世界で最も出生率が低く、国が崩壊しそうな韓国が奇策を発表。「通勤時間を短縮すべく世界最速の地下鉄を開通させ、家族と過ごす時間を増やして出生率を向上させる」

｜　人口を維持できなければ税収や内需、GDPも減少してしまい、文字通り国が成り立たなくなる可能性も　｜

日本もそうであるが、韓国も潜在的に多数の解決しがたい問題を抱えている

さて、現在いくつかの国では出生率の低さが問題となっていますが、とくに韓国では「国が消滅するレベル」だと言われます（韓国の出生率は世界で最も低い）。

そこで今回報じられているのが「高速鉄道を建設して通勤時間を短縮し、韓国の若者が家庭を築きやすくするようにして出生率を上げる」という公式プロジェクト。

韓国では「日本における東京」以上にソウルに経済が集中しているという事情があり、そのため多くの人々は「ソウルに通勤」することとなるわけですね。

ただ、ソウルはもちろんその近郊は家賃が非常に高く、よってソウルから離れたところに住まざるを得ないという状況もあるもよう。

ソウルへの通勤時間を1/4に短縮

そこで今回韓国政府が公表した計画が「主要ベッドタウンとソウルとを結ぶ6つの新路線の建設」。

これによって、たとえば現在「バスに乗って80分かけて通勤している人々」の通勤時間が19分にまで短縮されると報じられており、韓国政府としてはこれによって「空き時間」を創出し、恋愛や結婚、出産や育児に充てる時間を作ってほしいと考えているようです（あるいは郊外に住居を構えることで育児のための環境を整えたり資金的余裕の確保を念頭に置いている。韓国の都市部では5年間で不動産価格の中央値が45％上昇しているという）。

なお、これまでにも韓国は出生率の低下に対して補助金を出したりと様々な対策を行ってきたものの、それらは一向に効果を産まず、よって今回の「134兆ウォン相当（現在の為替レートだと約15兆円）の」大規模プロジェクトの立案が立ち上がっており、実際に2025年までにこれら6つの路線が開設されると報じられています。

この鉄道はGTXと呼ばれており、完成すれば最大時速180キロで運行することになり、これは「世界最速の地下鉄」となるのだそう。

ただし問題はそれだけではないとボクは思う

しかしながらこれまで多額の補助金を投入しても効果が上がらなかったのと同様、今回のGTXについても大きな効果を生むことはないだろうとぼくは考えていて（しかし人々の生活は便利になるので歓迎すべきことである）、というのも韓国では労働時間の長さがよく知られており、もし通勤時間が短くなったとしても「そのぶん労働時間が長くなるだけで」家で過ごす時間はいっこうに長くならないかもしれません。

これは他人よりも常に上に立たねば自分の存在価値を証明できないという韓国の企業文化に起因している可能性もあり、まずはこういった状況を改善しなければならないのかも。

加えて上述の不動産価格の上昇、それに加えて物価の上昇など「若者が未来に希望を持ていない状況」もひとつの問題であり、希望を持てなければとうてい子供を持とうとは考えることができないんじゃないかと思います。

実際のところ、韓国の若者は「自分ひとり生きてゆくことでいっぱいっぱいで、とても結婚するだけの金銭的・時間的余裕はなく、子供を持つなどとうてい想像できない」のかもしれませんね（それは日本でもあまり変わらない）。

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参照：Reuters