| テスラはおそらくどの自動車メーカーよりも深遠かつ広大な計画を持っている |
やはりテスラを単なる「市販EVメーカー」として見るのは間違いであろう
さて、テスラが年次株主総会(サイバーラウンドアップ)を開催し、そこではいくつかの新しい事実が明らかに。
大きなものとしては「3つのモデルが今後発売される」ということで、これらの詳細について明かされてはいないものの、おそらくひとつは新型ロードスター、もうひとつはロボタクシー、そして最後のひとつはピープルムーバーになるであろうと考えられています(すべて予定通りに事が運べば、2025年までにはすべてが発表される可能性が考えられる)。
テスラは以前にもピープルムーバーについて言及している
なお、テスラは以前にもピープルムーバー、ロードスター、そして近日発売予定のロボタクシーについて言及しており、よって今回の動画にて示された「ヴェールをかけられた3台」がこれに該当する可能性が大。
今回のプレゼンテーションでは「世界的に見て、商用車(あるいはビジネス用車両)をEVに置き換える必要がある」と述べており、実際にテスラはすでにセミ(トラック)を発売するなどそれに向けて動いていますが、今回のピープルムーバーはミニバン形状を持ち、人々の移動のための手段、そして荷物配達など「個人所有以外の目的」に供されるのではと考えられています。
付け加えるならば、テスラの最終的な目的は「世界中の内燃機関車両を電動車に置き換えること」で、そこにはもちろん商用車が含まれているわけですね。
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テスラにはまだ関与していない分野がある
今回のプレゼンテーションにおいて、スライドの上部には「We Still Have A Long Way To Go(まだ長い道のりの道半ばである)」という文字がイベント通じて表示されており、これはイーロン・マスクCEOが少し前に言及した「2つの大きな成長の中間にあり、今は2つ目の成長に備えた準備を行っている段階」であることを示しているのかもしれません。
そして実際、ロボタクシーや商用車といった「今までに関与していない分野」への進出をここ最近で強く示唆しており、テスラは不毛な競争を避けて次のステップへと進もうとしていることがわかります。
なお、テスラはEVビジネスについて、まずは(EVは高価な乗り物なので、富裕層をターゲットにした、そして高額な)「モデルS」からスタートさせ、そしてこのヒットを受けて新興 / 既存自動車メーカーがこぞってこのモデルSをターゲットにしたクルマを発売することになりますが、実際に発売される頃にはテスラは「その先」の計画である、より求めやすい価格帯のモデル3そしてモデルYといったセグメントへと移行しています。※よってテスラは競争に巻き込まれておらず、追随者間で激しい争いが繰り広げられているだけである
そして現在は中国の自動車メーカー含め、世界中の自動車メーカーがモデル3とモデルYを追いかけている状況となっていますが、ここでテスラはまたもやそういった追随者に肩透かしをくらわせ、「先に」行こうということなのかもしれません(ただし、予想よりも早く追随者が迫ってきたのは計算外であったのだと思われる。
明らかに、私たちは水面下でいくつかの新製品に取り組んでいます。これはかなり特別なものになると思います。最初は、ああ、そんなにすごいものではないだろうと思う人もいるかもしれませんが、待ってください、すごいものになります。
テスラCEO イーロン・マスク
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参照:Tesla