| 新型マクラーレンGTはさらにフレキシビリティが向上し、多様な要望へと答えることができるスーパーカーに |
新型マクラーレンGtno0−100km/h加速は3.2秒、最高速は326km/h
さて、マクラーレンが現行「GT」の上位モデルとして「GTS」を発表(現時点では置き換えなのか追加なのかはわからない)。
このGTは750S同様にカーボンファイバー製モノコックシャシー、そして4リッターV8ツインターボエンジンを持つものの、やや異なるセットアップを持っており、その方向性は「快適志向」。
「GT」のルーツを辿ると675GTへと行き着き、このモデルの発売を通じマクラーレンは「サーキット主体ではなく、ツーリングメインの快適なスーパーカーが欲しい」という需要が少なからず存在することに気づき、そこで「GT」を独立したモデルとして企画したと言われています。
よってマクラーレンGTは「ゴルフバッグが(形状にもよりますが)2つ乗る、快適にロングツーリングを楽しめるスーパースポーツ」という、他にはないキャラクターを持つクルマに仕上がっているわけですね(同じような性格を持つクルマとしては、価格帯が異なるもののコルベットくらいしかないと思う)
新型マクラーレンGTSはこんなスーパーカー
そこでこの新型マクラーレンGTSを見てみると、搭載されるのはおなじみ4リッターツインターボ(M840T)ではあるものの、最高出力635馬力、最大トルクは630Nにまで高められており、これによって(マクラーレンいわく)「クラストップのパワーウエイトレシオを実現」。
これら出力向上は主に点火タイミングと圧縮比の変更によってもたらされたそうですが、マクラーレンが強調するのは「630Nmという最大トルクが5,500rpm から 6,500rpmという幅広い領域で発生すること」。
これによって新型マクラーレンがGTが扱いやすいキャラクターを持つに至ったことは言うまでもありません。
現在のマクラーレンのCEOはポルシェやフェラーリにてカイエンやプロサングエの開発を担ってきたマイケル・ライタース氏ですが、同氏は「エンジニア出身」という背景を持つだけに品質には高いこだわりをもっており、これまでのマクラーレンとは全く異なる基準での製品開発を行うことで知られます。
よって、同氏がCEOに就任する前に開発されたアルトゥーラについては幾度の(改良のための)発売延期を繰り返しており、その甲斐あってようやく広くデリバリーされるようになった現在のアルトゥーラは「初期モデル」とは全く別モノのパフォーマンスを誇る、とも報じられていますね。
「真のスーパーカーのドライビング体験を求めるとき、GTSはそれを提供します。週末の遠出で荷物を積んで長旅をリラックスしたいとき、GTSは理想的な相棒です。これはマクラーレンのレーシングDNA に忠実な車ですが複数の要望を満たすだけの能力を備えています。
マイケル・ライタース
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マクラーレンGTは「クワイエットスタート」機能を内蔵
さらにマクラーレンは、この新型GTSにつき、「クラス最高のパワーウェイトレシオ」のほか、「純粋なレスポンス、そして信じられないほどの加速」についてもその特徴として掲げており、「パワーと落ち着きが同居するクルマ」だとも。
そして複数の異なる性格を演出するのが「アクティブ ダイナミック パネル(ドライブモード等の調整画面)」で、たとえばコンフォート モードを選択すると”クワイエットスタート”による始動音の抑制、そして快適なクルージングのためのより柔らかい排気音を発するようになり、 スポーツ モードまたはトラック モードを選択すると”脅威的なエキゾーストノート”とともに獰猛な性格へと豹変します。
そのほか、「満足のいく落ち着きとレース育ちのコントロール」を実現するための高度なエレクトロニック スタビリティ コントロール (ESC) 、他のマクラーレンと同様にブレーキ ステアシステム(内側の後輪を微妙に減速させてターンインを鋭くし、アンダーステアを軽減する)を備えていますが、これを実装することによって従来のリミテッド スリップディファレンシャルを必要としなくなり、機械的な複雑さと重量が大幅に軽減されたことについても言及されています。
現在まだまだマクラーレンは苦しい状況にあり、業績回復に向かって新たな一歩を踏み出したばかりではありますが、「ブランニューモデル」を開発するだけの余力に乏しく(しかし水面下では動いていると報じられる)、よってしばらくは既存モデルの改良版やバリエーション追加にて対応せばならない状態が続きそう。
よって当面「750S」「GTS」というラインアップにて戦ってゆくことになり、しかしこの大きく魅力がアップした「GTS」によって、その売上が向上することが大いに期待できるものと思われます。
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参照:McLaren