
| 製作にかかったのは180日、今までにも様々な作品をリリースしてきたものの、このゲレンデは最高傑作と言っていいだろう |
ここまで来ると「次回作」にも期待が高まる
さて、ウッドクラフト系ユーチューバー、「ND – Woodworking Art」が最新作としてメルセデス・ベンツGクラスを公開。
一見しただけではわかりにくいのですが、三菱パジェロのシャシーとパワートレーンのみを流用し、それ以外のボディパネルや内装は(驚くべきことに)発光パーツを除くとすべてウッドにて製作されています。
なお、このND – Woodworking Artはもともと木材を使用して伝統工芸品などを作って販売していたものの、ある一定の時点から(1/10くらいのスケールの)クルマをウッドにて作るようになり、その後はどんどんサイズが大きくなるとともに「自走」できる実物大へと進化することに。
それでも「実物大」を作り始めた当初は(より簡単な)エレクトリックパワートレーンを使用していたものの、今回のメルセデス・ベンツGクラスでは内燃機関を使用していて、その対応できる技術の範囲がどんどん大きくなっているということを意味します。
現在ではその高い技術が評価されチャンネル登録者数288万人を誇りますが、ユーチューバーとなったことで「生活が一変してしまった(自分で人生を切り開いた)」ひとつの例かもしれません。
「木製」メルセデス・ベンツGクラスはこうやって作る
そこでこのメルセデス・ベンツGクラスを作ってゆく様子を見てみたいと思いますが、ベースとなるのはこの三菱パジェロ。
このパジェロの内外装をすべて外し、ルーフやピラーも切り取ってしまいます。
その後はウッドパネルを貼り付けるための「フレーム」を角パイプで作り上げ・・・。
それをパジェロの車体に装着(この時点でかなりGクラスっぽい)。
その後は酸化防止のために車体やパイプをブラックに塗装し、そこへあらかじめカットした木製のパーツを組み付けてゆくことに。
こんな感じでざっと組み立ててゆき・・・。
車体後部だとこう。
まさかここまで再現度の高い「木製」メルセデス・ベンツGクラスが出来上がるとは
ひととおりボディパネルを組み付けた後はエッジを落として面取りを行ってゆきますが・・・。
信じられないレベルの滑らかさに仕上がってゆきます。
インテリアもウッド製。
もちろんドアも開閉し、ドアインナーパネルの「ポケット」までもが再現されています。
ステアリングホイールは「切り株」みたいな木材からの削り出し。
センターコンソールももちろんウッドですが、エアコン吹き出し口の「タービン」までもが手作りです。
このあたり、もともとが「伝統工芸品」を作っていただけあって芸術性の高い仕上がりとなっていますね。
シートも木製で・・・。
モールなどの装飾品、ルームミラー、エンブレムやメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターまでもが木材からの削り出し(ちゃんと3D形状が再現されている)。
内装が組み上がった状態はこう(とんでもないレベルの再現度である)。
公道走行を視野に入れ、ウインカーレバーなどステアリングコラムやラックは三菱パジェロからの流用です。
ざっと外装が完成するとこう。
バンパーのインレイ、パナメリカーなグリルのスラットは「別パーツ(木製)」で作られており、驚くべきことにパンパー内のハニカムグリルまでもがウッドによる自作です。
ここまで来るともう「レプリカ」ではなく芸術作品の域に達していると考えてよく、メルセデス・ベンツとしてもこれに文句をつけるのは”無粋”なのかもしれません。
その後はランプ類(自作)を装着し、さらには内外装にニスを吹いて完成。※この後にウインドウ類を取り付けている