| 資金難にてブランニューモデルを開発できず、しかし何もしないわけにゆかない日産としては「これしかない」のかも |
既存モデルのリブートならびに高付加価値化が現在の日産の主な戦略だと考えられる
さて、日産が(なんらウワサのないまま)突如として「ナゾのニスモモデル」のティーザーキャンペーンを開始。
発表は8月8日なので「あと数日」ということになりますが、今のところまったくその手がかりがなく、しかしシルエットを見るに「スカイライン」をベースに舌モデルである可能性が高そうです。
なお、現在のニスモラインアップとしてはリーフ、ノート・オーラ、GT-R、そして最近発売されたばかりのフェアレディZが存在しますが、今回のニューモデルはこれらに加わる新たなメンバーということになりそうですね。
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日産は「手軽に利益を獲得できる方向」へ?
日産は色々と苦しい状況が続いているということもあり、各モデルのライフがかなり長く、つまりはモデルチェンジできていない状態です(意図せずにロングライフ化したモデルも多いのかも)。
R35 GT-Rは2007年からフルモデルチェンジを迎えておらず、フェアレデイZについても現行モデルは「2008年に登場した6代目Z34」の大幅アップデート版に留まり、(形式を変更しなかったのは、認定に関わるコストを抑えたかったからだと思われる)、スカイラインだとその登場は2014年。
つまりGT-R、フェアレディZについては非常に長い間フルモデルチェンジを行わずになんとか延命し、しかし「GT-R」「Z」、さらにはNISMOというブランドバリューに大きく依存した戦略を採用している状態だとも考えていますが、GT-R NISMOの価格はなんと28,650,600円、フェアレディZ NISMOだと9,200,400円に達していて、しかしいずれも非常に入手が難しいほどの人気モデルとなっているわけですね。
よって日産が「なんとか既存ラインアップから利益を捻出できないか」考えたとき、NISMOラインアップを増加させようと考えるのは至極当然の流れであり、スカイラインそのものの活性化とあわせ、今回「そうだ、スカイラインにもニスモを設定しよう」と考えたのではないかと推測しています。
ただ、ぼくはこういった戦略についてネガティブに捉えているわけではなく、企業としての体力を維持し、しかしなんらかの手段によってプレゼンスを高めるには「いま日産ができる最大限のこと」だとも考えていて、なにもしないよりはずっといい、とも考えているわけですね(実際のところ、R35 GT-R NISMOのパフォーマンスには目を見張るものがある)。※新型車を開発するお金がなく、何もできずにジリ貧になった自動車メーカーや、新型車の開発にコストをかけすぎて経営が傾いた自動車メーカーは少なくない。その意味で日産はうまくバランスを取っている。最も重要なのはなんとしても生き残ることである
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しかしながらその改良の範囲は大きくない?
ただ、いかにニスモ各モデルが「高利益」だとしても販売台数そのものが多いわけではなく、よって日産全体に与える利益的インパクトは大きくないという可能性も(一方、宣伝効果としては非常に高い)あり、そう考えると日産はもとから販売台数の少ないスカイライン、そしてさらに販売の間口が狭くなるであろうニスモに大きなコストを投じるとは考えにくく、リーフ、ノート・オーラと同様の「小幅変更」に留めるのではとも考えられます。※本心としては、2018年に企画されたインフィニティQ60プロジェクト・ブラックSのようなクルマを期待したいところではある
しかしいずれにせよ、「ハイパフォーマンスセダン」という”国産車から失われて久しい”カテゴリに新規参入があるのは喜ばしいことであり、その発表を心待ちにしたいところですね。
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参照:NISSAN