| やはり中国製EVのコストパフォーマンスは恐ろしいレベルである |
中国製EVは普及価格帯からプレミアムモデルに至るまで高い競争力を発揮している
さて、現在ロータスやボルボを傘下に収める吉利汽車が展開する高級EVブランド「Zeekr(ジーカー)」。
現在「X(クロスオーバー)」「007(セダン)」「009(ミニバン)」といったモデルを展開していますが、今回は2021年に発売されたZeekr 001のフェイスリフトバージョンを発表し、この3年に大幅な進歩を果たしたことをアピールしています。
新型Zeekr 001はトップレンジだと778馬力(580kW)、0−100km/h加速3.3秒、一回の満充電あたりの航続距離700km、更に高度な自動運転システムや28個のスピーカーを備えるオーディオシステムの搭載など、EVとしての性能はもちろん快適性も大きく向上させており、先日発表された新型ポルシェ・タイカン同様に「前モデルのオーナーに対して残酷なほどまでに」進化していますが、これはある意味でEVの宿命だと言えるかもしれません。
新型Zeekr 001はこう変わった
そこで今回発表された新型Zeekr 001を見てみると、リフトバックボディはそのままに、しかしそのスタイリングは先日発表された「1,000馬力オーバーの」ハードコアモデル、Zeekr 001 FRに近いものへ。
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具体的にはよりアグレッシブなバンパー、ルーフ上のLiDARセンサー、新しいリアスポイラーを備え、ボディカラーには公式フォトに見られる”オリーブグリーン”を新設定しています。
なお、全長4,977ミリ、全幅1,999ミリ、全高1,545ミリという大きなボディサイズはそのままですが、新しいZeekr001は800Vプラットフォームを採用し、このテクノロジーのおかげで、ピーク電力60 kWのV2V 充電をサポートすることが可能となっています(これは、Zeekr 001が平均的なDC充電ステーションの電力をもって別のEVを充電できることを意味する)。
さらにはこのプラットフォームによってZeekr 001は大幅に出力を向上させたほか、充電時間もぐっと短くなったとのこと(256km走行分を5分で充電できる)。
搭載されるエレクトリックモーターについてだと、Zeekr 001から拝借した416馬力の永久磁石電気モーターをリアアクスルに、4WDモデルだとフロントアクスルには362馬力の非同期誘導モーターが追加されています。
前後でモーターの形式が異なるのは「非同期誘導モーターのほうが渋滞時のエネルギー効率が高いから」で、4WDモデルでは渋滞時にフロントの駆動力を高めることで(ハイパワーにもかかわらず)より長い航続距離を確保しているわけですね。
そのほか、Zeekr 001は電動ドアとダブルチャンバーエアサスペンション、CDC連続ダンピング制御システムも搭載されており、快適性やハンドリングを大幅に向上させているそうですが、新型Zeekr 001の開発には中国人初のF1ドライバー、周冠宇が参加しているとのことで、Zeekrは先日の「001 FR」でのキミ・ライコネンに続きビッグネームを起用したということに。
新型Zeekr 001のインテリアはこうなっている
そしてこちらは新型Zeekr 001のインテリアで、Zeekr 001 FRと同様、新しいデジタルメーターとステアリングホイールが装備され、テクスチャの品質が向上しているほか、カラーリングも見直されています。
その他のアップデートとしてはシート振動機能、左右回転可能な15.6インチスクリーン、35.5インチの拡張現実ヘッドアップディスプレイ、Snapdragon 8295チップの搭載といったところがアナウンス済み。
そして前出の通り28スピーカーを備えており(前モデルでは8スピーカー)、システム合計出力はなんと3,000W(ヤマハ製)。
各ヘッドレスト (中央後部座席を除く) には2つのスピーカーが搭載され、10個の独立したセグメントを備えた”色が変化するパノラミックルーフ”の搭載も。
加えて、今年第2四半期にはNZPシティナビゲーションシステム、AVPパーキングアシスト、LCCシステムをサポートする先進的な自動運転システムが提供されるとのことで、もちろんこれを実現するだけのハードウエアも”実装済み”なのだそう。
新型Zeekr 001のグレードは「WE RWD(269,000元)」、「WE 4WD(269,000元)」、「ME 4WD(299,000元)」、「YOU 4WD(329,000元)」となっており、つまり日本円だと561万円〜686万円に設定されており、その内容を見る限りでは欧米の電気自動車に比較して「半額」といった印象も。
そしてZeekrブランドは世界進出を睨んだ展開を行っているということもあり、世界各地にて既存自動車メーカーのプレミアムEVを奈落の底に突き落とすことになるのかもしれません。
Check how @ZhouGuanyu24 plays with the new #ZEEKR001. Stay tuned for more! pic.twitter.com/9hSBkrt9ur
— ZEEKR (@ZEEKRGlobal) February 26, 2024
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参照:Zeekr