクターであるジェイミー・コルストルフィン氏がこれについて触れており、同氏によれば「あるコンポーネントがテスト中に故障し、量産前のプレステスト車が炎上したこと、ソフトウェアの不具合や、パンデミックによるサプライチェーン問題」といった複数の課題について言及し、マクラーレンがいくつかの事象を解決しなければ先に進めない状態にあることを示唆しています。
そして今回「4度目の延期」となったのは、これらの問題を(タイムリミット内に)解決できなかったからだと考えてよく、しかし新CEOはそれだけ品質に対して高い要求を行っていると考えていいのかもしれません。
なお、マクラーレン・アルトゥーラは同社の次世代プラットフォームを採用し、フェラーリ296GTBと競合する「マクラーレンが電動化を進めるに際しての重要なモデル」。
発表自体はフェラーリ296GTBの4ヶ月前に行われたものの、未だデリバリーが行われず、よってマクラーレンにとっては不本意な状況であるとも思われますが、さらに状況を悪くしているのが「度重なる生産延期による注文のキャンセル」。
さすがにここまで納車が伸びてしまうと顧客としてもキャンセルしたくなるのは「もっとも」で、そしてこれがマクラーレンに対して財政上のネガティブなインパクトを与えるのは間違いなく、マクラーレンとしては、一刻も早い生産開始と納車を行うべく、全力を上げて課題解決に取り組んでいるものと思われます。
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参照:Automotive News