| 近年は、ガレージにクルマをしまっておくのではなく、積極的に乗ってその様子を公開するオーナーの評価が高まっている |
やはり設計したエンジニア、発売する自動車メーカーとしても「クルマは乗ってナンボ」だと考えるだろう
さて、アストンマーティンにてCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)を務めるマレク・ライヒマン氏によれば「できればヴァルキリーのオーナーには、ヴァルキリーをガレージから引っ張り出して公道を走らせて欲しい」。
こういったハイパーカーは非常に資産価値が高いため、多くのオーナーは「走行距離を伸ばしたくない」と考え、ガレージにずっと飾りっぱなしにするものですが、逆に一部のオーナーは積極的に自身のハイパーカーを公道にて走らせ、より多くの人の目に触れる機会を作ることでも知られます。※米ハイパーカーコレクター、マニー・コシュビン氏もそういった一人である
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アストンマーティン「最終的にどうするかは顧客次第である」
今回、マレク・ライヒマン氏が語ったのが以下の希望であり、同氏は単にコレクションとしてヴァルキリーを保管するのではなく、公道上へと”野獣”を解き放つことを奨励している一人であるようです。
最終的にどうするかは顧客次第です。もし彼らがヴァルキリーを買ってガレージに飾りたければ、それは素晴らしいことです。でも、みんなヴァルキリーの雄叫びを聞きたいし、見たいと思うでしょう。トンネルを駆け抜けるヴァルキリーの動画をインスタグラムで見たいですよね。だから私たちはヴァルキリーを作るのです。みんなに楽しんでもらいたい、そう考えているのです。
たしかに同氏の言うことは核心を突いており、SNSが普及した今、自慢の愛車を空調管理されたガレージに置くだけでなく、”それ以上のことをしている”人たちへの評価が高まっているのもまた事実(以前のように、SNSにこういったクルマをアップしたとしても、”見せびらかしている”として非難される傾向が弱くなった)。
数億円というハイパーカー、そして自動車メーカーが技術の粋を集めて作った芸術作品のようなクルマを所有することが威信と贅沢の象徴であることは間違いないものの、これらの素晴らしいマシンの真髄は、日常的に、あるいは週末に趣味の車として「運転できる」ということにあり、ここがまた一昔前のスーパーカーとは大きく異なるところです。
たとえばちょっと前のスーパーカーは運転そのものが非常に難しく、また信頼性と安全性を欠くことも少なくはなく、しかし今では「時速300キロオーバー」というポテンシャルを持つスポーツカーであっても(テクノロジーの進歩の恩恵によって)誰でも簡単に運転できる時代となったわけですね。
そしてもちろん、それを設計した人々も「より手軽にスーパーカーやハイパーカーの性能を楽しんで欲しい」と考えてフレンドリーな設計としているはずで、そして自動車メーカーはそういったクルマを「芸術作品としてではなく、自身のクルマとして走らせることでオーナーの五感を刺激し、そして比類なきドライビング・エクスペリエンスを提供すること」を想定しているのだと思われ、さらに言えばSNSやイベントを通じ、その楽しさをより多くの人に共有しほしいと考えているのだと考えられます。
実際にアストンマーティン・ヴァルキリーを「普通に乗る」人々も
ただ、アストンマーティン・ヴァルキリーは「日常的なクルマ」とは言い難く、というのも乗降が困難なクルマの一台であり、室内は狭く、走行時はノイズに包まれるためにインカムつきヘッドホンなくしては隣の人と会話もままならないほどだから。
それでも一部のオーナーはこのクルマを普通に乗っているようで、マレク・ライヒマン氏いわく「すでに91,500kmを走行しているヴァルキリーのオーナーがいらっしゃいます。それを見るのはとても嬉しい。私たちはクルマに乗ってもらいたいと考えて設計を行っているので、その意図のとおりに使用してくれるのは大変に喜ばしいことなのです」。
ちなみにぼくは「保存しておこう」という意図はまったくないものの、基本的に「スーパーカーを持っているだけでほとんど乗らない」タイプなのですが(乗ってゆく場所も機会もない)、こういったコメントを見るに、「もっと乗らないとな」と思ったりする今日このごろです。
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参照:Top Gear