| BMWは現時点でEVにおいて一定のアドバンテージを持っていると考えていいだろう |
もしかすると電動化時代に入ってはじめてBMWは「悲願のスーパーカー」を実現できるのかもしれない
さて、BMWはトヨタ同様に「マルチパワートレーン戦略」を採用しており、現在でも新しいガソリンエンジンの開発を継続している自動車メーカーの一つです。
その一方で電動化にも積極的に取り組んでおり、直近のニューモデルにおいてはガソリンエンジンに加え電動モデルを用意することも多くなっていますが、ハイパフォーマンスブランド「M」においては小排気量エンジンへの移行を嫌っており、実際にM社の責任者であるフランク・ファン・ミール氏は「我々はライバルのように4気筒エンジンを使用することはない」と暗にメルセデスAMGを批判したことも。
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ただしBMWはMモデルの電動化によって「すべてを過去のものに」
そこで今回報じられているのがフランク・ファン・ミール氏の電動版Mモデルに関するコメントで、同氏によれば「これまで見たものすべてを上回る」。
BMWは数年前からこの「電動版Mモデル」の開発に取り組んでおり、実際に次世代電動プラットフォーム「ノイエクラッセ」をベースとして、クワッドモーターを搭載し、最大1,341馬力(1,000kW)、つまり1メガワットのパワーを発揮するプロトタイプをテストしています。
そして興味深いのは、このエレクトリック・スポーツの心臓部とも言えるモーターにつき、BMWはサプライヤーからの供給に頼らず自社での開発を行っているという事実で、フランク・ファン・ミール氏はM3/M4に積まれるS58エンジン、M5に積まれるS68エンジンと同じく、この新しいエレクトリックモーターが「電動スポーツのベンチマークになる」とも。
参考までに、ピュアエレクトリックではなくハイブリッドではあるものの、マクラーレン、フェラーリ、ポルシェ、ケーニグセグ等ではエレクトリックモーターの供給を外部に頼っており、しかしフェラーリは今後「エレクトリックモーターはガソリンエンジンに代わる存在として捉え」自社で製造を行うことをアナウンスしていますね。
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いったい電動版Mモデルはどんなクルマに?
現在この「電動版Mモデル」は開発の初期段階にあると思われるため、最終的にどのようなクルマとなるのかはわからないものの、現段階では「クワッドモーター」搭載、そして0-100km/h加速は3秒以下(つまりBMWは史上最速)になると見られており、エレクトリックモーターは水冷あるいは油冷による冷却が検討中(冷却システムそのものがほかのノイエクラッセとは異なる)、そして800Vアーキテクチャ採用によるDC急速充電が可能となるもよう。
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そしてもちろんこの電動版Mモデルは途方も無いパワーを発揮するだけではなく、そのパワーとトルクを数ミリ秒単位(あるいはそれ以下)で制御できするシステムを備えることになりますが、フランク・ファン・ミール氏によれば「2モーター、後輪駆動」セットアップも検討しているとのことで、何らかの具体的な情報が公開されるのを楽しみに待ちたいところですね。
なお、少し前にはランボルギーニも「ピュアエレクトリック時代には、ガソリンエンジンとは全く異なる異次元の制御が可能になる」と語ったことがあり、というのも「吸気と爆発を繰り返すこと」でパワーとトルクを発生させるガソリンエンジンは緻密な制御を行うことが構造上不可能であり、しかしエレクトリックモーターであればそれが可能になるから。
そしてBMWの場合だと、他社に先駆けてEVを作ってきたというノウハウもあって「ライバルよりも一歩先んじた」制御を行うことができる下地を持っているのかもしれませんね。
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